市営墓地の費用や手続きと利用方法について解説
市営墓地は、募集している市に住民票のある方であれば利用することができる墓地です。
この記事では、市営墓地の種類や費用相場、利用するメリットやデメリット、お申し込みの手続きや注意点について解説します。
市営墓地について
市営墓地とは
市営墓地とは、地方自治体が運営する公共の墓地です。一般的には、樹木葬、共同墓地、納骨堂などの形態があり、市民に安価で墓地を提供することが目的とされています。
市営墓地は、自治体が運営するため、管理が行き届いており、維持管理がしっかりとされています。
また、管理費用が低く抑えられているため、利用料金が安価になっています。民間の墓地と比べても、維持管理がしっかりとされているため、長期的に利用することができます。
利用者は、市民であれば誰でも利用でき、永代使用料を支払うことで、自分自身や家族の埋葬や納骨をすることができます。
市営墓地と公営墓地の違い
市営墓地と公営墓地という言葉を聞いた人もいるかもしれません。
都市やその他の地方自治体が運営する墓地は公営墓地と呼ばれます。都市によって運営され、管理されている限り、市営墓地も公営墓地に含まれるため違いはありません。
市営墓地の種類と費用相場
市営墓地の一般墓地の費用相場
市営墓地の費用は、民営墓地や寺院墓地よりも安いと言われていますが、管理する市によって大きく異なるため、一概に安いとは言えません。
一般的に、お墓の全国の平均費用(墓石・墓地込)は180万から200万円程度と言われており、民営霊園の年間管理費の目安は5,000円から15,000円程度です。
お墓の費用は、永代使用料、墓石費用、管理費の3つの要素で成り立っています。
市営墓地の場合、永代使用料のみであれば1平方メートルあたり1万円から3万円程度です。
市営墓地の共同墓地の費用相場
共同墓地は、一般的なお墓に比べて費用を抑えられることがメリットの一つです。
地域で管理・運営される共同墓地の使用料は、それぞれの墓地によってまちまちで、使用料は10万円から高くても130万円程度と言われています。
一方、公営霊園の管理費に関しては、民営霊園や寺院墓地よりも費用を抑えやすいとされています。年間管理費の目安は、公営霊園で620円~(東京都の場合)、民営霊園で5,000円~15,000円程度、寺院墓地で6,000円~25,000円程度となっています。
共同墓地は草むしりや掃除が不要で、役所が半永久的に管理や供養をしてくれるため、残された家族の負担も少なく、後継ぎの不在を心配することもありません。
しかし、共同墓地にはデメリットもあります。一つは、墓石が建てられません。また、共同墓地は狭いため、埋葬までに時間がかかることがあることもあります
市営墓地の納骨堂の費用相場
納骨堂の費用相場としては、10万円から100万円ほどの幅があります。ただし、場所によって費用が大きく異なります。
また、年間管理費が毎年1,000円から1万円ほどかかる場合があることも頭に入れておく必要があります。
市営墓地の樹木葬の費用相場
市営墓地の樹木葬には、個別埋葬型、共同埋葬型、合祀埋葬型の3つのタイプがあり、それぞれ異なる費用が必要です。
個別埋葬型の場合は10〜、共同埋葬型は5万円、合祀埋葬型は3万円~が相場とされています。
市営墓地を利用するメリットとデメリット
市営墓地を利用するメリット
破綻のリスクが少ない
市営墓地は市が運営しており、経営が安定しているため破綻するリスクがないとされています。
安心して利用できる
市が運営管理しているため、共益部分の清掃や管理が必ず行われるため、利用者は安心して利用できます。
また、民営墓地であれば倒産、寺院墓地であれば廃寺ということもあり得ますが、市が運営ということであればそのような心配もありません。
費用が比較的安い
営利目的ではなく、あくまでも市民への行政サービスであるため、民営墓地に比べて費用が安い傾向にあります。
宗教や宗派の制約がない
市営墓地は市民のための墓地であり、宗教などの制約が一切ありません。そのため、信教の自由や思想信条の自由が保証されています。
石材店の指定業者がない
市営墓地では、どこの石材店に依頼しても構いません。そのため、自分の希望に合った石材店を選ぶことができます。
管理料が安い
市営墓地は管理が行き届いているほかに、管理料が比較的安価であることが多いです。
市営墓地を利用するデメリット
市営墓地は応募倍率が高く、申し込んだけれど手に入らないことがあります。
また、応募資格を満たしていないと申し込みができない場合もあります。
そのほかにも、墓地を取得してから一定期間内にお墓を建てなければならないなど、建立期限が決められている場合があることもあります。
市営墓地をお申し込みする場合の手続きと流れ
市営墓地にお墓を建てる場合の必要な手続き
市営墓地の利用に関する抽選に参加する
市営墓地を利用できるかは抽選で決まります。年に1度しか募集されないケースが多いため、あらかじめ市役所の公式サイトから抽選日を調べて応募しておくと良いでしょう。
墓石の打ち合わせと工事届の提出
石材業者に墓石や納期について打ち合わせをし、工事を始める前に工事届を墓地側に提出します。
墓石の建立
工事届が承認されたら、墓石を建てます。
埋葬許可証の提出
納骨時には、埋葬許可証を霊園側に提出します。また、墓地内の工事を行う場合には、工事許可申請が必要です。
市営墓地の共同墓地に納骨をする場合の必要な手続き
市営墓地を使用する場合は、まず市営墓地の役所に連絡をします。また、共同墓地も抽選が行われているケースもあるので、その場合は応募して当選をするのを待つ必要があります。
役所から許可が出れば、手続きをして使用許可証を墓地の役所に提出する必要があります。
これらの手続きが終われば費用を支払います。納骨に関しては、埋葬許可証を管理者に役所し、納骨をします。
市営墓地をお申し込みする場合の注意点
市営墓地はお申し込みできる条件がある
市営墓地は、一般の墓地と異なり、特定の条件を満たしている場合にのみお申し込みが可能です。
主に、1世帯1申込み、現に自宅や一時保管施設に遺骨を保管・収蔵している方、市内に住民登録がある方、などの条件があります。
市営墓地は募集している期間が短い場合がある
市営墓地は人気が高く、募集期間が短く応募倍率が高い場合があるため、入手が難しいことがあります。
また、空き墓地の状況により募集を行わない場合もあります。そのため、市営墓地を利用する場合は、早めに情報収集し、募集期間内に申し込むことが求められます。
市営墓地は施設が充実していない場合がある
市営墓地は地方自治体が運営している公営墓地であり、遺骨や墓地の管理、共益部分の清掃などは徹底されていますが、駐車場やトイレ、休憩室などの施設が充実していない場合があります。
市営墓地でよくある質問
市営墓地とはどのような墓地ですか
市営墓地とは、市町村が運営する公営墓地の一種であり、行政による管理が徹底されています。
一般墓地と共同墓地があり、一般墓地は個人の墓を建てることができ、共同墓地は共同で使用する墓地です。
市営墓地の費用相場はどのくらいですか
市営墓地の一般墓地の永代使用料の費用相場は、1平方メートルあたり1万円から3万円程度であり、共同墓地は1平方メートルあたり数千円から1万円程度となっています。
ただし、地域によって異なるため、詳細は各市町村のホームページ等で確認することが必要です。
市営墓地を利用するメリットとデメリットはなんですか
市営墓地を利用するメリットとしては、管理が行き届いていることや手続きが簡単であること、価格が比較的安いことが挙げられます。
一方、デメリットとしては、募集期間が短いことや施設が充実していないこと、墓地の種類や場所によっては希望に沿わないことがあることがあります。