知らなきゃ後悔する納骨堂のデメリットとメリット
納骨堂には合祀されるとご遺骨を取り出せなくなる、ご遺骨を納骨できる上限人数に制限がある等のデメリットがある一方、お墓に比べて費用を安く抑えられる・ご遺骨の管理、供養を寺院・霊園に任せられるなどのメリットがあります。
納骨堂のデメリット
納骨堂のデメリットは親族の理解を得にくいことと、個別に安置する期間が終わると合祀されることです。
他家のかたとの共同使用・お供え物の制限がかかるため違和感を感じる、営業時間以外のお参り不可といった利用条件に不便さを感じるかたも多いでしょう。
親族の理解を得にくい
遺族・親族のなかには慣れ親しんだお墓の供養・安置方法にこだわりがあって、納骨堂の供養・安置方法に抵抗のあるかたがいるかもしれません。
継承者の費用の負担・生前の故人の意思を考えて、納骨堂にする意思があるなら、遺族・親族の同意を得たうえで契約したほうがいいでしょう。
契約期間が終わると合祀される
一定期間個別に安置したあと合祀されるものがほとんどです。ほかのご遺骨といっしょに埋葬されることに抵抗のあるかた、分骨・改葬を検討しているかたは注意が必要です。
永代供養の個別安置期間を延長する・個別の永代供養墓にほかのかたを納骨する・納骨後の個別法要を依頼する・お寺の建て替えにともなって寄付を請求されたケース等で追加費用が発生することがあります。
一度合祀されると、分骨・改葬ができなくなる
合祀されるとご遺骨を取り出せなくなるため、分骨・改葬ができなくなります。
分骨とは故人のご遺骨を複数の骨壺にわけて管理することで、改葬とは納骨されているご遺骨を別の場所へ移動することです。
お供えもの・お参りの時間を制限されることがある
お供え物やお線香や記念品、香炉等を置くスペースがあるかないか、スペースがあるなら個別に置けるスペースがあるか、共同スペースがあるかがことなります。
スペースがある場合でも、納骨堂内の清潔を保つためにお花や食べ物、飲み物など生もののお供えが禁止、線香・ろうそくなど火気使用禁止、アルコールの持ち込み禁止、お経を読み上げ禁止など、納骨堂によって規則はちがいます。
また、一部の24時間お参りできる納骨堂をのぞいて、9:00~18:00など開館時間内しかお参りできません。
施設の老朽化の不安
施設の老朽化や自然災害によって、納骨堂が使用できなくなる可能性が考えられます。施設の耐久性や罹災したときに復旧費用を納骨堂が支払うのか、使用者が支払うのかを契約前に確認しておきましょう。
納骨堂のメリット
納骨堂はご遺骨の管理・供養を永代にわたって寺院霊園に任せられるため、お墓の継承者がいない・法要の手配や草むしり・お墓磨きをする時間を取れないかたにとってメリットが大きいでしょう。
車や公共交通機関でアクセスしやすい場所にあることが多いため、お墓が遠方にあってなかなかお墓参りにいけないかたにおすすめです。
管理・供養を寺院・霊園に任せられる
ご遺骨の管理・供養を永代にわたって寺院・霊園に任せられるの手配や草むしり・お墓磨きの必要はありません。お参りの時間を取れないかたにとってもメリットになるでしょう。
生前契約できる納骨堂があるため、独身のかたや身寄りのないかたで、死後にご遺骨の管理・供養を望むかたは無縁仏になる心配がありません。
お墓より費用を抑えられる
墓石を購入して利用するお墓の相場は180万円~260万円なのに対して、納骨堂の相場は3万円~200万円です。
棚式納骨堂と位牌式納骨堂には10万円以下で購入できるものがあるので、お墓より大きく費用を抑えられます。
管理費を含んだ一式料金を契約するときに支払う納骨堂は、その後に料金を支払う必要がありません。
天候に左右されずお参りできる
納骨堂はお墓・永代供養墓・樹木葬とはちがって屋内でご遺骨を管理しているので、天候に左右されずにお参りできます。
雨量の多い時期でも、天気予報を気にせずお参りできるのはメリットです。
アクセスしやすい
ほとんどの納骨堂には、原則として駐車場がついている・最寄り駅から徒歩で通えるため、車・公共交通機関を利用して足を運べます。
宗旨・宗派不問である場合が多い
納骨堂は宗旨・宗派を問わないケースが多いので、仏教以外の宗教を信仰しているかた・無宗教のかたでも利用できます。
檀家になる必要がない納骨堂が多い
ほとんどの納骨堂は檀家になる必要がないので、お布施の支払い・行事の参加等の負担を減らすことができます。
檀家になると必要な入壇料のほか、お墓や寺院の管理費にあてられる護持会費・維持費、寺院を修繕、改築する場合にかかる檀家負担金、寺院行事・法要・読経・戒名かかるお布施を支払う必要がありません。
檀家が参加するべき春秋のお彼岸法要・お盆の法要・一年の平安を祈る新年祈祷会・お釈迦様の誕生を祝う花まつり・お釈迦様が悟りを開かれた日に営む成道会等、寺院の行事に参加することはできますがマストではありません。
継承者がいなくても利用できる
納骨堂は原則として寺院・霊園が管理・供養してくれるので、後継者がいない場合でも利用できます。故人が無縁仏にならないメリットがあります。
経営主体(寺院墓地・公営霊園・民営霊園)のデメリット・メリットの違い
納骨堂は経営主体(寺院墓地・公営霊園・民営霊園)によって、費用・抽選の有無・利用条件や、デメリット・メリットがちがいます。
寺院墓地 | 公営霊園 | 民営霊園 | |
---|---|---|---|
費用 | 10万円〜100万円 | 20万円 | 50万円 |
抽選 | なし | あり | なし |
利用条件 | 宗旨・宗派の制限 | 一定期間の自治体への居住ご遺骨の所持 | なし |
※費用は目安です
寺院墓地のデメリット・メリット
寺院墓地のデメリットは、宗旨宗派に制限があって納骨ができない、もしくは檀家にならなければ納骨を受け入れできない一部の寺院墓地があることです。
檀家になると入壇料のほか、お墓や寺院の管理費にあてられる護持会費・維持費、寺院を修繕、改築する場合にかかる檀家負担金、寺院行事・法要・読経・戒名にお布施が必要となります。
お坊さんが所有する境内にあるため、管理が細部まで行き届きやすいこと、日々のお勤めで手厚く供養してもらえることがメリットです。
公営霊園のデメリット・メリット
公営霊園は費用を抑えられて、アクセスしやすい場所にあるケースが多く、人気が高いです。そのため、募集枠より応募が集まるので、抽選になることが多いです。
特に都心の一等地にある公営墓地には募集枠を大きく超える応募が集まります。平成30年に東京都立の青山霊園は倍率16.5倍・福岡市立の平尾霊園は倍率86倍に至りました。
さらに一定期間の自治体への居住・親族の遺骨の所持・期限内での墓標の設置といった細かな利用条件と応募できる期間が自治体ごとに定められているので注意が必要です。
また、公営霊園を運営していない市町村もあります。
経営主体は市区町村などの自治体なので、経営破綻や倒産がほとんどなく、安心して利用できます。
民営霊園のデメリット・メリット
市街地に土地が不足していることから、民営霊園は交通の便が悪い郊外に立地しているケースが多くあります。
民営霊園は、経営主体である宗教法人が、墓地・墓石の営業販売を開発業者・石材店など利益を上げることが目的の民間企業に運営を委託しています。
民間企業は多くの方に選ばれる霊園を目指すために、お客様の声を聞いて、法要施設・警備システム・駐車場・無料給茶機・車いす・ベビーベッドなどを完備する、アクセスのよい場所に霊園を設立するなど工夫をしています。
納骨堂のメリットとデメリットについてよくある質問
納骨堂のデメリットは何があるの
納骨堂のデメリットは親族の理解を得にくいことと、個別に安置する期間が終わると合祀されることです。
納骨堂のメリットは何があるの
納骨堂はご遺骨の管理・供養を永代にわたって寺院霊園に任せられるため、お墓の継承者がいない・法要の手配や草むしり・お墓磨きをする時間を取れないかたにとってメリットが大きいでしょう。