合同墓のメリットとデメリットや費用相場について解説
合同墓とは複数の人が共同で利用する墓地のことです。
この記事では、合同墓のメリット・デメリット、費用相場、そして選び方について詳しく解説します。
合同墓には安くて魅力的ではありますが、注意点もあります。合同墓を利用する前に知っておきたい情報を記載しましたので、申し込みを検討中の方は読んで参考にしてください。
合同墓とは
合同墓とは
共同墓とは、複数の人が利用する埋葬区画のことです。従来のお墓が家族だけのものであるのに対し、共同墓は血縁関係のない人が使用するものです。
共同墓のほかにも、複数の人が埋葬される区画を表す用語はたくさんあります。供養塔、合同葬墓、共同墓、集合墓などです。
これらは、まとめて永代供養墓と呼ばれています。永代供養墓の意味は、霊園の管理者が家族や後継者に代わって半永久的に供養するお墓のことを指します。
合同墓が増えた理由
近年、合同墓の利用が大幅に増加しており、この傾向は今後も続くと予想されます。
これは、少子高齢化の影響もあり、個人のお墓の継承を希望する人が少なくなっているためと言われています。
しかし、共同墓地は普及しつつありますが、まだまだ一般には知られていないことが多いです。
合同墓のメリット・デメリット
合同墓のメリット
費用が安い
合同墓のメリットは、通常のお墓と比較して費用が安いことです。
通常のお墓では、墓石を建てるのに150~200万円ほどかかりますが、合同墓では墓石が不要なため、通常のお墓の10分の1程度と大幅に費用を抑えることができます。
継承者が必要ない
共同墓を選ぶメリットとして、将来の継承に対する不安が軽減されることです。
少子高齢化が進む日本では、家族が後々までお墓を維持することが難しくなっています。
合同墓を選べば、霊園や管理者が責任を持って管理・供養してくれるので、将来的にお墓が無縁仏になる心配もありません。
宗旨宗派を問わす埋葬できる
共同墓は、一般的に宗教や宗派を問わずに利用できるため、通常のお墓で必要とされることの多い檀家契約をしたくない方にも便利な選択肢です。
そのため、宗教の制約を受けることなく、手軽に合同墓をに埋葬することができます。
なお、寺院内にある墓地の場合、毎日の礼拝はその宗派の習慣や作法に従うことになります。
もし、その宗教の教義と相容れない信念を持っている場合は、別の選択肢を探した方がよいでしょう。
皆と一緒に納骨できる
近年、生涯未婚者が増加し、生涯未婚率が過去最高を更新しています。
また、定年退職者の多くは老人ホームなどに入所しており、亡くなる際には同じ老人ホームなどの仲間や親しい友人と一緒に埋葬されることを希望する場合があります。
そのような場合、共同墓地という選択肢も魅力的かもしれません。
合同墓のデメリット
遺骨が取り出せない
合同墓は、遺骨を骨壺から取り出し、合同墓に埋葬します。
一度合同墓に埋葬された遺骨は、後から取り出そうと思っても取り出せないのが普通です。
合同墓の中には、遺骨を個別の安置施設で保管できるものもありますが、最終的には合同墓に移されるものがほとんどです。
遺骨を合葬墓に埋葬するかどうかは、これらの点を考慮して決めることが大切です。
他の方の遺骨と混ざる
合葬式施設では、知らない人とお墓を共有することになるだけで無く、他の方の遺骨と混ざります。
それを避けたい場合は、別のタイプのお墓を検討したほうがよいでしょう。
合同墓がある場所
お寺が管理する寺院墓地
お寺によっては合同墓があります。通常、お寺にお墓を建てるとなると、檀家になることを条件としている場合が多いです。
しかし、合同墓の場合は、これらの要件は必要ない場合がほとんどです。
ただし、お寺によっては、合同墓に納骨する前に、宗派や檀家への加入をお願いする場合もありますので、注意が必要です。
公益法人や宗教法人が管理する民営霊園
公益法人や宗教法人が運営する民間霊園は、宗教や宗派に関係なく誰でも利用できる営利を目的としない霊園です。
これらの霊園には、トイレや駐車場など独自の設備があり、さまざまな選択肢から選ぶことができます。
ただし、考慮すべき点もあります。面会時間や日数に制限があったり、経営がうまくいかず倒産するリスクがあります。
都道府県や市区町村が管理する公営墓地
少子高齢化が進み、相続人がいなかったり、遠方でお墓の管理ができないなどの理由から、公営霊園では共同墓地を提供しています。
これらの墓地では、代々受け継いで使用できる一般墓、納骨堂、樹木葬など、さまざまな埋葬方法が用意されています。
公営墓地の利点は、民営墓地に比べて料金が安いこと、宗教上の制約がないことです。
ただし、公営墓地に埋葬を申し込むには、その墓地のある都道府県や市区町村に居住していることが条件となる場合が多いです。
合同墓を利用する際の注意点
共同墓に納骨された遺骨は、通常、骨壺から取り出すことはできません。
共同墓の中には、個別に遺骨を安置する場合もありますが、安置期限が設けられていることが多いようです。
このように考えると、遺骨のために合同墓を選択することは、慎重に検討することが重要です。
また、参拝する際は他のご家族にも配慮する必要があります。合同墓は、1つのお墓に皆さまが埋葬されます。そのため、参拝する場合も1つのお墓を共有して参拝することになります。
春・秋のお彼岸やお盆などの参拝が多い時期は、ゆっくり参拝できない可能性があります。
合同墓の費用相場
寺院墓地の合同墓の費用相場
東京都の場合は3万円~で納骨できるお寺もありますが、地方になると5万円~10万円前後となります。
しかし、寺院の場合は納骨費以外にも納骨式代、法要代が必要になる可能性があるためあらかじめお寺に確認することが大切です。
また、寺院の場合は供養が手厚い可能性も有ります。春・秋のお彼岸やお盆に合同供養が行われるケースが多いです。
民営霊園の合同墓の費用相場
民営霊園の場合は10万円~20万円が相場です。施設が充実している霊園だと、その分費用も高くなる傾向にあります。
霊園によっては毎年1回は合同法要をおこなう霊園もあります。
公営墓地の合同墓の費用相場
公営墓地の場合は3万円前後で納骨できます。
しかし、費用が安い分お坊さんを読んで供養がされない、希望する場合は自分で手配する必要が有ります。
合同墓の選び方
アクセスが良い場所を選ぶ
お墓を選ぶとき、特に合同墓の場合はアクセスの良さが重要なポイントになります。
お墓の管理は墓地の管理者が行うので、頻繁にお参りに行く必要はありません。
しかし、お盆やお彼岸などの行事では、大切な人に会いにお参りをしたいと思うこともあります。そのため、家族で行き来しやすい霊園を選ぶことが大切です。
さらに、家族が運転できないときでもお墓参りができるように、公共交通機関で行ける場所を選ぶとよいでしょう。
費用を安く抑えたい場合は公営墓地の合同墓を選ぶ
公営墓地は、民営霊園や寺院墓地よりも安い傾向にあります。費用をできるだけ抑えたい場合は、公営墓地を選ぶのが良いでしょう。
しかし、合同供養は基本的に行われないケースが多く、設備が整っていないケースもあります。
環境や設備が整っている場所を希望する場合は民営霊園の合同墓を選ぶ
民間の霊園で合同墓を選ぶ際には、環境や設備の確認が欠かせません。
そのためには、霊園を訪れたり、インターネットで写真を見たりするとよいでしょう。
また、墓地内にトイレや休憩所などの基本的な設備が整っているかどうかも確認する必要があります。
ほかにも、墓地内に花や線香を購入できる売店があると便利ですし、法要場があると年忌法要後のお墓参りも楽になります。
これらの設備があれば、手ぶらでお墓参りに行けるので、ご家族の負担も少なくなります。
手厚い供養を希望する場合は寺院の合同墓を選ぶ
公営墓地の場合は、供養は行わないケースが多いですが、寺院の場合は、春・秋のお彼岸やお盆に合同供養が行われるケースが多いです。
また、民営霊園の場合は供養が行われないか、年に1回などのみというケースが多いです。
そのため、故人の手厚い供養を希望する場合は、寺院の合同墓に納骨をすることをおすすめします。
合同墓についてよくある質問
合同墓とはどのようなものですか
合同墓とは、複数の人が一つの墓に納骨する墓のことで、費用が安く、宗派を問わず利用できますが、遺骨の取り出しや他の人の遺骨と混ざってしまうといったデメリットもあります。
合同墓の費用相場はどのくらいですか
合同墓の費用相場は、寺院墓地の合同墓で30万円前後、民営霊園の合同墓で20万円前後、公営墓地の合同墓で10万円前後となっています。
合同墓を選ぶ際の注意点はありますかを教えてください
合同墓を選ぶ際の注意点は、アクセスの良い場所や自分が望む供養ができるかどうか、費用を抑えたい場合は公営墓地の合同墓を選ぶ、環境や設備が整っている場所を希望する場合は民営霊園の合同墓を選ぶなどがあります。