宮城県で費用が安くておすすめの永代供養墓一覧
宮城県といえば「伊達政宗」。さらには彼が築いた仙台城跡や、日本三景の松島、日本三大史跡の多賀城跡など、歴史文化価値の高いもの多く存在しています。また、青森県のイタコ同様、「オガミサマ」と呼ばれる盲目の巫女が口寄せをおこなう文化があるなど、今も昔からの文化や風習が色濃く残っている地域です。
そんな宮城県の「葬儀」の場面では、どのようなしきたりや風習が残っているのか。また、そもそも寺院や1件あたりの葬儀費用は全国的に見ると、どのくらいの割合・順位になっているのかについて、今回解説していきます。そのほか、最近需要が高まっている永代供養や永代供養墓の概要と共に、宮城県で運営している施設も紹介するので、気になる方はご参考ください。
- この記事でわかること
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- 宮城県の葬儀や風習・しきたり
- 宮城県の寺院数や葬儀1件あたりの費用
- 永代供養・永代供養墓の基礎知識と、宮城県で永代供養をおこなっている施設
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宮城県のお墓・葬儀事情
宮城県は有名な寺院も数多く存在しますが、実際どのくらいの寺院数があるのか。国の統計調査を元に宮城県の寺院数や全国と比較した時の順位、そして葬儀費用や宮城県ならではの葬儀の風習や歴史についてもお伝えします。
宮城県の寺院数
「宗教年鑑 令和元年版」(文化庁発表)のデータを確認してみると、日本全国の寺院総数は76,930カ所で、宮城県の寺院数はそのうちの948カ所。寺院数で見ると、全国36番目に位置しています。寺院数が上位の県は数千カ所もあることを考えると、決して多くはない数かもしれません。
しかし、前述しましたが宮城県には有名な寺院も数多くあります。たとえば「陸奥国分寺」は国の重要文化財である「薬師堂」があって、松尾芭蕉が訪れたとされる「瑞巌寺」は国宝にも指定されています。
宮城県の葬儀1件あたりの費用
令和元年9月に経済産業省より「平成30年 特定サービス産業実態調査」が発表されました。そのデータを見ると、宮城県の葬儀1件あたりの費用はおよそ128万円。全国13位の数字です。
※「葬儀一式請負の年間売上高(百万円)/年間葬儀取扱件数(件)」で計算
寺院数でみれば全国的には下位であるものの、葬儀1件あたりの費用についてはどちらかといえば上位に位置しています。ちなみに東北地方だけで見ると、宮城県は2位。トップは全国4位の福島県(約143万円)という結果になりました。
宮城県の葬儀の様子。しきたりや風習
宮城県では前火葬(骨葬)が一般的。前火葬とは葬儀の前に火葬をおこなうことで、東北の多くの地域が前火葬を執りおこないます。理由は地域ごとに諸説ありますが、雪国や漁師町の場合は親族がすぐに駆けつけることが困難で、みんなが揃うまでの間のご遺体の腐敗を防ぐためといわれていることなどが挙げられています。
そのほか、宮城県ならでは葬儀のしきたりや風習をお伝えします。
白い赤飯?「白ぶかし」の風習
通夜の時、宮城では「白ぶかし」が出されます。白ぶかしとは、もち米と白ささげ豆を混ぜたおこわのこと。いわゆる、赤飯の白バージョンです。文献などで由来を確認することはできませんでしたが、土葬が主流だった昔、埋葬するのは重労働だったため、そのために力をつけてもらうために振る舞ったとする説が多いようです。
契約講
宮城県では「契約講」が今も残っています。契約講とは、昔からある村の組織の一種。おもに近隣との住民との間で形成されていて、結婚式や田植え、そのほかイベント時などでお互い助け合う役割を持っています。
助け合いの場面は、お葬式の時も同様です。契約講の人たちが通夜や葬儀の手伝いをしてくれるなど、まだ悲しみが明けていないご家族の力になってくれます。
そのほか
そのほか、出棺時には男性は天冠、女性は白い頭巾を身につけて見送るといった風習が残る地域もあるそうです。また、気仙沼市では通夜の前日に火葬がおこなわれ、石巻市では「撒き銭」という和紙に巻いたお金を参列者に向けて撒くこともあります(撒かずに、受付で手渡しすることもあるようです)。
宮城県でも広がりをみせる永代供養・永代供養墓
ここからは葬儀とは少し異なって、お墓…なかでも「永代供養・永代供養墓」に注目していきます。
「永代供養」というワードを、最近いろいろなところで見聞きする方も多いかもしれません。永代供養はお墓の継承やお墓探しで頭を悩ましている人にとっては、解決の糸口になるかもしれない「新しい形のお墓・供養方法」です。どういったものなのか、どんな人に向いているのかなどを簡単にお伝えしますので、ご参考ください。
永代供養・永代供養墓の概要
永代供養とは「寺院や霊園などの施設が、ご家族に代わってお墓を管理・供養すること」です。
たとえば、従来のお墓のように定期的な清掃やお参りは必要ありません。また、永代供養にしても参拝は可能なので、自分のペースに合わせて故人を偲ぶことが可能となります。
料金は基本契約時に一括支払えば、その後は必要がないことがほとんどです。
※施設や永代供養墓の種類(後で説明する樹木葬や納骨堂)によっては、管理費など定期的な費用がかかるケースがあります。
なお、永代供養のお墓のことを「永代供養墓」といい、永代供養墓は大きく分けると以下の2種類に分けられます。
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1. 最初から合祀(ほかのご遺骨と一緒に埋葬される)されるもの
2. ご遺骨はほかのご遺骨と分けて(骨壷などで)安置されるもの
2については、一定の期間をもって1のお墓に移されるのが一般的。期間は「17回忌まで」「33回忌まで」など、施設によってさまざまです。ただし、合祀された後でもほかのご遺骨と一緒に管理・供養はされ続けているため、無縁仏になる心配はありません。
永代供養(永代供養墓)を運営する施設について
合祀された後も、ほかのご遺骨と一緒にお墓の管理は続けられていきますが、その管理は施設の永続性をもって続けられます。もしも施設側の経営が悪くなって、廃寺や閉園となった場合は、それ以降の管理・供養は当然ながら困難となります。
こうしたことはあまりないケースかもしれませんが、万が一ということもありえるため、ある程度は施設側の運営状況を把握するほうが安心です。
永代供養のメリットや注意点
永代供養はほとんどのところで、宗教・宗派不問です。そのため、檀家になる必要性がありません。また、生前契約ができるため、本人がいろいろなところを見て回って、納得した上で申し込みができます。そのほか、料金面でも一般のお墓と比べると安価なところが多いなど、さまざまなメリットがある永代供養。注目されるには、それなりの理由があることがうかがえます。
しかし、そんな永代供養でも、デメリットがひとつも無いわけではありません。たとえば、前に挙げたとおり一定期間をもって合祀されることをデメリットと考える人もいます。また、代々受け継いできたお墓を変える事自体に、抵抗を持つ方もいるかもしれません。そのため、家族や先祖のご遺骨を永代供養にすることに、身内から反対の声が出ることも。
メリット・デメリットをしっかりと把握し、その上でご家族・ご親類と話し合った後に申し込むことが、後々の家族トラブル防止に繋がるといえます。
永代供養はどういった人に向いているのか
メリット・デメリットがある永代供養ですが、以下のような方たちにはおすすめできるものです。
- 子どもがいない方、子どもが全員嫁いでしまっている方
- 独り身の方、身寄りがない方
- 遠方にお墓があって、お墓参りが負担になっている方
- 親類のご遺骨を預かっているが、自分たちのお墓には入れられず、扱いに困っている方
- お墓との付き合いが負担。檀家をやめたいと思っている方
とくに近年では高齢化社会や少子化で、お墓の扱いに頭を悩ませる人も増えています。子世代にお墓を承継させることを考える時でも、従来のお墓の形のままで良いのか、一度家族・親族と一同で話し合うのも良い機会かもしれません。
宮城県で永代供養?永代供養墓の種類と運営している施設
いろいろと話題の永代供養ですが、宮城県では運営している施設はあるのか。永代供養墓の代表的な3つの種類の概要と共に、代表的な施設をお伝えします。
一般的な永代供養墓の概要と特徴
一般的に「永代供養墓」というと、屋外に設置されていて、石材のモニュメント(墓石、石碑、塔)などを墓標としたお墓であることが多いです。また、ご遺骨をどのように安置・埋葬するは、施設および永代供養のプランによってさまざまです。
- モニュメントの下に保管スペースがあって、そこに埋葬されるスタイル
- モニュメントの背後にはご遺骨を納める建造物があって、地上部分はご遺骨(骨壷)を安置するスペース、地下は合祀スペースとするスタイル
- モニュメントを中心として、ご遺骨を個々のスペースに納め、その上には小さな石碑や石塔などを建てるスタイル(集合安置型とも呼ばれる)
- 従来のお墓のように、故人ごとに墓石を建てて埋葬するスタイル(個別安置型とも呼ばれる)
もしも気になる永代供養墓があった場合は、資料確認の上、必ず現地視察をするようにしてください。思ったよりも小さかった、合祀墓だったが丁寧に供養・管理されていることがわかった、住職のお人柄が良かった、など資料だけではわからない部分を知ることができるはずです。
宮城県で永代供養墓を運営する施設
宮城県内にある永代供養墓をいくつか紹介します。
まず、仙台市青葉区にある「みやぎ霊園 」では一般墓地のほか、永代供養墓「やすらぎの碑」があります。モニュメントと祭壇の両端に納骨壇(棚型の建造物の中に納骨するもの)があるのですが、驚くのは収容スペース。納骨壇は840区画もあって、1区画につき12~14名分入る広さがあります。納骨日から33年間、骨壷の状態で安置され、それが過ぎると合祀墓へと移されます。
石巻市の「洞源院(どうげんいん) 」の「永代供養墓 寿陵(じゅりょう)」は、大きな十一面観音様が見守る永代供養墓。個人納骨・合同納骨(合祀墓)・夫婦墓の3種類から選ぶことが可能です。個人納骨と夫婦墓では、13年、23年、33年の期間を希望でき、その期間までは単独、もしくは夫婦で埋葬。期間を過ぎた後は合祀されます。
樹木葬
樹木葬は、「自然葬」と呼ばれるもののひとつで、石材ではなく樹木や花・草木などを墓標(シンボルツリー)としたお墓のことを指します。また、基本的に「永代供養」であることを前提としていることが多いため、「樹木葬といえば永代供養墓(永代供養をするお墓)のひとつである」と考えられます。
樹木葬は1999年に始まったとされていて、自然派思考が高まるにつれ、急速に需要が伸びてきました。それにともない、里山形や霊園型(公園型)など、利用者のニーズに合わせてさまざまな形の樹木葬が広がってきています。四季を感じられることをコンセプトにしたところも多く、華やかな施設が多いのも特徴のひとつ。自分だけでなく、お参りにくる人にも安らぎを与えたい、そう感じる人は検討してみても良いかもしれません。
なお、樹木葬の場合、樹木の手入れの必要性などから、永代供養料以外に管理費などがかかるケースもあります。
宮城県で樹木葬を運営する施設
宮城県松島町では「松島樹木葬 」があって、なんと3種類もの樹木葬を展開しています。美しい花々が咲き誇る「ガーデンエリア」と、桜や梅をシンボルツリーとした「桜葬梅葬」では、ペットと一緒に入ることが可能。「ハナミズキ葬」は共同型(合祀型)の樹木葬で、1人5万円と安価で利用しやすくなっています。
また、宮城県大崎市では2019年7月にオープンした「おおさき さくら花陵 」でも、さまざまなデザインの永代供養付き樹木葬が選べます。さらに利用者にとってうれしいのは、自然豊かなだけでなく、バリアフリー設計、万全のセキュリティ、お参りに必要な水場や用具を使いやすい場所に設置するなど、配慮が随所に見受けられる点です。お墓に眠るご本人だけでなく、何回も足を運ぶ可能性の高いご遺族に寄り添う、ホスピタリティの高い霊園だといえます。
納骨堂
納骨堂は厳密にいうと「お墓」ではありません。ご遺骨を一時的に保管・安置する場所として存在していましたが、近年ではお墓代わりに使う施設が増えてきました。また、永代供養のプランをつけているところも多いため、「永代供養墓のひとつとして、納骨堂も挙げられる」ようになったといえます。
ビル型の納骨堂も増えてきています。
- スペースが屋内であるため、雨風を気にしないで良い
- 交通の便が良いところに建てられていることが多い
- 気軽に参拝できる
といったメリットがあって、都心部を中心に人気が高まっています。
注意する点として、一般的に「永代供養」であれば最初に一括支払えば、その後費用がかからないことが多いのですが、納骨堂の場合は管理費や建物自体の修繕積立費が定期的にかかる可能性があります。そのほかにも考慮しておくことがあるので、検討する時は納骨堂のメリット・デメリットをしっかりと確認しておくことが大事です。
宮城県で納骨堂を運営する施設
宮城県仙台市にある「仙臺納骨堂(せんだいのうこつどう)」は、仙石線「陸前高砂」駅より徒歩約5分という好立地のところにあるビル型の納骨堂。受付でカードをかざし、参拝室へ行くと、専用ディスプレイに故人の写真が映し出されるという、最新式の納骨堂になっています。費用はおひとり様用46万円のプランからありますが、修繕積立費として毎年費用がかかる点には注意が必要です。
宮城県の公営墓地
もしもお墓選びをする上で、上記に挙げた永代供養が気になったのなら、公営墓地(公営霊園)についても知っておくことをおすすめします。
公営墓地とは、市区町村など行政が管理している墓地のことです。寺院墓地や民間墓地(霊園など)に比べると、非常に安価であることと、その価格の割に広くて管理も整っていることなどが特徴として挙げられます。また、なにより行政が運営している墓地ということで、潰れる心配がないという安心感が一番の強みともいえます。
そして、そんな公営墓地には、永代供養墓と似た墓地が存在することがあります。たとえば、合祀墓と似た「合葬墓地」などが一般的です。合葬墓地はご遺骨を合祀し、管理するお墓のこと。基本的に公営墓地では、「供養」はされません。しかし永代管理はされるため、永代供養墓とあわせて検討のひとつとして入れてみるのもおすすめです。
宮城県の代表的な公営墓地
たとえば仙台市の「いずみ墓園 」では、公営墓地にしては珍しい「個別集合墓所」があります。これは永代供養墓の「集合安置型」と似ていて、いろいろな方の骨壷を共通の棚やスペースに安置するタイプのお墓のことです。いずみ墓園では、土中に個人専用のカロートが設置されていて、間切で隣との間を仕切られた状態で、骨壷のまま安置できます。
宮城県の公営墓地では、合葬墓地はまだほとんどないようですが、同じ東北の青森県内では市民からの要望を受け、数年前から整備が始まっています。宮城県も徐々にそういった動きになる可能性が高いため、もし気になる方は、お住いの行政に確認してみると良いかもしれません。
まとめ
同じ県内でも、地域によってさまざまな葬儀のしきたりや風習が残る宮城県。もしも葬儀や通夜に参加する場合は、一度地元の人にどういった流れでおこなわれるかを確認してから参列するほうが、安全といえます。
また、永代供養においては、宮城県内で利用者のニーズにあった永代供養施設が少しずつ広がっているようで、それは今回紹介した施設の内容からもうかがえます。今後、高齢化やお墓の跡取り問題がより一層深刻になるにつれ、永代供養施設はますます増えていくはずです。今よりもサービスの手厚い永代供養墓も登場する可能性はあるので、もしもお墓選びをする時は、一度永代供養も検討のひとつとして考えてみることをおすすめします。