仏間と床の間との違いとスペースの使い方を紹介
仏壇や位牌を安置する部屋としての仏間の配置場所や、仏間のスペースを作るときの間取りの注意点、仏間や床の間がないときの仏壇の置き場所などについて詳しく説明します。
仏間は仏壇や位牌を安置する部屋
仏間とは、仏壇や位牌を供養するための部屋のことです。
仏様やご先祖様を敬い、近況を報告し合い、心の安らぎを得るための空間として定められています。
しかし、ライフスタイルの変化や宗教的背景の不透明さから、仏壇を持たない家庭も増えてきています。仏式の葬儀以外では仏壇を持たないというのもその一つです。
仏間と床の間の違い
床の間は、よく仏間と間違われることがあります。
しかし、床の間は和室の特徴的な装飾であり、掛け軸や装飾品を飾る棚としての役割を担っています。
一方、仏間は仏壇を置く部屋全体を指し、床の間は和室の一部だけを指す。
仏間を配置する場所
仏間は、仏様やご先祖様への毎日のお参りやご挨拶に便利なように、生活圏の近くに設置するのが望ましいとされています。
ただし、人通りの多い場所や人の出入りの多い場所に設置するのは、安らぎを損なうため好ましくないとされています。
仏間のスペースを作るときの間取りの注意点
奥行はなるべく深く取る
仏壇を設置した後の礼拝スペースを確保するため、仏壇室の奥行きを最大限に確保する必要があります。
仏壇の大きさに合わせ、奥行きは90cm以上必要です。
仏壇を見下ろさない高さに配置
仏壇を供養する際、仏像や位牌を下向きに見ることは失礼にあたるとされています。
仏壇は目の高さに置くか、上を向いて供養するのが正しい敬意の持ち方です。
強度の高い場所に仏壇を配置
仏壇はデザインによって重さが変わるので、床が頑丈でないとへこみなどの破損につながる可能性があります。
また、凹凸のある場所に置くと、仏壇が歪んでしまうこともあります。
お仏壇をしっかりと固定するためには、しっかりとした水平な場所に置くことが大切です。
直射日光があたらず湿度管理ができる場所に仏壇を配置
直射日光は日焼けや色あせの原因になるほか、カビの発生を促したり、湿度が高いために反りが生じたりすることがあります。
こうした潜在的な問題からお仏壇を守るためには、直射日光を避けて保管するのが一番です。
コンセントが仏壇とつなぎやすい場所に配置
コンセントの配置を考えるとき、視認性を考慮することが大切です。
仏壇のコンセントを上部に設置することで、仏壇に違和感なく溶け込み、目立ちにくくすることができます。
足音や生活音が響きにくい位置に仏間の配置
仏間の上に部屋や廊下があると、足音などの生活音が響き、仏様やご先祖様に対して失礼にあたります。
新築の際には、仏間の上に部屋や廊下を設けない方が、安らぎの空間を保つことができます。
仏壇と神棚が向かい合わないように配置
神棚は仏壇と同じ部屋に置いてもかまいませんが、向かい合わないようにします。
供養するときは、神棚にも仏壇にも背を向けないようにすることが大切です。
また、両者を同じように尊重するように配置します。また、神棚を祭壇の上に置くことは避けるべきです。
仏間や床の間がないときの仏壇の置き場所
タンスや押入れ
和室で仏間や床の間がない場合は、押入れやキャビネット、タンスの上などに仏壇を収納しても大丈夫です。ご心配なく、全く問題ありません。
リビングルーム・居間に設置する
最近では、仏様やご先祖様が寂しくないようにと、家族がよく集まるリビングにお仏壇を置く方もいらっしゃいます。
また、仏壇をリビングに置くことで、日々の儀式やお供え物をするのにも便利です。
リフォームして仏壇の置く仏間をつくる
自宅に仏壇がない場合は、押入れやキャビネットを改造して、その場しのぎの仏壇を作ることも可能です。
この場合、仏壇を購入し、その大きさに合わせた仏壇スペースを作ることが望ましいでしょう。
仏間の使い方についてよくある質問
仏間と床の間はどう違うのですか
床の間は、和室の特徴的な装飾で、掛け軸や置物を置く棚としての役割があります。一方、仏間は仏壇を置く部屋全体を指し、床の間は和室の一部だけを指します。
仏間の空間づくりで注意することを教えてください
礼拝スペースを確保するために奥行きをできるだけ深くする、仏壇を見下ろせない高さにする、仏壇を水平にしっかり置く、直射日光が当たらず湿度をコントロールできる場所に置く、などが挙げられます。
仏間や床の間がない時の仏壇の置き場所を教えてください
仏壇は、仏間や床の間がなければ、押入れや戸棚、タンスの上などに収納することができます。また、居間に置いたり、押入れや戸棚を改造してその場しのぎの仏壇を作る方もいらっしゃいます。