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永代供養と永代供養墓のデメリット・メリットと知っておくべき注意点

永代供養とは、寺院・霊園がご遺骨・位牌の管理や供養を永代に渡っておこなってくれる供養方法のことです。

家族の負担を減らすことができる、費用が安く抑えられるといったメリットがありますが、家族の理解を得にくい、合祀されると分骨・改装できないといったデメリットがあります。

永代供養墓(ご遺骨の管理場所)や永代供養の種類を検討しないで選んでしまうと、家族に反対される、かえって費用が高くなるといったトラブルが発生して必ず後悔することになります。

この記事では、永代供養と永代供養墓のデメリット・メリットを解説しているので、永代供養をする前に確認しておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。

永代供養のデメリットとメリット

永代供養とは?永代供養をする意味について

永代供養(えいたいくよう・えいだいくよう)を寺院・霊園にお願いすると、故人のご遺骨の管理・供養(春・秋のお彼岸、年忌法要、祥月命日の供養、月命日の供養、毎月1回・毎日の供養)を永代にわたっておこなってくれます。

核家族化や若い世帯の都心部への移動が増加していくなかで、お墓管理を管理している高齢者が抱えているお墓の継承者の不安を解消する方法として永代供養が注目されています。

永代供養のデメリット

デメリット

  • 家族や親族の理解を得にくい
  • 一定期間が経つと合祀される
  • 合祀されると分骨・改葬ができなくなる
  • 故人に向けた合掌・お供え・お線香を立てるのがむずかしい
  • お墓を承継できない

永代供養・永代供養墓のデメリットは、一定期間が経つとほかのご遺骨と同じスペースに埋葬(合祀)されて分骨・改葬ができなくなることです。

永代供養墓は、ひとつのお墓のなかに複数人のご遺骨が安置されるので、故人に向けて手を合わせることがむずかしくなるので、家族や親族の理解を得にくいです。

家族や親族の理解を得にくい

近年注目されるようになってきた永代供養ですが、世間に十分に浸透しているとはいいがたいのが事実です。

「先祖代々のお墓を守り継ぐ」という考えをお持ちの方や、信心深い方、檀家のお務めをされている方の中には、永代供養に強い違和感を持つ方もいます。

また、「費用が安い」「供養を施設に任せられる」といった部分が、「手を抜いている」と感じられ、反発を招くこともあります。

価値観の違いから家族や親族に理解を示してもらえないケースは多々ありますが、無理に押し切ろうとせず、お互いの意志・意見を伝え合い、慎重に話を進めることが大事です。

一定期間が経つと合祀される

永代供養のプランがついた納骨堂や、契約期間付きの永代供養墓の場合、決まった期間を過ぎると多くの場合ご遺骨は合祀(ごうし)されます。

合祀とはほかのご遺骨と一緒にして埋葬されることであり、合祀されるまでの期間は、管理施設や契約内容によって異なります。

短いところで三回忌、長いところで五十回忌というところもありますが、一般的に三十三回忌をもって弔い上げとし、その後は合祀スペースに移されるケースが多いです。

他家のご遺骨と一緒になることに拒否感がある方や、次に挙げる分骨・改葬をお考えの方にとってはデメリットとなるので注意が必要です。

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一度合祀されると、分骨・改葬ができなくなる

永代供養では多くの場合、故人のご遺骨は一定期間を経た後に合祀されます。一度合祀されると、ほかのご遺骨と一緒になるので、その後で故人のご遺骨だけを取り出すことはできなくなってしまいます。

つまり、後になって「分骨したい」「代々のお墓に入れたい」という希望が出てきても、合祀後にそれをかなえることはできなくなるのです。

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故人に向けた合掌・お供え・お線香を立てるのがむずかしい

「お墓やお墓参り」をイメージしている方は、大抵戸惑われるはずです。身内に「お墓参りと同じ形式でお参りしたい」という希望を持つ方がいる場合は、注意する必要があります。

また、世の中には「お墓参りをすることで故人と向き合い、悲しみを癒す」という考え方もあります。永代供養にすることでその機会が失われ、親族や知人が十分に故人と向き合うことができない状況が生まれる可能性もあります。

永代供養墓は自分のお墓だからと勝手に決めず、遺された人たちがどのように弔いたいか、供養したいと思っているかも重要なポイントであることにも気をつけてください。

お墓を承継できない

子世代に「自分たちのお墓を継ぎ、使っていきたい」という考えを持つ方が出てきた場合、その思いをかなえることができなくなります。

「永代供養墓は費用が安く抑えられて管理の必要もない。それに比べて普通のお墓は費用もかかるし、手間もかかる。」とお墓のマイナス面ばかりに目がいってしまうこともあります。しかし、お墓は「世代を超えてずっと使える」というメリットがあります。

永代供養のメリット

メリット

  • お墓より費用が抑えられる
  • 供養・管理を寺院や霊園に任せられる
  • 家族の負担を減らすことができる
  • お墓の後継者がいなくても利用できる
  • 宗旨宗派を問われないことが多い
  • 生前契約ができる
  • 檀家になる必要がなくなる
  • 施設にアクセスしやすい立地に永代供養墓があることが多い

永代供養・永代供養墓の大きなメリットは、故人のご遺骨の管理・供養を寺院や霊園に任せられるので家族の負担を減らせることです。

あわせて、承継者が必要なお墓(一般墓)とはちがって永代使用料(土地代)がかからない、檀家になる必要がないので費用を抑えられる、アクセスしやすい場所に立地しているメリットがあります。

お墓より費用が抑えらえる

永代供養墓のほとんどは、墓石代がかからなくて、管理の手間が少なくて、遺骨を納骨するスペースをあまり必要としないので費用が安くなる傾向にあります。

一式料金を払えば、管理費・お布施などを払う必要がないのも、大きなメリットです。

供養・管理を寺院や霊園に任せられる

永代供養は、供養・管理の一切を施設がおこなってくれます。自分でお墓を管理する必要がないので負担を減らすことができます。

お墓の掃除やお参りなど、定期的に行くことが難しいかたのお墓の管理・供養の負担を減らせる永代供養は魅力的な選択肢といえます。

家族の負担を減らすことができる

親世代が寺院との付き合いやお墓の管理を負担だと感じて、自分の死後、子どもや遺される家族に背負わせたくないと考えるのは、自然なことです。

永代供養は、費用を支払ったあとは供養・管理は施設に任せられるので、子世代に大きな負担がかかることはありません。また、永代供養墓はいつでも自由にお参りできるところが多いので、遺された家族は都合の良い時に手を合わせに行くことができます。

お墓の後継者がいなくても利用できる

お墓の後継者がいない場合でも、寺院や霊園が責任を持って供養をしてくれます。

お墓を管理する人・受け継ぐ人がいなくなったとしても、故人が無縁仏になってしまうことはありません

親以外に身寄りがない方や、事情があって後継者がいない方でも、安心して利用できます。

宗旨宗派を問われないことが多い

永代供養は、原則として所属している宗教宗派(仏教・キリスト教・神道等)に限らず誰でも供養してもらます。無宗教でも利用することができます

檀家になる必要がない寺院が多いので、永代供養はお墓よりも利用しやすいといえます。たとえば、「結婚先の宗教・宗派と実家の宗教・宗派が異なる」というケースでも、トラブルが起きにくいのが良いところです。

生前契約ができる

永代供養をおこなっている寺院・霊園のなかには、生前に契約を結べるところがあります。

気になる施設を生前に見学して好みの場所があったら、前もって永代供養の申し込みをしておくことができます。

本人が納得したうえでお墓を決められるので、安心感を得やすいのがメリットです。

生前に永代供養の申し込みをすることで、その後の人生を晴れやかな気分で過ごせるようになるのでおすすめです。

「自分の死後のことについて余計な心配をしたくない」という方にとっても、永代供養は向いているといえます。

檀家になる必要がなくなる

法要やそのほかの行事への参加が負担だと感じる方、檀家をやめたい・離檀したいと考えている方は、一度永代供養・永代供養墓について検討してみると良いかもしれません。

アクセスしやすい立地に永代供養墓があることが多い

納骨堂は「ご遺骨を一時的に保管するための施設」であり、あくまで「お墓に代わるもの」でありお墓ではないので、厳密には「永代供養墓」とは別物です。

しかし、近年、納骨堂に永代供養がセットになったプランが登場し、広まりつつあるため、永代供養墓のひとつとして考えられるようになってきました。

「永代供養付きの納骨堂」は、都市部やアクセスしやすい場所にあることが多くて、お参りに行きやすいのがメリットです。さらに屋内に参拝スペースがあることがほとんどで、雨風にあたらずゆっくりとお参りができます。

高齢者の方やお身体が不自由な方は、遠方のお墓へお参りするのに苦労することがあります。お墓参りの体力的・精神的な負担を減らしたい場合は、永代供養付きの納骨堂を選択肢のひとつに入れてみましょう。

手元のご遺骨・お墓のご遺骨を永代供養するデメリットとメリット

手元に遺骨があるときに永代供養をするデメリットとメリット

デメリット

  • お墓に行かないとお参りができなくなる
  • 故人様を近くに感じることができる

メリット

  • 親族や親戚がお参りしやすい
  • ご遺骨の管理の心配をしなくてよくなる
  • ご遺骨の供養先について今後考える必要がなくなる
  • ご自宅が被災したときの心配をしなくてよい

手元にご遺骨をおいておくことで個人を身近に感じられるメリットがありますが、ご遺骨を痛めないようにする管理や、ご遺骨を管理するスペースを確保のむずかしさ、世代が変わるときの承継者への負担があります。

ご自宅で管理しているご遺骨は、「刑法」第190条で遺骨を形が残ったまま捨てること、「墓地、埋葬に関する法律」第4条で墓地以外の区域に埋葬または焼骨の埋蔵をおこなうことを禁止されているので、いずれはお墓の納骨や散骨を考えなくてはいけません。

費用が5万円程度と安く抑えられる永代供養墓(合祀墓)があるので、ご遺骨を管理する負担や承継者への負担を考えると永代供養墓のほうがメリットをうけられると判断してご納骨されるかたは多いです。

菩提寺のお墓の遺骨を墓じまいして永代供養するデメリットとメリット

デメリット

  • 費用と手間がかかる

メリット

  • 菩提寺に檀家の費用を支払い続けなくてよい
  • 近隣に改葬することでお参りしやすくなる
  • 子孫世代への負担を解消できる
  • 無縁仏ではなくなる

墓じまいのデメリットは、墓石の撤去代・出骨作業代・遺骨の移送費用・離檀の費用が50万円~100万円程度かかることと行政の書類手続きや菩提寺の住職との相談など手間がかかることです。

墓じまいをしてご遺骨を永代供養することで、お墓の土地代として支払っていた年間管理費用や寺院の修繕費用を菩提寺に支払う必要はなくなる、法要のたびに寺院へ出向く・お墓の掃除をする・寺院が催す行事に参加する必要がなくなるなど大きなメリットを得られます。

さらに、自分自身のご遺骨の納骨先として生前契約を結ぶことで、その後の人生を晴れやかな気持ちで生きやすくなります。また、承継者となるご遺族の負担を減らすことができます。

お墓を継ぐこと自体が大事だという考え方もあるので、安易に永代供養を選ぶことはおすすめできませんが、いま寺院・霊園に支払っている年間管理費と、墓じまいにかかる費用を比較したうえで、金銭的に負担が少なければ墓じまいすることをおすすめします。

行政の書類手続きは、墓石を撤去する石材店が代行してくれることが多いので、墓じまいの相談をするときに確認するべきです。

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後悔するまえに知っておくべき永代供養の注意点

永代は永遠や未来永劫と同じ意味ではない

永代供養における「永代」とは「長い年月」を意味するもので、決して「永遠・無限」を約束するものではありません。たとえば、寺院が廃寺しまった場合や、霊園が閉鎖してしまった場合は、永代供養墓の供養や管理が難しくなります。

逆にいえば、しっかりと維持・運営されている施設を選べば、寺院が廃寺する・霊園が閉鎖する心配は少ないです。

経営がしっかりしている施設ならば、その永続性をもって管理・供養は続けられていきます。

永代供養を契約する時は、事前に契約する寺院や霊園の経営状態をしっかりとチェックすることが重要になってきます。

長い年月、供養・管理の一切を任せる施設だからこそ、「安心してご遺骨を預けられるかどうか」を見極めてください。

一式料金とは別に年間管理費を請求されることがある

納骨堂や個人ごとにお墓を建てる永代供養墓は、一式料金とは別に年間管理費を請求されることがあります。

また、施設のホームページなどで「一式料金」として提示されている価格は、「一人分」であることが多いので、注意が必要です。その場合、永代供養墓に入る人数が多くなると、それに比例して費用も大きくなります。

供養の回数・頻度は施設によって異なる

供養の回数・頻度は施設によって異なります。命日のように、供養を希望する時期が決まっている場合は、事前に管理先へ確認を取る必要があります。

供養は管理先の宗教に則った形でおこなわれる

「宗旨は問わない」といっても、供養は管理先の宗教に則った形でおこなわれるのが普通です。後になって「信仰上、受け入れがたい供養方法であることが発覚した」とわかったとしても、ご遺骨をすぐに移すことはできません。

また、寺院が経営する永代供養墓の中には、その寺院の宗教・宗派に帰依することが必要になることもあります。

場所によっては檀家になる必要があるところもあるので、事前に確認を取ることが必要です。

生前契約をする条件がある永代供養墓がある

施設によっては、生前契約の際に檀家になることや、年会費・管理費の支払いを求めるところがあります。

永代供養が向いている人

後継ぎがいない人・お墓を守る人がいない人

子どもや孫など、自分の死後にお墓のことを任せられる「後継ぎ」や「お墓を守る人」がいない人たちには、永代供養が合っているといえます。

永代供養は、寺院や霊園などに管理・供養の一切を任せることができる供養方法です。「自分の死後、家のお墓はどうなってしまうのだろう…」という不安を抱えている人は、永代供養を選ぶことで、肩の荷を下ろせます。

お墓の形式にとらわれない人

一定の期間が経つと合祀されてしまう、場所によってはお供えもできないなど、永代供養には普通のお墓とは異なる部分が多々あります。

お墓とは違う部分や、しきたりや慣習にこだわりがなくて、新しい仕組みを受け入れられる人は永代供養に向いています。

お墓の形式に違和感を持っている人

お墓を継承している人たちの中には、檀家制度や寺院との付き合いに、不都合を感じている人もいます。あるいは、「子孫が代々のお墓を守り受け継ぐ」という考え方に違和感を持つ人もいます。

永代供養は、悩みを抱えている人たちの負担を減らしてくれる供養方法でもあります。また、檀家になる必要がないところが多くて、法要や行事への参加も強制されません。

寺院との付き合いや管理などで、お墓に足を運ぶのが負担だと感じている方には、永代供養は向いている可能性があります。

遠方にお墓がある人

人によっては、現在住んでいる土地と家のお墓が、遠く離れたところにある場合があります。たとえば、「実家は北海道でお墓もそちらにあるが、現在の居住地は東京」というような状況です。

居住地とお墓の距離が離れていることで不便を感じる場面は多く、「どうにかできないか」と考えている人もいるかもしれません。

法要やお墓参りのたびに遠方に足を運ぶのは、多くの人にとって金銭的・肉体的・精神的な負担をもたらすものです。

受け継いできたお墓を墓じまいして永代供養墓に改葬すると、お墓参りの負担を大きく減らすことができます。

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ほかに身寄りがない親戚のご遺骨の管理をしている人

たとえば自分以外に身寄りのない親戚(叔母や叔母など)のご遺骨を引き取ったが、自分は他家に嫁いでいるため納めるべきお墓がなくて困っている場合などは永代供養墓がおすすめです。

ほかに身寄りがないということで、仮にその方のお墓を建てたとしたら、その後の管理に問題がでるはずです。一方、永代供養墓であれば、寺院や霊園にしっかりと管理・供養されるので、ご自身が負担にならない範囲での弔いが可能となります。

永代供養に向いていない人

墓石や土地にこだわりがある人

永代供養では、最終的にご遺骨を合祀してしまうケースがほとんどです。また、永代供養墓の種類によっては、故人ごとにスペースが分けられることもなくて、同じ土地に全てのご遺骨が一緒に埋葬されることがあります。

家族だけのお墓を持ちたい人や、住んでいた土地に思い入れがある人には、永代供養は向いていないといえます。

また、お墓参りをすることで故人や先祖と向き合い、心を慰めたいという考えを持つ人にとっても、永代供養は不向きです。

代々のお墓を守り継ぎたい

先祖や故人に思いを馳せる場としてお墓を使いたいと思っている方にとっては、「お墓を承継できるどうか」が大事なポイントになることがあります。自分たちの一存だけで決めていいものかどうか永代供養を選ぶ前に、一度考えてみることをおすすめします。

家族・親族に反対する人がいる

家族や親族のなかに、永代供養になじみがない人や、反感を持つ人がいることもあります。そうした時に無理に押し通そうとすると、後々トラブルになる可能性を否定できません。

合祀型の永代供養墓の場合、合祀後にご遺骨を改葬・分骨することができません。自分の一存で「ここに入る!」と決めてしまうことは、ほかの親族・遺族にとって大きな不利益をもたらす可能性があります。

無理を通して永代供養墓に入ったとしても、後に別の人たちの意思によって、通常のお墓に改葬されてしまうかもしれません。あるいは、生きている間に家族・親族と係争状態になる可能性もあります。

事態を避けるためには、永代供養を選ぶときに家族・親族としっかり話し合う必要があります。家族・親族の意見を尊重して永代供養以外の選択をすることもひとつの手です。

手元供養や海洋散骨・森林散骨と比べる永代供養のデメリットとメリット

手元供養(遺骨ペンダントや仏壇等)・自宅墓と比べる永代供養のデメリットとメリット

デメリット

  • お墓に行かないとお参りができなくなる

メリット

  • 供養・管理を寺院や霊園に任せられる
  • 家族の負担を減らすことができる

手元供養(遺骨ペンダントや仏壇等)・自宅墓は、自宅でお参りができるので故人との距離が近く感じますが、永代供養墓にすると寺院・霊園にいかないとお参りができなくなります。

手元供養は、地震や土砂崩れ、火災等の自然災害が発生したときにご遺骨を紛失する可能性がある、手元供養していた方が亡くなった場合に手元供養していたご遺骨やアクセサリーの管理で遺族に負担がかかる可能性がある、手元供養したあとの最終的な納骨先について決めておかなければいけないという注意点があります。

一方、永代供養墓は埋葬先が決められているので心理的な負担がかからない大きなメリットがあります。

海洋散骨・森林散骨と比べる永代供養のデメリットとメリット

デメリット

  • なし

メリット

  • 遺骨を残すことができる
  • 散骨と比べて自由な場所に納骨できる

永代供養墓のデメリットはありません。散骨は散骨した証拠として証明書を散骨業者から発行してもらえますが、原則としてほかに形に残るものがありません。

永代供養墓はお墓や墓誌があるので、刻まれている戒名や命日を見ることで、ご先祖様が生きた証を確かめることができます。

散骨は禁止している、あるいは条例を設けている自治体や、観光地・観光ルート、漁場・養殖場のある海域、湖・河川・温泉など散骨ができない場所があります。自分で散骨ができる場所が判断するのはむずかしいので散骨業者に確認するべきです。

永代供養墓の種類によってちがうデメリットやメリット

遺骨の安置方法でちがう永代供養墓の種類とそれぞれのデメリットとメリット

ご遺骨をほかのご遺骨と一緒に埋葬する合葬墓のデメリットとメリット

デメリット

  • ご遺骨の取り出しができない
  • 故人に向き合って手を合わせにくい

メリット

  • 費用を安く抑えられる(10万円前後)

合祀墓は、すべてのご遺骨がおなじ空間で管理されているので費用は安く抑えられますが、一度納骨するとご遺骨を取り出すことはできないので、親族と話し合ってから選びましょう。

骨壺をほかの骨壷と同じ場所に安置する集合墓のデメリットとメリット

デメリット

  • 費用が割高になる(20万円前後)
  • 故人に向き合って手を合わせにくい

メリット

  • ほかのご遺骨と分けて安置できる
  • ご遺骨の取り出しができる可能性がある

集合墓は骨壺を共通の棚やスペースに安置するタイプで、合祀墓と比べてスペースが必要になるので費用が少し高くなります。

あくまで共通のお墓にお参りすることになるので故人とだけ向き合って手を合わせている感覚は得られませんが、故人のご遺骨をほかのご遺骨と分けて安置できます。

故人ごとにスペースを区切って骨壺を安置する個別墓のデメリットとメリット

デメリット

  • 費用が割高になる(40万円~100万円)

メリット

  • ほかのご遺骨と分けて安置できる
  • 故人とだけ向き合って手を合わせられる
  • ご遺骨の取り出しができる可能性がある

個別墓はご遺骨ごとにスペースが区切られて管理されるタイプで、合祀墓・集合墓と比べて費用が高くなります。

お墓とおなじように、故人専用のスペースにご遺骨が管理されているので故人とだけ向き合って手を合わせられる感覚があります。

永代供養墓ではなくて永代供養付き一般墓という選択肢もある

永代供養付き一般墓は期限が設定されている一般墓で、期限になると寺院・霊園が墓じまいをしてご遺骨を永代供養墓に移します。

墓じまいや永代供養にかかる費用がすべて初期費用に含まれているので、永代供養墓とおなじように承継者に負担にならないメリットがあります。

遺骨の管理場所でちがう永代供養墓の種類とそれぞれのデメリットとメリット

永代供養墓(永代供養塔・納骨塔・納骨壇)のデメリットとメリット

安置方法 費用相場
合祀 10万円前後
集合 20万円前後
個別 40万円~100万円

デメリット

  • 故人に向き合って手を合わせにくい合祀墓や集合墓が多い

メリット

  • お墓とおなじように遺骨の安置場所が墓石となるので親族の抵抗が少ない
  • 屋外にあることが多いのでお墓が日光にあたりやすい

霊園型樹木葬のデメリットとメリット

樹木葬(じゅもくそう)は、墓石の代わりに樹木やお花を墓標として故人の遺骨を管理する場所のことで、霊園のなかの区画を再整理してつくられる霊園型樹木葬、自然の里山のなかにある区画に樹木や草花を植える里山型樹木葬があります。

安置方法 タイプ 費用相場
合祀 合祀型 5万円~20万円
個型 集合型 15万円~60万円
個別 個別型 20万円~80万円

デメリット

  • 霊園型の樹木葬は個別に納骨する契約期間に制限を設けている
  • 都市部にあるので開発するための土地代かかり費用が高くなる傾向がある

メリット

  • 都市部に建てられることが多いので里山型樹木葬とくらべるとアクセスが良い
  • お墓が日光にあたりやすい
  • 墓石の代わりに樹木を墓標にする、屋内の空調管理等がないので費用が抑えられる

里山型樹木葬のデメリットとメリット

安置方法 費用相場
個別 50万円程度

デメリット

  • 交通アクセスがよくない山の奥にあることが多い
  • 天候によって地面がぬかるんで歩きにくい
  • 高齢になった時に杖や車いすでのお参りがしにくい
  • 冬は積雪があるので埋葬ができない

メリット

  • 合祀に移されることなく遺骨を土中に埋葬する場合が多いのでゆっくりと自然の中に還っていける
  • 自然が多い場所を立地に選ぶため静かな場所で眠ることができる
  • 屋外にあることが多いのでお墓が日光にあたりやすい
  • 墓石の代わりに樹木を墓標にするので費用が抑えられる

ロッカー型納骨堂のデメリットとメリット

安置方法 費用相場
個別 20万円前後

デメリット

  • 永代供養費以外にも年間管理費がかかる場合が多い
  • 線香を炊く、墓石に水をかける等のお墓参りができない
  • 施設の老朽化・天災で遺骨が紛失する不安がある
  • 地価があがることで管理料の値上げが生じる懸念がある
  • 納骨できる遺骨の数が霊廟型・自動搬送型納骨堂と比べて少ない

メリット

  • 屋内にあるので天候に左右されずにお墓参りができる
  • 空調施設がついている
  • 費用が抑えられる

霊廟型納骨堂のデメリットとメリット

安置方法 費用相場
個別 30万円~100万円

デメリット

  • 永代供養費以外にも年間管理費がかかる場合が多い
  • 線香を炊く、墓石に水をかける等のお墓参りができない
  • 施設の老朽化・天災で遺骨が紛失する不安がある
  • ロッカー型納骨堂と比べて費用が高い

メリット

  • 屋内にあるので天候に左右されずにお墓参りができる
  • 通いやすい場所に納骨堂があることが多いのでアクセスしやすい
  • 仏壇の下に故人の遺骨を安置できる
  • 故人が好きだったもの・遺影や位牌の安置、お花の装飾ができる
  • 親族から受け入れられやすい
  • 空調施設がついている
  • 車いすのかたがお墓詣りできるようにバリアフリーが整えられている
  • 仏壇がついているので先祖代々墓も含めて供養ができる
  • 納骨できる遺骨の数がロッカー型と比べて多い

上下2段に分けられた壇が設置されていて、上はご本尊や位牌を置くスペース、下は骨壺を安置するスペースになっています。

永代供養のため後継者が必要ないケースが多いので、最終的に寺院の合祀墓に埋葬されます。しかし、代々受け継ぐことができる霊廟型納骨堂もあります。

自動搬送型納骨堂のデメリットとメリット

安置方法 費用相場
個別 50万円~100万円

デメリット

  • 永代供養費以外にも年間管理費がかかる場合が多い
  • 線香を炊く、墓石に水をかける等のお墓参りができない
  • 施設の老朽化・天災で遺骨が紛失する不安がある
  • ロッカー型納骨堂と比べて費用が高い
  • 家の仏具や位牌を置いておくことはできない
  • 営業時間の制限があるので参拝できる時間帯に制限がある

メリット

  • 屋内にあるので天候に左右されずにお墓参りができる
  • 通いやすい場所にある場合が多いため、自家用車やバス、徒歩など交通手段の選択肢が多い
  • 空調施設がついている
  • 車いすのかたがお墓詣りできるようにバリアフリーが整えられている
  • 個別の参拝スペースがあることが多い
  • セキュリティー管理がしっかりしている
  • 法要や会食ができるスペースが設備されている常備されている
  • 納骨できる遺骨の数がロッカー型と比べて多い

契約すると発行されるカードを差し込んだり、ボタンを押すとご遺骨やご位牌を参拝スペースに呼び出してお参りできます。

永代供養墓を管理する霊園墓地・寺院墓地によってちがうデメリットとメリット

公営霊園の永代供養墓のデメリット・メリット

市町村など各自治体が管理・運営しています。

デメリット

  • 申込に条件がある(住所が霊園の管理・運営する自治体・遺骨がある)
  • 募集が不定期で受付期間が限定されている
  • 応募多数により抽選になることが多い
  • 広い土地が必要なので郊外に開設されることが多くアクセスしにくい

メリット

  • 宗旨宗派の条件がない
  • 費用が民営霊園や寺院墓地と比べて費用が抑えられる(都営霊園はのぞく)
  • 自治体が管理しているので経営の心配が不要

民営霊園の永代供養墓のデメリット・メリット

財団法人や社団法人、宗教法人から委託された民間企業が管理・運営しています。

デメリット

  • 寺院墓地や公営墓地と比べて費用が高い
  • 広い土地が必要なので郊外に開設されることが多くアクセスしにくい

メリット

  • 申込に条件が少ない
  • 水場やお手洗い、売店、管理棟、設備、駐車場が充実している
  • アクセスが良い場所に立地している
  • ガーデニング霊園のように明るい霊園もある

寺院墓地の永代供養墓のデメリット・メリット

お寺の境内地に墓地があるので、寺院が管理・運営されています。

デメリット

  • 営利目的でないので空き情報が宣伝されることが少なくてわかりにくい
  • サービスを目的としていないので供養・設備は寺院墓地によって差がある
  • 宗旨宗派の条件がある寺院墓地が一部ある

メリット

  • アクセスしやすい場所や自宅に近く場所に立地していることが多い
  • 敷地に本堂や仏様(ご本尊)があるので安心感がある
  • 葬儀や法要の相談ができる
  • 寺院の敷地に墓地があるので管理が行き届いていることが多い

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永代供養・永代供養墓にはさまざまなメリットがある一方、見逃してはならないデメリットも多々あります。お金がかからない、供養や管理の手間もかからないからといって、安易に永代供養を選ぶのは、おすすめできません。

紹介したメリット・デメリットに目を通しつつ、ご自身やご家族が「なにを求めているか。なにを大事にしたいか」というポイントにも意識を向けてみてください。「ここは妥協できるが、ここは譲れない」といったポイントが見えてくれば、永代供養を選ぶ際にも役立ちます。

永代供養を選ぶか否かは、自分や家族・親族にとって非常に大きなテーマです。後になって悔やむことがないよう、ぜひじっくりと検討してみてください。

永代供養のデメリットやメリットでよくある質問

永代供養・永代供養墓のデメリットは?

永代供養・永代供養墓のデメリットは、一定期間が経つとほかのご遺骨と同じスペースに埋葬(合祀)されて分骨・改葬ができなくなることです。

永代供養墓は、ひとつのお墓のなかに複数人のご遺骨が安置されるので、墓石掃除や故人に向けて手を合わせることがむずかしくなるので、家族や親族の理解を得にくいです。

永代供養・永代供養墓のメリットは?

永代供養・永代供養墓の大きなメリットは、故人のご遺骨の管理・供養を寺院や霊園に任せられるので家族の負担を減らせることです。

あわせて、承継者が必要なお墓(一般墓)とはちがって永代使用料(土地代)がかからない、檀家になる必要がないので費用を抑えられる、アクセスしやすい場所に立地しているメリットがあります。

遺骨は永代供養したほうがいいの?

手元にある遺骨は、「刑法」第190条で遺骨を形が残ったまま捨てること、「墓地、埋葬に関する法律」第4条で墓地以外の区域に埋葬または焼骨の埋蔵をすることを禁止されているので、いずれはお墓や永代供養に納骨をする必要があります。

永代供養すると遺骨はどうなる?

永代供養とは、寺院・霊園が永代にわたって故人のご遺骨の管理・供養することです。ご遺骨の供養は期限なくおこなう寺院・霊園が多いですが、ご遺骨の安置方法は承継者が必要なお墓とはちがって個別に遺骨を安置する方法だけではなくて、一定期間が経過するとほかのご遺骨と同じスペースに埋葬されることもあります。

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