お墓参りの花の種類や選ぶポイント・タブーを紹介
この記事では、お墓にお花を供える理由やおすすめの種類、お墓に供えてはいけない花の種類、お花の費用相場、お墓にお供えするお花は造花でも大丈夫なのかを詳しく解説しています。
お盆などのお墓参りの際でどのようなお花をお供えするべきか迷った時はこの記事を参考にしてください。
お墓にお花を供える理由
お墓にお花をお供えする理由
お墓に花やお菓子を供える理由は、故人を思い出し、感謝の気持ちを伝えるためです。
これはお墓参りだけでなく、お仏壇に手を合わせる時や年忌法要など、故人の供養に関わる場でも必要なことです。
花やお菓子は供養の象徴で、感謝と尊敬を伝えるための気持ちを込めます。地域や宗派によって、理由は少し違うかもしれませんが、大切なことは故人を思い出し、感謝の気持ちを伝えることです。
仏教と花の繋がり
仏教と花は密接に関係しています。仏壇やお墓に花を供えることは、実は仏教的な意味があります。花は、自然の中で耐え抜き美しく咲くことが、仏教の教えに重なります。
そのため、お供えする花を仏花と呼び、仏壇やお墓に花を供えるようになりました。また、死者の冥福を祈って弔うためでもあります。仏教の儀式で用いる仏具には花立ても入っており、花の重要性がわかります。
お花をお供えするようになったルーツ
お墓にお花をお供えするようになったルーツは歴史が古く、具体的なルーツは明らかになっていません。
しかし、1950年代にイラクで5万年前の古い遺跡が発見され、そこには古代の人たちが埋葬した遺体がいくつも見つかりました。
遺体は丁寧に埋葬されていたこと、遺体周辺にはたくさんの花粉があり花を供えて埋葬していたことがわかっています。そのため、古くから死者に花を手向ける風習があった可能性があります。
お墓にお供えるする花の選び方
一般的に使用されている花を選ぶ
お墓参りには色々な花が使われますが、一般的に幅広く使われているのは菊です。菊は長持ちし、枯れても周りに散らないので、お墓参りに最適です。
また、日本の皇室の紋でもあり、フランスでも死者の日に人々が菊を供える習慣があります。
季節ごとのお花を選ぶ
お墓参りの際には、季節の花を供えることも一般的です。たとえば、カーネーション、ストック、スターチス、リンドウ、ユリなどがよく使われます。
また、神道の場合には榊を供えることもあります。また、昔は樒も仏事でよく使われていました。
故人の好きな花を選ぶ
お墓参りでは、故人が好きだった花や色を供えることが大切です。しかし、地域や宗派によっては供花に関する特別なルールがあることもあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
特に年配の方と一緒に行く場合は、昔からのしきたりを重んじる傾向にあるので配慮することが重要です。 供える花には菊が一般的ですが、故人が好きだった花を選んでも問題ありません。
お花の色合いとバランスを考えて選ぶ
花の種類や色には特に決まりはありませんが、カラフルな色を選んで、周りを綺麗に見せるようにしましょう。
故人が亡くなってから日が浅い場合は、白色を基調に淡い色の花を選ぶのが良いでしょう。
お墓にお供えするのに相応しくない花
棘がある花
トゲのある花はお墓参りには合わないとされています。これは、仏教やキリスト教では、トゲのある花を供えることは避けられてきたため、慣習として避ける傾向があるからです。
また、トゲが飛ばされることで他の人が怪我をすることもあるため、怪我防止の観点からも避けられています。生前に故人が好きだったバラなどを供える場合は、棘を切り取った状態で供えることをおすすめします。
毒がある花
花には毒があるものがあり、それらは避けるべきです。例えば、彼岸花や水仙、スズラン、チューリップなどです。
これらの花は、周りに害を及ぼすおそれがあるため、お墓参りには避けるようにしましょう。なお、毒は死を連想させるため、仏事全般でも避けられています。
花粉が多い花
お墓に花を供える際に注意しなければならないのが、ユリです。この花は、花粉がたくさん付いてしまって、墓石が汚れることがあります。
特に白い墓石の場合は、汚れが目立ちます。だから、ユリを供える場合は、花粉を先に取り除いてから供えることをおすすめします。
香りの強い花
香りの強い花は、お墓参りなどで周りの人に影響を与えることがあります。例えば、ユリや梅、金木犀は香りが強いので、虫や花粉が寄ってくる可能性もあります。
そのため、墓地や霊園は公共の場なので、できるだけ控えることをおすすめします。また、香りには人それぞれ好みがあり、人によっては不快に感じる匂いもあるため、周りの人に迷惑をかけないように注意しましょう。
つる性の花
お墓参りで花を供える時には、つる性の花は避けた方が良いです。
これは、つる性の花は他のものに巻きついていないと立ち上がらないため、隣のお墓にまでつるが伸びてしまったり、巻きついてしまったりすることがあるためです。代表的なつる性の花にはアサガオやクレマチスなどがあります。
散る時に花が丸ごと落ちる花
牡丹などの花は散る時に花が丸ごと落ちるため、「首から落ちる」という意味合いからお墓にお供えする花として相応しくないと避けられる傾向にあります。
お墓にお供えするお花は造花でもいいの?
お墓に供えるお花は、生花が一般的だと思われがちですが、実は造花でも大丈夫です。
仏教寺院には「常花」という、金箔や彩色で彩られた蓮花を差して飾る大きな花立てがあり、これは生花を模したものです。
また、「散華」と呼ばれる、花びらを模した紙に絵を描いたものもあります。
これらは僧侶が葬儀や法要で撒くもので、本来は生の花びらを散らしたものに替わっています。ですので、お墓に供えるお花は生花だけでなく、造花や散華も選ぶことができるのです。
お墓参りのお花の費用相場と費用を抑える方法
費用相場
お花を買うとき、普通に売られているのは500~1,000円くらいです。でも、場所や季節によっては違うこともあります。特に種類が選ばれているお花なら、2,000~3,000円くらいになることもあります。
お花代を抑える方法
お墓参りにはお花を供えることが多いですが、お花は高くて負担に感じることがあります。でも、それを解決する方法があります。それが造花です。
造花は、本物の花を模したもので、お花を一度購入すれば、数年はお供えできます。それに比べて、生花はすぐに花が散ってしまいます。
また、お盆やお彼岸などの繁忙期に生花を購入すると、高くなりますが、造花は生花のように何度も購入する必要がないので費用を抑えることができます。
お花を買う場所
お花はお花屋さんやスーパーなどで購入することができます。また、事前にネットで注文する際には、選ぶお花の種類や数、配送時間などを指定することができます。
お花の販売期間によっては、欲しいお花が手に入らないこともありますが、ネットで注文すれば、季節や地域によらずお花を購入することができます。
また、買いに行く手間も省けるので、忙しい人にはうってつけの方法かもしれません。
お墓参りでのお花の供え方
輪ゴムをつけたままお供えする
輪ゴムや紐はつけたままお供えすることで綺麗にまとまって見た目が良くなります。また、花を入れ替える際は掃除も楽になるため輪ゴムをつけたままお供えすることをおすすめします。
お花の本数は奇数でお供えする
お花をお墓に供えるときは、3本、5本、7本のような奇数の数だけ供えるのが良いと言われています。これは古来から、奇数は縁起が良い数字だとされているからです。
今後、お花の本数も意識しながら供えるのも良いかもしれません。
左右対称にバランスよくお供えする
お花はバランスよく左右対称にお供えしましょう。花入れ立てが2つある場合は、お供えする花束を2セット準備し、同じ種類のお花で揃えると見栄えが良くなります。
お墓参りをする際のマナー
お墓参りに適した服装を着て行く
お墓参りの時は、普段着で大丈夫です。ただ、故人に挨拶する機会になるので、着る服は落ち着いた色味でシンプルなデザインが好まれます。
また、お墓の掃除をするので、汚れがつきにくい服を着た方が良いです。また、場所によっては歩きにくいので、ハイヒールやピンヒールは避けた方が良いです。
お墓参りをする順番
家族や親族が一緒にお墓参りに行った場合、まずは全員で合掌しましょう。その後、故人様と縁が深かった方から順にお参りしましょう。
子供や孫が一緒でも、基本的には血縁順が望ましいです。ただ、地域や家庭によっては違うこともあるので注意しましょう。
お墓参りでは騒がない
お墓周辺では静かに、大声を出さないようにしてください。他の人も参りに来ているかもしれませんし、他家の墓所で眠っている故人にも失礼になります。
お墓参りの花についてよくある質問
お墓にお花をお供えする理由について教えてください
お墓に花やお菓子を供える理由は、故人を思い出し、感謝の気持ちを伝えるためです。これはお墓参りだけでなく、お仏壇に手を合わせる時や年忌法要など、故人の供養に関わる場でも必要なことです。
花の選び方について教えてください
お墓参りには色々な花が使われますが、一般的に幅広く使われているのは菊です。菊は長持ちし、枯れても周りに散らないので、お墓参りに最適です。
お墓にお供えするのに相応しくない花を教えてください
棘がある花、毒がある花、花粉が多い花、香りの強い花、つる性の花、散る時に花が丸ごと落ちる花は、仏事全般でも避けられています。