過去帳の使い方と位牌との関係について解説
過去帳と位牌の違い、過去帳の種類、過去帳の置き場所に決着がないことなどについて、詳しく解説します。
また、自宅に置いてある過去帳の書き方や書くタイミングについても説明します。さらに深く理解することができます。
過去帳とは
過去帳ができた理由と役割
過去帳は、1600年代の江戸時代に人々がなくなると菩提寺に入ることが義務付けられたために、檀家制度が設けられ、過去帳が作成されたものです。
檀家の数や故人の情報などを整理するのに使われました。
過去帳は現在の戸籍のような役割も担っていました。
過去帳は各家庭だけでなく、菩提寺でも保管されていました。
菩提寺には過去帳が製作されて保管されており、檀家の方でも個別に過去帳を持っています。
過去帳の内容が確認できるのは鎌倉時代以降
過去帳は鎌倉時代以降、史実に基づいた確認ができます。
過去帳を頼りに、祖先の歴史や自分のルーツを知りたいという人には、過去帳を調べてみることをお勧めします。
宗教によってちがう過去帳の呼び方
神式は過去帳を霊簿と呼ぶ
神式においては「過去帳」という呼び方ではなく「霊鑑」や「霊簿」と呼ばれます。
神仏習合が示すように、神道は仏教と融合しているため、神道の「霊鑑」に記載する内容は仏教の過去帳に記載する内容と同じものとなります。内容については変わりはありません。
キリスト教は過去帳の代わりに信徒籍台帳がある
キリスト教においては、信徒登記台帳と呼ばれるものが過去の帳簿のような役割を担っています。
特に教会を信仰する場合、必ず教会に登記を認める必要があり、転居する際には教会から転出証明書を発行する必要があります。
不信徒扱いになって冠婚葬祭等の手続きが困難になる可能性があります。
過去帳と位牌の違い
過去帳と位牌は、仏壇に置かれる仏具の二つですが、意味や役割が異なります。
位牌は亡くなった人の魂が宿るもので、個人の名前を彫りつけられます。過去帳は、亡くなった人の魂が宿るという意味合いが薄いです。
浄土真宗では、位牌を飾らないこともありますが、過去帳は仏壇に置かれます。
過去帳の種類
過去帳には、亡くなった日付を記載するタイプと、記載しないタイプがあります。毎日めくることで、故人の供養をします。
無地の紙を和綴じした過去帳と、一枚の紙を蛇腹状にして完成させる過去帳があります。
和綴じした過去帳よりも、一枚の紙を蛇腹状にして完成させる過去帳のほうが費用が安いことが多く、自宅用で使われます。
過去帳の置き場所に決まりはない
過去帳は、場所に制限がありません。
一般的に、仏壇に引き出しに入れておくか、湿気の少ない場所に保管することが多いですが、宗派によって異なります。
場所よりも低いですが場所に進むのが一般的、現代仏壇においては特に決めはありません。帳簿は開示的なものなので、基本的に処分はしません。
自宅に置いてある過去帳の書き方や書くタイミング
過去帳は故人と最も縁のある家族または菩提寺の住職に書いていただくことが一番よいとされています。
一般的には「◯◯家先祖代々之霊」と家名を記入しますが、浄土真宗では「〇〇家先祖代々」と書きます。
過去帳への記入は通常、三十三回忌や五十回忌の節目故人の位牌を菩提寺に納めるタイミングで行います。 これは、仏壇に位牌を置く場所がなくならないようにするためです。
鉛筆や筆ペンなどで書く人もいますが、なるべく硯で墨で書くのが一番です。 過去帳には故人の日付、戒名、俗名、生年、続柄などを細かく記入することが推奨されます。
記入間違いを防ぐため、四十九日(満中陰)までには寺院に相談して過去帳に書いてもらうことが多いです。
過去帳についてよくある質問
過去帳ができた理由を教えてください
過去帳は、1600年代の江戸時代に人々がなくなると菩提寺に入ることが義務付けられたために、檀家制度が設けられ、檀家の数や故人の情報などを整理するために過去帳が作成されました。
過去帳の呼び方を教えてください
神式においては「過去帳」という呼び方ではなく「霊鑑」や「霊簿」と呼ばれます。キリスト教においては、信徒登記台帳と呼ばれるものが過去の帳簿のような役割を担っています。
過去帳と位牌の違いを教えてください
位牌は亡くなった人の魂が宿るもので、個人の名前を彫りつけられます。過去帳は、亡くなった人の魂が宿るという意味合いが薄いです。