葬儀で使用する祭壇の種類やマナーについて解説
葬儀で欠かせない祭壇について、その種類や費用相場、選び方、お供えするものについて解説します。
葬儀の種類によって祭壇の費用が変わるため、内訳や理由について知っておくことが良い祭壇を選ぶポイントで重要です。
また、祭壇には何をお供えするのが良いのか、お供えするものは何が良いのかも解説しているため、この記事を読み参考にしてください。
葬儀で使用する祭壇について
祭壇とは
祭壇は、葬儀会場の前面に設置され、故人に供物を捧げるための壇のことです。宗派によって、祭壇の種類や大きさ、装飾はさまざまです。
以前、仏式では白木の祭壇が一般的でした。しかし、家族葬や個人葬の増加に伴い、白木以外の素材で作られた祭壇の人気が高まっています。
それに伴い、祭壇の種類も増えてきました。例えば、故人をたくさんの花で囲む花祭壇は、現代では人気を博しています。
祭壇の役割
祭壇とは、故人のために供物を置く台のことです。一昔前、日本で土葬をしていたころは、棺を安置し、儀式に使うものを祭壇に並べていたと言われています。
現在では、祭壇は単に物を飾るだけではなく、故人を偲び、その記憶を表す場所として進化しています。
故人の好みを反映させたり、会場の広さやレイアウトに合わせたりして、個性的な祭壇を作る人も少なくありません。
祭壇は今や、故人や大切な人の個性やオリジナリティを表現する場となることが多いのです。
葬儀のプランによって祭壇の費用が変わる
一般葬の場合
葬儀の祭壇の費用は、祭壇の種類に関わらず、30万円から80万円程度が一般的です。
祭壇そのものは20万円から30万円程度ですが、人件費や生花、デザイン料などの追加費用が数万円から数十万円程度かかることがあります。
注意したいのは、祭壇のほかにも、式場や火葬の費用などがかかるということです。これらの費用は、場所や具体的な葬儀の内容によって変わってきます。
家族葬の場合
近親者のみで行う小規模な葬儀の場合、祭壇の設置費用の目安は20万円から50万円程度です。
一般的な葬儀の参列者が100人程度であるのに対し、家族葬は10~50人程度であるため、大掛かりで凝った祭壇は必要ありません。
近年では、家族葬の人気が高まっています。故人や親しい人たちを中心としたアットホームな雰囲気の中で、盛大なセレモニーを行わない家族葬が選ばれることが多いようです。
葬儀で使用する祭壇の種類と費用相場
仏式祭壇
祭壇は、仏式の葬儀でよく使われる伝統的な祭壇です。白木祭壇とも呼ばれ、白木の使用と複雑な透かし彫りが特徴的です。
漆木ではなく白木を使うのは、木の新鮮さ、清潔さを象徴していると言われています。
また、葬儀が突然行われたことで白木に塗りを施す時間がなかったことを表すため、とも言われています。
祭壇には、遺影を置く台、供物を置く台、位牌を置く台があります。灯りや飾りには、彫刻が施された灯籠が使われています。
相場は約10万~120万円です。
神式祭壇
神棚も仏壇と同様に白木でできており、複雑な透かし彫りが施されています。
しかし、神棚は仏式とは異なる装飾が施されています。神棚には、剣、鏡、勾玉の三種の神器が飾られます。また、色鮮やかな五色旗などの装飾品も飾られます。
灯りとしてぼんぼりが置かれ、お供え物を入れるために三方と呼ばれる台が使われます。さらに、霊璽案やしめ縄など、神事ならではの飾りもあります。
相場は約30万円からです。
キリスト教式祭壇
キリスト教の葬儀は、基本的に祭壇が存在する教会で行われるため、祭壇を追加して用意する必要がありません
しかし、場合によっては、キリスト教の葬儀は斎場で行われることもあり、その場合は祭壇が必要になることがあります。
キリスト教式葬儀の祭壇は、仏式や神道のものに比べてシンプルなものが多く、十字架や燭台が置かれるのが一般的です。
祭壇の装飾は比較的自由度が高く、遺族の好みに合わせて選ぶことができます。相場は約30万円からです。
花祭壇
花祭壇とは、生花や造花で装飾された祭壇のことです。白木祭壇と並ぶ定番の祭壇として、葬儀の場で人気を集めています。
花祭壇の利点は、特定の宗教との結びつきがないため、様々な宗教に対応できることです。
昔は菊の花が一般的でしたが、現代の花祭壇は故人の好きだった花や季節の花など、さまざまな花を使ってデザインされています。
故人の好きだった花や季節の花など、さまざまな花を使うことで、より個性的で思い出に残る祭壇を作ることができます。相場は約20万~80万円からです。
モダン祭壇
モダン祭壇とは、現代的なデザインを特徴とする祭壇のことです。
伝統的な祭壇とは異なり、決まったルールが特なく自由で柔軟なデザインができるのが特徴です。相場は約30万円からです。
オリジナル祭壇
オリジナル祭壇は、故人の趣味などを反映した、ユニークで個性的な祭壇を作ることができます。
個性的な祭壇を作る場合、従来の葬儀の祭壇の形やデザインに厳格に従うことはありません。
その代わり、大切な人を偲ぶ、世界でたった一つのオリジナルな祭壇を作ることに重点を置いています。相場は約20万~80万円からです。
葬儀での祭壇の選び方
葬儀の規模に合わせる
家族葬や小規模な葬儀が盛んになるにつれて、その場にふさわしい祭壇を選ぶことが大切です。
小規模な葬儀の場合、大きな祭壇はバランスが悪く見えてしまうため、必要ない場合もあります。
逆に、故人が人望があり、参列者が多い場合は、大きめの祭壇を選ぶことで、より印象的な葬儀にすることができます。
祭壇の大きさを決める際には、参列者の人数が最も重要なポイントになります。故人の思い出や弔いの心を大切にしながら、葬儀の規模に見合った祭壇を選ぶことが大切です。
故人の好みを反映させる
遺影を飾る祭壇は、故人の本質を表しています。故人の個性を表現するために、故人が好きだった花や果物で祭壇を飾るのがおすすめです。
葬儀社にプランナーがいれば、故人の性格や趣味、大切な思い出に沿った祭壇を提案して貰うことも可能です。
祭壇にお供えすると良い物
仏式の場合
仏教では、花・光・水・飲食・香の五品を供える習わしがあります。飲食物は日持ちのするものをお供えしますが、季節の果物でも問題ありません。
また、故人が好きだったお菓子をお供えても問題ありません。
ただし、殺生を連想させる生ものや肉、魚のお供えは基本的に避けましょう。四十九日までのお供えの花は白い花が一般的で、バラのような棘のある花は供えないのが一般的です。
神道の場合
神道では、米、菓子、果物、野菜、餅、酒、塩、魚、水など、神聖な食べ物を供える習慣があります。
仏教とは異なり、生ものや肉、魚を供えてもマナー違反とはなりません。
キリスト教の場合
キリスト教では、死後、故人の魂は神のもとに戻ると考えられているため、伝統的な供養の概念はありません。したがって、特に供物の指定もありません。
キリスト教の葬儀では、故人の親族から贈られた花を祭壇に供える習慣があります。
キリスト教の葬儀で最もよく使われる花は、聖母マリアを連想させる白ユリです。その他、白いカーネーションや蘭なども祭壇に飾られることがあります。
葬儀の祭壇についてよくある質問
祭壇とは何ですか
「祭壇」とは、葬儀や法要などで、故人を偲び供養するために飾られる台のことで、遺影や遺影とともに飾る花、位牌や香炉、お供え物などが置かれます。
葬儀で使用する祭壇の種類は何ですか
葬儀で使用する祭壇の種類には、「仏式祭壇」「神式祭壇」「キリスト教式祭壇」「花祭壇」「モダン祭壇」「オリジナル祭壇」などがあります。
祭壇にお供えする物には何がありますか
祭壇にお供えする物には、仏式の場合は「花・線香・お水・お茶碗・お茶菓子」、神道の場合は「花・御神酒・御神饌(お供え物)・水」、キリスト教の場合は「十字架・花・ろうそく・聖書」が良いとされています。