お問い合わせ

山口県の永代供養・永代供養墓。葬儀の風習やしきたり

中国地方の最も西にあって、古くから九州と中央を結ぶ海上交通の拠点として発達してきた山口県。薩摩とともに明治維新の原動力として多くの志士を輩出しただけでなく、初代内閣総理大臣の伊藤博文を始め、2020年まで8人もの総理大臣が、この山口県から誕生しました。

保守的な土地柄として知られているだけに、葬儀でも他県ではあまり見られないしきたりがいくつかあります。また、葬儀1件あたりにかかる費用にも、山口県民の合理性が垣間見える部分があるようです。

ここでは、最近メディアで取り上げられる機会が多い永代供養や永代供養墓、山口県内にある永代供養施設も含めて、山口県の葬儀にまつわるあれこれをご紹介します。

この記事でわかること
  • 山口県の葬儀の様子。しきたりや風習
  • 山口県の寺院数や葬儀1件あたりの費用
  • 永代供養・永代供養墓の基礎知識と、山口県で永代供養をおこなっている施設

山口県のお墓・葬儀事情

北に日本海、南に瀬戸内海を望む山口県。かつては東部の周防国と北部・西部の長門国に分かれていて、それぞれ独自の文化を育んできました。

まずは、そんな山口県にある寺院の数や葬儀1件あたりの費用、葬儀にまつわるしきたりを見ていきます。

山口県の寺院数

文化庁が毎年発行する「宗教年鑑」。ここには全国の寺院や神社などの宗教に関する統計データがまとめられています。
この「宗教年鑑 令和元年版」を見てみると、日本には76,930カ所の寺院があって、山口県はその内1,425カ所の寺院を有することがわかります。全国47都道府県の中では第25位ですが、中国地方に限っていえば1番多い数です。

山口県の代表的な寺院

山口県内にある寺院でまず思いつくのが、県庁所在地の山口市にある「瑠璃光寺」です。1471(文明3)年、守護大名・大内氏重臣の陶弘房が亡くなった際に夫人が夫の菩提を弔うことを目的に創建した寺院で、国宝の五重塔は山口を象徴する建造物として親しまれています。

また、1691(元禄4)年に長州藩第3代藩主の毛利吉就が創建した「東光寺」(萩市)は、全国屈指の黄檗宗の寺院として知られているだけでなく、毛利家代々の藩主のお墓や幕末期の殉難十一烈士墓や維新志士慰霊墓八基など志士たちのお墓があって、多くの歴史ファンが参拝に訪れています。

ほかにも、室町時代を代表する画家・雪舟とゆかりの深い「常栄寺」(山口市)など、観光名所としても人気の寺院も点在しています。

山口県の葬儀1件あたりの費用

経済産業省の「特定サービス産業実態調査」。これも宗教年鑑と同じく、毎年調査がおこなわれています。内容は特定のサービス産業の活動状況や事業経営の現状を調査したもので、ここには冠婚葬祭事業の調査実績についてもまとめられています。

平成30年の特定サービス産業実態調査によると、山口県の葬儀1件あたりの費用はおよそ82万円。
※「葬儀一式請負の年間売上高(百万円)/年間葬儀取扱件数(件)」で計算

葬儀1件あたりの費用がおしなべて低い中国地方ですが、山口県はその中でも最も低く、一番費用をかけている岡山県(およそ112万円)と比べても30万円程度の差があります。

山口県では、自宅で通夜や葬儀をおこなうことが多く、一説には7割以上といわれています。そのため、他県に比べて葬儀1件あたりの費用が低い傾向にあるのかもしれません。

山口県の葬儀事情・しきたりの傾向

島根県や鳥取県の一部では会葬時の返礼品にパンを配る習慣があるそうです。では、山口県にはどのようなしきたりがあるのか、ここでは特徴的な4つをご紹介します。

「前火葬」が残る地域

山口県では、葬儀・告別式の後に火葬をおこなう地域がほとんどですが、萩市阿武町では火葬後に葬儀をおこなう「前火葬」(骨葬)の習慣が今も続いています。

短い距離でも葬列を組む理由

かつては多くの地域でおこなわれてきた「野辺送り」。現在ではほとんど見る機会がなくなりましたが、山口県の一部地方では、たとえ距離が短くても葬儀の参列者が霊柩車まで葬列を組むケースが見られます。これは「野辺送り」の名残だといわれています。

ご飯のおこげや大豆を食べる

山口県では、「精進落とし」を「立飯(たちは)」と呼び、ご飯のおこげや大豆をお膳で食べる風習があります。その理由は不明ですが、山口県ならではの葬儀にまつわるしきたりだといえます。

初度法事(しょどほうじ)とは?

葬儀・告別式が始まる前、故人の親族などを招待して精進料理を振る舞う「初度法事」。「開蓮忌供養」とも呼ぶこの法事は、「初度の膳」と呼ばれる食事を参列者に振る舞い、引出物を渡すのが慣わしです。また、ご遺族が直接招待するのではなく、近隣の人が前日に案内状を手配りするのが一般的なのだそうです。

山口県でも注目される? 永代供養・永代供養墓

時代の変化とともに、これまであたり前だったことが難しくなることがあります。お墓の管理もそのひとつ。少子高齢化や過疎化が原因で、地方を中心にお墓の後継者問題が深刻化しています。お墓問題の広がりは、山口県も例外ではありません。

そんな中、「新しいお墓の形」として注目を集めているのが永代供養・永代供養墓です。ここでは、永代供養や永代供養墓がどのようなものかについて、わかりやすく解説します。

永代供養・永代供養墓の概要

一般的なお墓では家族や親族が故人の供養をおこなってきましたが、永代供養では寺院や霊園などの施設が故人の供養やお墓の管理を担います。

もちろん永代供養をお願いする時には一定の費用が必要となりますが、その分、お墓の清掃や読経などの全てをお任せできるので、家族や親族の負担を大きく減らせます。

尚、永代供養をおこなうお墓のことを「永代供養墓」と呼びます。

永代供養が選ばれる理由

永代供養が現代の日本で選ばれる理由にはさまざまありますが、ここではとくに永代供養を選ぶメリットを中心に、選ばれている理由についていくつか考えてみたいと思います。

メリット1:従来のお墓に比べて費用が安い

永代供養は、墓石代がかからないケースが多いため、一般的なお墓に比べて費用を安く抑えられる傾向にあります。

また、一式料金を支払うことで、その後の管理費やお布施を払う必要がない場合がほとんどです。そのため、全体的に見ても、一般的なお墓を新しく建てるのに比べて費用が安くなります。

ただし、個人や家族単位で新たに永代供養墓を建てる場合は墓石代が必要です。また、永代供養の種類によっては、一式料金とは別に年間管理費を請求されるケースもあります。

メリット2:お墓の後継者がいないという場合も利用できる

故人の供養やお墓の管理の一切をお任せできる永代供養。無縁仏になることはないので、お墓を継ぐ人がいないという方にも、永代供養は選ばれています。また、最近では、女性専用の永代供養墓なども登場していることから「おひとり様」の女性からも注目を集めています。

メリット3:宗旨・宗派不問が多い

永代供養墓は、宗旨や宗派に関わらず利用できるケースがほとんどです。また施設によっては、無宗教の方はもちろん、神道やキリスト教の信者であっても受け入れてくれることも。そうした柔軟な姿勢が、現代人から好まれているとも考えられます。

ただし、供養の方法については、その施設の宗教に則った形でおこなわれるのが一般的です。多くの場合、一度納めたご遺骨は移すことが難しいので、しっかり納得をした上でお願いする必要があります。

メリット4:生前契約ができる

「生きているうちから自分が永久の眠りに就く場所を決められる」。これも、永代供養の大きなメリットです。自分自身に選択肢があるという点も、永代供養や永代供養墓が選ばれている理由のひとつだといえます。

また、施設によってはアクセス便利なロケーションにあることをPRするところなどもあって、とくに都市部では大きなメリットに映るようです。

永代供養墓は、ほかのご遺骨とともに祀るケースが多く、ほとんどの場合、再び一般的なお墓に改葬することは、物理的に困難な場合が多いです。また、永代供養を選ぶことによって発生するデメリットもいくつかあるので、永代供養を検討する際は、慎重に考えた上で決断することをおすすめします。

永代供養の種類と山口県にある施設

永代供養墓は、大きく分けると…、

の3つに分類されます。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。永代供養について深く知るために、まずはこの3つの違いについて覚えておくと良いです。

永代供養墓

永代供養墓は屋外にあるケースが多く、地面より上の部分にはご遺骨を安置するスペースが設けられ地面より下の部分にはご遺骨を合祀するスペースに分かれているのが一般的です。

永代供養墓に埋葬された故人の氏名は、

のいずれかの方法で、墓誌に刻まれることが多いです。ただし、寺院などでは墓籍帳や過去帳、法名軸に故人名を記載して管理されるケースもしばしばあります。

施設によって方針が異なるので、資料を読んでも詳しくわからない場合は、施設に問い合わせすることをおすすめします。

山口県内で永代供養墓を運営する施設

たとえば岩国市にある「瑞相寺(ずいそうじ)」では、家族単位でご遺骨を納められる「絆」「桜」を始め、後ほどご説明する樹木葬や納骨堂なども設けられていて、多彩な選択肢から自分に合ったお墓を選べます。

また、下関市の「光和メモリアルガーデン」でも、お墓の後継者がいない方に最適な「光和永代久遠特別区画 こころ」を設置。家族墓タイプの永代久遠墓や屋外型の納骨堂があります。

山口県内では、他県に比べて大々的に永代供養墓の存在を紹介する施設はまだ少ないようです。しかしながら今後ニーズの高まりはさらに予想されるので、新たに永代供養墓を設ける施設やより多く野方に永代供養墓の存在を知ってもらおうと活動する施設が増えることは多いに考えられます。

樹木葬

墓石の代わりに樹木や花木を墓標として建てる樹木葬。自然が多い日本の環境と良く調和しているだけに多くの人から好意的に受け入れられています。

最近では、人気のガーデニングを取り入れた樹木葬も登場。ほかのご遺骨と一緒に納める合祀型はもちろん、家族墓タイプの樹木葬など、多彩なニーズに対応するお墓も増えています。

山口県内でおすすめの樹木葬施設

周南市の「永源山墓園」のガーデン樹木葬「祈りの丘」は、観音像を囲むように緑が配されたスタイル。名入付きのプレート型墓碑の下に13年間納骨された後、骨壺からお骨を出して合同墓「祈りの碑」へ移動し、永代にわたって供養されます。こちらの場合は、故人の眠る場所がそれぞれ区分けされているので、合祀されるまでの期間であれば骨壺からご遺骨を取り出して分骨・改葬することも可能です。

また、萩市にある「宝宗寺(ほうしゅうじ)」では、本堂の裏手にある山に樹木葬墓地が設けられています。こちらでは、土に返る素材の骨壺もしくは直接ご遺骨を埋葬して植樹をおこなうスタイル。寺院や墓園の1区画に眠るのではなく、本当の意味で土に返ることから注目を集めています。尚、こちらでは、宗旨・宗派はもちろん、非仏教の方でも受け入れているとのことです。

納骨堂

納骨堂は、かつてはご遺骨を一時的に預かるものでしたが、近年では永代供養がセットとなったプランの納骨堂も増えています。

納骨堂にはさまざまな種類があって、たとえばロッカーのような棚に骨壺を納める「ロッカー型」や、ほかのご遺骨と一緒に合祀する「合祀型」のほか、近年では最新テクノロジーを取り入れたタイプの「機械式納骨堂」も登場しています。

山口県内のおもな納骨堂

山口県内では、先ほどご紹介した岩国市の「瑞相寺」や下関市の「光和メモリアルガーデン」のほか、山口I.C.から車で10分の場所にある創建700年以上の歴史を誇る「乗福寺」などにも納骨堂が設けられています。

また、仏教とは異なりますが、宇部市の「宇部護国神社」や岩国市の「白崎八幡宮」には、神社では珍しい納骨堂がそれぞれあります。納骨堂で仏教以外の選択肢があるのも、山口県ならではの特徴かもしれません。

山口県の公営墓地の紹介

ここまで寺院や民営業者が運営する永代供養墓について見てきましたが、最後に公営墓地についてご紹介します。

公営墓地は、市区町村などがお墓の管理や運営をおこなっていて、民営墓地との大きな違いは故人の供養を施設がおこなわないということにあります。

しかしながら、永代供養墓に似たスタイルの「合葬式墓地」や樹木葬との共通点が多い「樹林墓地」があるところも。民営墓地に比べて費用をぐっと抑えられるだけでなく、行政が墓地の管理を担うため、墓地がなくなる心配が低いことも、公営墓地の特徴だといえます。そのため、空き枠が出た場合は、応募者が殺到するケースも多いため、市区町村の広報などに目を通しておくと良いです。

山口県の代表的な公営墓地

県庁所在地がある山口市を始め、主立った市町村にはそれぞれ公営墓地があるようです。

なかでも、山口市には「阿知須合同納骨塔」が、宇部市の「白石公園墓地」にも納骨堂が、また下松市には「旗山閣」と呼ばれる納骨堂が設けられています。

納骨にはそれぞれ条件があるため、詳しくは各市町村に問い合わせください。

まとめ

葬儀1件あたりの費用が中国地方で最も低い山口県。一説で7割以上が自宅で葬儀をおこなうことに理由がありそうです。また、合理的と呼ばれることの多い県民性も影響している可能性もあります。

西日本ではほとんどの地域で葬儀後に火葬をおこなう「後火葬」が多いのですが、山口県内では、一部地域で火葬後に葬儀を執りおこなう「前火葬」をおこなうところもあるようです。ちなみに、北海道や東北地方の一部、甲信越地方などでも、前火葬をおこなう地域があります。慣れないと違和感があるかもしれませんが、それぞれの土地で育まれた風習であることを理解して葬儀に参列してください。

山口県内では、他県に比べて永代供養墓や樹木葬、納骨堂を設けている施設は決して多くありません。しかしながら、本当の意味で土に返る「宝宗寺」の「自然葬」や納骨堂がある神社など、他県ではあまり見られない施設があるのも、山口県の特徴だといえます。

永代供養のニーズが高まるにつれ、さらに施設の数も増えてくることが予想されます。永代供養を検討する際は、複数の施設を比較検討し、自分に合った施設を見つけることを心がけてください。