市役所が行う無縁仏の対策や対処方法を解説

市役所が行う無縁仏の対策について知って、身近な問題に関心を持ちましょう。

この記事では、無縁仏の背景や増加要因、無縁仏が社会に与える影響について解説します。

また、市役所が行う無縁仏の葬儀やお墓の処分方法についても紹介します。市役所では無縁仏対策もおこなっていますが、自分で行える対策もあります。

無縁仏は、誰にでも起こりうる問題です。この記事を読んで、無縁仏に対する理解を深め、対処法を知っていきましょう。

無縁仏の背景と増加要因について知ろう

そもそも無縁仏とはなにか

無縁仏とは、葬儀や供養をする親族や縁者がいなくなった故人やお墓のことを指します。

また死後、誰にも葬儀をしてもらえない場合や、お墓を用意していない場合なども無縁仏ともいいます。

つまり、無縁仏とは故人を弔う縁者がいないという意味があります。

無縁仏が増加する理由

最近、無縁仏という言葉をよく聞くようになりましたが、その増加の理由について知りたいと思う方も多いのではないでしょうか。

無縁仏とは、故人を供養する方が何らかの事情によりいなくなってしまった状況のことです。

増加する理由は、少子高齢化や核家族化により、親族や縁者がいない場合が増えたことが挙げられます。

また、遺産相続が難しい場合や経済的理由から無縁仏となる方もいらっしゃいます。

このように、無縁仏が増加する理由は複数ありますが、一人暮らしや家族関係の希薄化など、社会情勢の変化が深く関わっているといえます。

無縁仏になる人の特徴や理由

無縁仏になる人の特徴として、子供や孫などの子孫がいないことがあげられます。

また、自らの生前の振る舞いによって無縁仏となってしまった人、子や孫がいても経済的理由で遺体を引き取ってもらえない、お墓の管理ができず無縁仏になる場合もあります。

そのほか、お寺などでお墓の管理者がいなくなった場合など、致し方ない事情から無縁仏になってしまう場合もあります。

無縁仏になってしまった場合の市役所の対処方法について知ろう

市役所が行う無縁仏の葬儀について知ろう

市役所は、無縁仏の葬儀について行政的な責任を負っています。

この場合の無縁仏とは、身寄りのない人が亡くなった場合、遺体や遺骨の管理・供養に困る状況を指します。

葬儀費用は市役所が負担し、葬儀会社を選んで市役所が手配します。葬儀の手配には、遺体の搬送や火葬手続きなどが含まれます。葬儀の費用は、市民税や地方税などから賄われます。

葬儀後、遺骨は市営霊園の納骨堂などで一時保管され、期限内に引き取り手が現れなければ、合祀されます。

市営霊園の納骨堂に納骨された場合は、市役所が管理を行います。

市役所が行う無縁仏の葬儀は、遺族による負担が少なく済むため、貧困層や高齢者には重要な制度です。

一方で、市役所で手配される葬儀は、最低限の手続きしか行われないため、葬儀内容には限界があります。

自身の死後の扱いにこだわりがある場合や、遺族が自身で手配したい場合は、葬儀社に自分で生前予約するか家族に相談することが大切です。

 市役所がおこなう無縁仏になったお墓の処分方法について知ろう

市役所は、無縁仏になったお墓の処分もしています。

まず官報に掲載し、一定期間を経過してもお墓の祭祀承継者からの連絡がなければ、改葬許可申請書を市区町村の役所に提出することで、撤去が行われます。

撤去の際には、お墓に立て札や貼り紙を設置し、写真撮影をして記録を残します。

無縁仏のお墓からは、遺骨を取り出し、墓石を撤去して整地します。

取り出された遺骨は無縁墓や無縁塚、供養塔などに安置されることが一般的で、費用は墓地の管理者が負担する場合が多いです。

ただし、墓地の管理者が廃業した場合は、自治体が費用を負担して無縁墓地に移す場合もあります。

近年は無縁仏となった遺骨が多く、無縁墓に埋葬する際には遺骨を粉砕するなど体積を減らす処理が行われます。

また、遺骨の一部のみを取り出して合祀し、残りは産業廃棄物として処分するケースも存在します。

無縁仏が社会に与える影響について知ろう

市役所に負担がかかっている

近年、無縁仏の遺体の葬儀費用、お墓の撤去などで市役所が負担するケースがあります。

しかし、無縁仏が増加していることから、市役所への負担も大きくなっています。

そのため、無縁仏のお墓は市役所では負担せずに墓地管理者が撤去するなどが多いです。

墓地管理者に負担がかかっている

お墓を管理している業者がお墓の管理費などで経営をしている場合もあります。

無縁仏となってしまうとお墓の管理費の支払いがされず経営が難しくなるケースもあります。

そのため、墓地管理者としては一刻も早く墓石を撤去して、整備した区画を次の方に貸し出したいことでしょう。

市役所の無縁仏対策や自分で行える対策について

市役所が行っている無縁仏の対策

市役所が行っている無縁仏対策としては、法定手続きを行い、未払いの旨を官報に掲載した上、墓地に立て札を1年間にわたり立てることで、当該の区画の使用者への通知を試みています。

また、市役所によってことなりますが、お墓の撤去の一部を補助している場合もあります。そのほかに、市役所が管轄している合祀墓で安い費用で納骨できる場合もあります。

このように市役所では、無縁仏にならないように対策をしています。

自分でできる無縁仏対策について知ろう

お墓の承継者がいない場合は生前の内にお墓じまいをすることで無縁仏となることを対策することができます。

また、身寄りがいない人で死後の納骨先が合祀墓に抵抗がある場合は、生前に葬儀・納骨先を決めておくと良いでしょう。

葬儀社を決めて契約をします。その葬儀社に納骨を契約した霊園・寺院名を伝え、必要な手続きをすることで、身寄りがなくてもご自身が亡くなったあとに、依頼した葬儀会社が葬儀・火葬・納骨までサポートしてくれます(死後委任契約)。

市役所が行う無縁仏の対策や対処方法でよくある質問

無縁仏とは何ですか

無縁仏とは、身寄りがなく、葬儀してくれる人がいない人、お墓を管理してくれる人がいない人のことを指します。

市役所が行う無縁仏の葬儀についてはどのようなものですか

市役所が行う身寄りがいない人の無縁仏の葬儀は、簡素な内容で行われます。自治体によって内容が異なるので、お住まいの市役所に問い合わせする必要があります。

自分でできる無縁仏対策にはどのようなものがありますか

無縁仏対策としては、身寄りがいない場合は、生前に葬儀の予約、納骨先の予約をしておくことが大切です。