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和歌山県の永代供養・永代供養墓。葬儀の風習など

和歌山県は、雄大かつ神秘的な山と海に囲まれた日本最大の半島・紀伊半島に位置。かつては熊野三社を詣でる人でにぎわった祈りの地として、現在は湯量豊富な温泉や自然の中で多彩なアクティビティを楽しめるエリアとして、とくに京阪神から多くの人びとが訪れています。

その一方で、人口の流出や高齢化にともない、かつてはあたり前のようにおこなわれてきた葬儀に関する風習やしきたりも、徐々にではありますが目にする機会が少なくなったようです。

ここでは、和歌山県の寺院数や葬儀1件あたりにかかる費用や現在もおこなわれている葬儀の風習やしきたりについてご紹介します。また、最近注目を集める永代供養・永代供養墓のことや和歌山県で永代供養ができる施設についてもお伝えします。

この記事でわかること
  • 和歌山県の葬儀・お墓事情
  • 和歌山県の寺院数や葬儀1件あたりの費用
  • 永代供養・永代供養墓の基礎知識と、和歌山県で永代供養をおこなっている施設

和歌山県のお墓や葬儀に関する情報

和歌山県の寺院数

日本全国には全部で76,930カ所の寺院がありますが、そのうち和歌山県にある寺院の数は1,584カ所。これは全国で見ると第19位の数字です。(出典:「宗教年鑑 令和元年版」)

ちなみに関西の各府県の寺院数を見てみると…、
2位 大阪府 3,386カ所
3位 兵庫県 3,282カ所
4位 滋賀県 3,205カ所
5位 京都府 3.065カ所
16位 奈良県 1,811カ所

と、どの府県も寺院の数が多く、関西に限定すると和歌山県が一番寺院の数が少ないことがわかります。それでも、日本の仏教史を語る上で外せない「高野山金剛峯寺」や西国三十三所の札所として知られる那智勝浦町の「青岸渡寺」や和歌山市の「金剛宝寺(紀三井寺)」、紀の川市の「粉河寺」など、有名な寺院が点在しているため、仏教とのつながりは決して薄いとはいえません。

和歌山県の葬儀1件あたりの費用

経済産業省の「平成30年特定サービス産業実態調査」によると、奈良県の葬儀1件あたりの費用はおよそ98万円となります。
※「葬儀一式請負の年間売上高(百万円)/年間葬儀取扱件数(件)」で計算

これは全国第29位の数字で、全国平均約110万円と比べても低いことがわかります。
ちなみに、関西各府県の葬儀1件あたりの費用は…、

滋賀県 約142万円
京都府 約125万円
大阪府 約98万円
奈良県 約97万円
兵庫県 約94万円

と、滋賀県や京都府は平均以上の費用を、和歌山県を始め大阪府や奈良県、兵庫県では、全国平均以下の費用で葬儀をおこなうケースが多いようです。

和歌山県の葬儀事情・しきたりの傾向

平安時代末期を代表する漂泊の歌人・西行法師や江戸時代に特産品のみかんを江戸で売り出して富を築いた紀伊國屋文左衛門、若い頃に西洋諸国で学び後に「博物学の巨星」と評された南方熊楠…。和歌山で生まれ育った偉人の多くが遠く離れた場所で活躍したように、現在でも東京からの交通の便があまり良くないことから働き盛りの人たちの多くが県外に流出しています。そのため、葬儀に関するしきたりや風習の中には途絶えてしまったりあまりおこなわれなくなったりしたものも多いようです。

それでも和歌山県ならではの葬儀に関するしきたりが現在にも伝わっています。その中から、他県にはないものを3つご紹介します。

「友引」の日だけでなく、「三隣亡」の日にも葬儀はおこなわない。

行事をおこなう際に参考にすることが多い六曜。このうち、友引の日に葬儀を避ける地域は多くありますが、和歌山県では暦の上で地鎮祭や上棟式など、家や引っ越しに関する行事を避けた方が良いといわれる「三隣亡(さんりんぼう)」の日にも、葬儀をおこなわない風習があります。

どうして三隣亡の日に葬儀を避けるようになったのかその明確な理由は明らかになっていませんが、三隣亡の本来の意味である「三軒隣まで滅ぼす」という言い伝えから、建築にまつわる行事だけでなく葬儀もおこなわないようになったと考えられています。

黒い扇子を破って屋根に投げ捨てる?

和歌山県では、「喪服扇」「不祝儀扇」などと呼ばれる光沢のない黒骨の扇子を身につけて葬儀に参列しますが、葬儀後は扇を破って屋根の上に投げ捨てるという一風変わった風習があります。こちらも、なぜそのようにするのかが不明なのですが、近年の住宅事情の変化などが理由で最近ではこの儀式はあまりおこなわれていないようです。

地域の人びとが葬儀をサポートする互助組織「講」

地域のつながりが強い県内の一部地域では、住民同士が互いに助け合う組織「講」が存在しています。その地域で葬儀がおこなわれる際には、講に属する住民がさまざまなサポートをしてご遺族を助けるのがならわし。講という組織は他県でも見られることはありますが、仏教の教えをまとめた御詠歌を歌うなど、通常僧侶がおこなう儀式までも講の人たちが担う点は、和歌山ならではの特徴だといえます。

和歌山県でも広がりをみせる永代供養・永代供養墓

「お墓は代々家が守るもの」。一昔前まではそれが常識でしたが、都市部への人口流出にともない、「お墓を誰が守るのか」という課題に頭を悩ませている人が多くいます。

そんな人たちから注目を集めているのが、永代供養・永代供養墓です。ここでは、永代供養・永代供養墓についって、一体どのようなものかご説明します。

永代供養・永代供養墓の概要

「永代供養」とは、寺院や霊苑などの施設に一定の料金を支払い、故人の供養やお墓の管理をお任せする仕組みのこと。永代供養をおこなっているお墓のことを、一般のお墓とは区別して「永代供養墓」と呼んでいます。

お墓を継ぐ人がいない方や家族に負担をかけたくない方などを中心に、近年永代供養・永代供養墓への需要も高まりつつあります。

永代供養・永代供養墓のメリット

永代供養・永代供養墓が最近選ばれているのには、いくつかの理由があります。ここではその中から、ポイントに分けて永代供養・永代供養墓のメリットをご紹介します。ご自身のニーズと合うかチェックしてみてください。

メリット1:費用をコンパクトな価格に抑えられること

永代供養墓は、個人で新しく建てるタイプのお墓を除けば墓石代を用意しなくてもご遺骨を埋葬することが可能です。またスペースもあまり必要ではないため、費用を安く抑えることができます。

加えて、一式の料金を支払うことでお墓の管理をしてくれることや、お布施を払う必要がない点も、永代供養・永代供養墓ならではのメリットです。

メリット2:お墓の管理の負担が少なくなること

故人の供養やお墓の管理の全てをご遺族に代わって施設がおこなう永代供養・永代供養墓。一般のお墓では、草むしりなどの作業もご遺族がおこないますが、それらも施設が担当するケースが多いので、ご遺族の肉体的な負担を軽減させることができます。

また、一般のお墓では必要とされてきた寺院との付き合いも必ずしも求められるわけではないので、ご遺族も好きな時にお墓参りに訪れることが可能です。

メリット3:宗旨(宗教・宗派)を問わない施設が多い

一般のお墓では、「家の宗旨」が違うとお墓に入れないケースがありますが、永代供養・永代供養墓を設けている施設の多くが「宗旨不問」を掲げています。施設によっては、無宗教の方や仏教とは異なる宗教の信仰者であっても受け入れ可能な施設も。特定の宗教・宗派がない方やキリスト教や神道の信仰者が永代供養・永代供養墓を探す際は、ぜひチェックしておくことをおすすめします。

メリット4:生前契約が可能

永代供養の大きなメリットのひとつに、ご本人が生きている間に契約を結べる施設が多いことが挙げられます。

気になる施設を見て回ったりインターネットなどで情報を入手したりして、お気に入りの施設で安らかな眠りに就けるので、ご本人にとっても安心感を得やすいです。

また、生前契約を済ませておくことで、その後の人生も晴れやかな気持ちになれるのも永代供養だからこそ。お墓のことで家族に心配をかけたくない方やおひとり様にとっても、永代供養は魅力的に映るはずです。

ここまで、永代供養のメリットを4つご紹介しましたが、永代供養にはデメリットや注意点もいくつかあります。

中でも注意しておきたいのが、「永代」の意味。これは「永遠」ではなくあくまで「長い年月」を示すものであって、将来にわたってずっと施設がお墓の管理をおこなうわけではありません。その点は、ぜひ理解してください。

また、家族や親族の中には永代供養・永代供養墓に対する理解を示さない方や、一定期間後に合祀されるケースが多いこと、一度合祀されると分骨や改葬ができなくなることは、覚えておくべきです。

永代供養の種類

永代供養には、基本的な「永代供養墓」のほかにも、「樹木葬」「納骨堂」などさまざまな種類があって、それぞれにメリット・デメリットがあります。それぞれの特徴と、和歌山県でも徐々に増えつつある運営施設についてご紹介します。

永代供養墓

永代供養墓は、最初からほかのご遺骨と一緒に合祀をおこなう「合祀型」が一般的なスタイルですが、ご遺骨を個別に安置・供養した後に、一定期間を経て合祀を改めておこなう「骨壺安置型」のお墓もたくさんあります。

場所も屋外とは限らず、屋内に永代供養墓が設けられた施設もあって、さらに屋内の施設も、骨壺をロッカー式の棚に収める「ロッカー型」や故人ごとの仏壇や骨壺の安置スペースがある「霊廟型」に加え、最新の技術を取り入れた現代的な「機械式納骨堂」なども登場しています。

和歌山県で永代供養墓を運営する施設

和歌山県の寺院でまず名前が挙がるのが「高野山金剛峯寺」です。平安時代の始めに弘法大師・空海が開いた日本仏教を代表する聖地は「一山境内地」と呼ばれていて、高野山全体がひとつの寺院として1200年以上にわたってその長い歴史を歩んでいます。

高野山の中心にあって、空海が入定した聖地「奥之院(おくのいん)」には、武田信玄や織田信長などの戦国武将や浄土宗を開いた法然、浄土真宗の開祖・親鸞、初代・市川團十郎や松尾芭蕉といった、日本の歴史を彩った有名人のお墓が多数あります。この広大な敷地に佇むのが、永代供養墓「奥の院 佛舎利宝塔」。地上には個人墓、地下には礼拝室や骨壺などの安置室が設けられ、世界文化遺産にも登録された厳かな空間で、永遠の眠りに就くことができます。

境内に117ある塔頭(本寺の境内にある小寺)のひとつ、持明院の高僧が毎日礼拝室で読経をおこなうなど、お墓の供養や管理も万全。バス停からも徒歩5分とアクセスも良く、事前に連絡をすれば、いつでもお墓参りをすることができます。

ただ、地上にある個人墓は全てのご遺骨を納めることができますが、地下にはご遺骨の一部のみを安置可能なようです。全てのご遺骨を納骨したい場合は、同じ高野山の境内にある納骨堂に別途申し込む必要があるのでご注意ください。

また、同じ高野山金剛峯寺の塔頭・「不動院」も永代供養を受けつけていて、こちらは寺院の境内にある永代供養墓「法音」に本骨が合祀され、本堂には分骨が個別に安置されます。ひとつひとつ手作りした骨壺の中から好きなデザインを選べるのも、こちらの特徴です。

高野山金剛峯寺以外にも、和歌山市の「善称寺」や「寿光苑」、根来塗が誕生したことで知られる「根来寺」(岩出市)や、新宮市の「宝珠寺」といった寺院に、永代供養墓が設けられています。

永代供養に取り組む寺院は複数ありますが、霊園で永代供養墓を設けている施設は現段階では限りなく少ないようです。紀の川市にある「極楽寺」が運営する「極楽寺 クリスタルガーデン」には、光を浴びて煌めく姿が神秘的なクリスタルを用いた永代供養墓や話題の樹木葬も用意。大阪府との県境にある「五色台メモリアルパーク」(和歌山市)には、墓地使用者を対象にお墓の継承者が不在となった場合にご遺骨を改葬するための永代供養塔があります。

樹木葬

「樹木葬」とは、墓石の代わりに樹木を植栽し墓標に見立てる供養方法。自然志向への高まりから、近年この樹木葬を扱う施設の数が増えています。「樹木葬」と呼ばれていますが、常緑樹だけでなく桜などの花木や人気のガーデニングを取り入れたスタイルなど、樹木葬の幅も広がっているといえます。

和歌山県で樹木葬を取り扱う施設は、まだまだ多いとはいえませんが、そのひとつ。熊野古道の入口がある田辺市の「樹木葬『桜雲』」は、真言宗の「地蔵院」が運営する施設。桜の木の下に埋葬される合祀型の樹木葬のほか、個別のお墓で13年間供養される個別タイプの樹木葬も用意されています。お墓の供養や管理は地蔵院の僧侶がおこなうので、ご遺族も安心です。

また、和歌山市の「薬師寺霊苑」や有田郡広川町にある「広源寺」などでも樹木葬がおこなわれています。今後も増えていく可能性があるので、樹木葬を検討する場合は、インターネットなどをつねにチェックしてください。

納骨堂

「納骨堂」は、屋内にご遺骨を納めるスペースを有する施設を指します。もともと納骨堂は、「ご遺骨を一時的に安置するための場所」とされてきましたが、永代供養への関心の高さから永代供養もおこなう納骨堂も増えています。

永代供養墓のところでもご紹介した高野山金剛峯寺の「奥之院」には、納骨堂があります。高野山金剛峯寺では永代供養をおこなっていませんが、希望があれば境内にある塔頭「恵光院」などで永代供養の法要をおこなった後、奥之院・納骨堂にご遺骨を納められるようです。詳しくは、お問い合わせください。

和歌山県の公営墓地などの紹介

墓地には、寺院が運営する寺院墓地、民間企業が運営する民営墓地以外に、市町村などが運営する公営墓地があります。公営墓地では永代供養をおこなうことはできませんが、永代供養に似たスタイルの合葬式墓地や樹木葬墓地などがある施設も。永代供養ができる施設を探す際には、民営墓地だけでなく公営墓地もチェックすることをおすすめします。

和歌山県の代表的な公営墓地

公営墓地を選ぶ最大のメリットは「価格の安さ」と「安心感」です。民営墓地と比べて価格がリーズナブルな点に加え、公共団体が運営するため滅多なことでは施設が失われません。

現在、和歌山県では、県庁所在地がある和歌山市の「今福霊園」や高野山金剛峯寺から程近い橋本市の「橋本墓園」、田辺市、海南市、白浜町などにも、公営墓地が設けられています。

岩出市が運営する「いわで根来公園墓地」は、和歌山県植物公園緑化センターの隣に位置し、豊かな自然と広大な敷地を誇る公営墓地。敷地内はバリアフリー設計がされていて、洋式の墓石のみを建てられるエリアを設けるなど、多彩なニーズに対応しています。

通常は、岩出市もしくは紀の川市打田地区に住所または本籍を有し、1年以上経過している方が申し込みできますが、2020年6月9日に確認したところ、区画数限定で上記条件に当てはまらない方でも申し込みが可能なようです。

まとめ

人口の流出などが原因で、和歌山県ならではの葬儀に関するしきたりや風習はあまり多くないようです。しかしながら「三隣亡の日に葬儀を避ける」など、他県では見られない風習もあるので、とくに県外から移住してきた方は頭の片隅に入れておくと良いです。

永代供養をおこなっている施設の数も他県と比べて決して多いというわけではありませんが、樹木葬を中心に魅力的な施設も徐々に増えつつあるようです。インターネット上でも詳しく紹介されていない小規模の施設もあるみたいなので、寺院や霊園だけでなく、墓石会社のホームページをチェックするなど検索の幅を広げてみるとお気に入りの施設と出会えるかもしれません。

日本の仏教の聖地・高野山金剛峯寺の境内にも永代供養が可能な塔頭があります。弘法大師・空海や多くの有名武将の近くで安らかな眠りに就けるのは魅力的に感じる方も多いはず。塔頭によってそれぞれ特徴が異なるので、興味がある方はしっかりと比較検討をすることをおすすめします。