弔電のなりたちやマナーについて解説
弔電とは、逝去した方に対して謹んでお悔いを述べ、お悔いを述べる電報のことです。
この記事では、弔電のなりたちやマナー、準備・送るタイミング、申し込む流れ、金額についてお伝えいたします。
弔電とは?
弔電とは、通夜や葬儀・告別式に参列できない場合に、お悔やみの気持ちを伝える電報のことです。
遠方に住んでいる場合や、健康上の理由で外出が困難な場合に使用します。1870年に誕生し、電信線が全国に縦貫した1875年から慶弔電報サービスがスタートしました。
現代では電話やメールなどの新しい通信手段がありますが、弔電は儀礼的な意味を込めて利用されることが多いです。
近年では、お線香やブリザードフラワー、押し花などがセットになったものや、台紙にオルゴールが付いたものなど、多様なバリエーションが販売されています。
弔電のマナー
弔電の送り先について
弔電は、亡くなった人の葬儀や告別式の場所に直接送られるもので、自分が参加できないときに、お悔やみの気持ちを伝えるために使われます。
送られる場所は一般的には葬儀場になりますが、自宅で葬儀を行う場合は自宅に送ることができます。
送る前には必ず斎場の名前や住所を確認して、葬儀の数時間前までに送るようにしましょう。
もし葬儀場がわからない場合は、自宅へ送っても構いませんが、喪家に伝えておくことが大切です。
弔電の送り方について
NTT東日本・西日本の電報「D-mail」、郵便局、インターネット、各社の電報サービスをつかうなど色んな方法があります。
NTTが定番の方法で、全国当日中に配達でき、弔電のメッセージなどが決まっていない場合でもオペレーターが臨機応変に対応してくれます。
郵便局も安心感がありますが、インターネットでの申し込みも可能です。選ぶ上で大切なのは日時までに必ず届けてくれる信頼性です。
斎場名と住所を確認し、告別式で読み上げられるように葬儀の数時間前までに送りましょう。
弔電の文章について
弔電の文章には、不幸が重なったり繰り返されたりすることを連想させるような言葉や直接的な表現を使わないのがマナーです。
忌み言葉として、「死去」や「重ね重ね」などの使用を避けましょう。また、敬称にも注意し、受取人との続柄によって使う敬称を変えることが必要です。
弔電を準備・送るタイミング
弔電を用意する準備
弔電を送るなら、まず送り先や葬儀の日程を確認しましょう。
送り先や葬儀の日程の確認ができたら、実際に送る内容を考えます。弔電の文章は、お悔やみの言葉を伝えるときの文章とおなじです。
弔電を送るために必要な準備についての情報は、喪主のフルネーム、喪主と故人の続柄、通夜・葬儀・告別式会場の会場名や住所、通夜・葬儀・告別式の日時などの情報を確認しましょう。
弔電を送るタイミング
弔電を送るタイミングについては、訃報を受けたらすぐに手配をすることが一般的です。
基本的にはお通夜に届けますが、間に合わない場合は葬儀や告別式の前に届けるようにしましょう。
また、訃報を受けてから葬儀やお通夜に参列しない旨を伝え、速やかに手配をすることが重要です。弔電は、お通夜や葬儀の前日に送るようにしておくといいでしょう。
弔電を送る際の注意点
弔電を送る場合、送り先は通夜・葬儀・告別式の会場です。そのため、斎場の名前や住所を送る前に確認することが重要です。
また、弔電は告別式で読み上げられることが多いため、告別式の開始時間の1時間前までには届けるように手配しましょう。
また、連名の場合は目上の方から順に名前を並べるのが一般的です。しかし、人数が多い場合は「○○一同」とすることが良いでしょう。
差出人の書き方も、ご遺族から見て故人との関係性が分かるように、会社名や学校名、肩書や団体名などを記載することが丁寧です。
弔電を申し込む流れ
弔電の申し込み方法
弔電の申し込み方法には、電話、インターネット、郵便局などがあります。「115」番の電話申込は、オペレーターと相談しながら進めることができます。
インターネットを利用する場合は、「D-MAIL」を利用するのがオススメで、画像や文章を実際に見ながら選べ、価格も若干安いです。郵便局には「レタックス」と呼ばれるサービスがあり、インターネットもしくは郵便局の窓口にて申し込むことができます。
また、通信会社であるSoftBankのように独自の電報サービスを提供している契約会社があります。
弔電の送付先について
弔電は、葬儀や告別式が行われる斎場や自宅に送られます。送付先は、葬儀の喪主の名前を記載します。喪主名が分からない場合は、斎場に問い合わせましょう。
それでも確認できない場合は、「(故人の名字)家ご遺族様」として送ります。火葬のみの場合は、火葬場には送らず、ご自宅宛に送るようにしましょう。
喪主と面識がなく、喪主以外の遺族の知人に弔電を送りたい場合は、喪主の氏名を確認した上で、喪主の氏名+様方+知人の氏名様と書くと、失礼にならずに送ることができます。
弔電の金額について
弔電の金額について
弔電の金額については、一般的には3,000円から5,000円程度が相場ですが、故人との関係性に合わせて目安となる料金を決めることが重要です。
例えば、親戚や友人・知人の葬儀には4,000円程度が相場で、近親者や生前親交の深かった方の場合は少し上がることがあります。
故人が会社関係であれば、上司や同僚に相談してから金額を決めましょう。
弔電の金額に対する支払い方法
でんぽっぽは、クレジットカード決済と、ケータイ3社のキャリア決済の利用ができます。
D-MAILは、クレジットカード、電話料金と一緒にお支払い、d払いによるお支払いができます。
ハート電報は、クレジットカード払い、Paidy翌月払い(コンビニ/銀行)、後払い決済(コンビニ/銀行)、ご注文ごとのご請求でお支払い、スマートフォンキャリア決済、楽天ペイ、PayPay(ペイペイでお支払いができます。
弔電の文例
弔電の例文集
一般的な弔電の文例
在りし日のお姿を偲びつつ、心から哀悼の意を捧げます。
ご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
ご逝去を悼み、ご冥福をお祈りいたします。
敬称が入る弔電の文例
ご尊父様のご逝去を悼み、衷心より哀悼の意を表します。
ご岳父様のご逝去の報に接し、謹んでご冥福をお祈りいたします。
取引先に送る弔電の文例
社長様のご訃報に接し、ご生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。
会長様のご逝去の報に接し、弊社社員一同、衷心より哀悼の意を捧げます。
キリスト教式の弔電の文例
神の御許に召されました○○様の、心より哀悼の意を表します。
○○様のご昇天の報に接し、安らかなお眠りを心よりお祈り申し上げます。
弔電の文例の作成方法
弔電は参列できないときに、弔意を伝える電報で、20文字~80文字程度のメッセージで作成します。
人が話すスピードは、1分間で約300文字が平均です。葬儀・告別式で弔電を読み上げる時間帯には限りがあります。長くても30秒間で読める150文字程度に収めましょう。
ご遺族がじっくり長文に目を通す時間はないので、定型句を使いながら、わかりやすく簡潔に伝える文章になっているとわかりやすく良い弔電と言えるでしょう。
弔電に適した言葉の選び方
生前、故人と親しかったとしても、お父上様、御主人様のように敬称をつけて表現する野がマナーです。
原則として、宛名は喪主宛になります。故人の敬称は喪主と故人の続柄によって決まります。
故人が受取人の・・・
父なら、お父様、ご尊父(そんぷ)様
母なら:お母様、ご母堂(ぼどう)様
配偶者なら:ご主人様、ご令室様
義父・義母なら:ご岳父(がくふ)様、ご岳母(がくぼ)様
子供なら:ご子息様、お嬢様
兄弟なら:ご令兄(れいけい)様・ご令弟(れいてい)様・ご令姉(れいし)様・ご令妹(れいまい)様
定型文で文例の作成が終わったら、ご遺族への配慮を押さえつつ、故人のお人柄も分かる職場でのエピソードや、思い出のエピソード、故人を悼み感謝する気持ち、あなたならではの故人への思いを伝える弔電にするといいでしょう。