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滋賀県の永代供養・永代供養墓。葬儀のしきたりなど

日本最大の湖・琵琶湖がある滋賀県。母なる湖が育んだ多様な自然と人びとの営みは古代から現代まで絶えることなく続いています。そんな滋賀県の葬儀には、他県ではあまり見られないしきたりがあるのをご存じでしょうか。

このページでは、気になる滋賀県の葬儀・お墓事情や県内にある寺院の数や葬儀1件あたりの費用をご紹介。高齢社会の到来とともにニーズが高まっている永代供養・永代供養墓の基本的な情報や、滋賀県内で永代供養をおこなう施設についてもお伝えします。

この記事でわかること
  • 滋賀県の葬儀・お墓の風習やしきたり
  • 滋賀県の寺院数や葬儀1件あたりの費用
  • 永代供養・永代供養墓や基礎知識と、滋賀県で永代供養をおこなっている施設

滋賀県のお墓・葬儀にまつわる情報

日本のほぼ中央に位置し、東西を結ぶ要衝として発展してきた滋賀県。日本の仏教に多大なる貢献を果たした比叡山延暦寺や紫式部ゆかりの石山寺、西明寺・金剛輪寺・百済寺の「湖東三山」など、多くの古刹・名刹があることでも知られています。

そんな仏教とゆかりの深い滋賀県の寺院の数や葬儀1件あたりの費用は、どのようなものなのでしょうか。ここでは、国の統計調査からわかった情報と、滋賀県ならではの葬儀のしきたりについてご紹介します。

滋賀県の寺院数

文化庁の「宗教年鑑 令和元年版」のデータによると、日本全国にある寺院の数76,930カ所のうち、滋賀県にある寺院の数は3,205カ所。愛知県、大阪府、兵庫県に次いで、全国第4位の多さで、意外なことに有名な寺院が数多くある京都府(全国第5位)よりも多いことがわかりました。ちなみに、上位5県のうち関西の4県がランクインしていることから、関西に寺院が集中していることも読み取れます。

滋賀県の葬儀1件あたりの費用

経済産業省の「平成30年 特定サービス産業実態調査」によると、滋賀県の葬儀1件あたりの費用はおよそ142万円となります。
※「葬儀一式請負の年間売上高(百万円)/年間葬儀取扱件数(件)」で計算

ちなみにこの額は日本で6番目に高く、全国平均(約110万円)と比べても約32万円高い数字。関西2府4県の中では、滋賀県が最も葬儀に費用をかけているようです。

滋賀県の葬儀事情・しきたりの傾向

同じ関西でありながら、大阪府や京都府、兵庫県などではあまり見られない風習も残る滋賀県。そのいくつかをご紹介します。

通夜振る舞いは「うどん」で

通夜の参列者に料理やお酒を用意する「通夜振る舞い」。関東など東日本の葬儀ではよくおこなわれていますが、関西を始めとした西日本の葬儀ではあまりなじみのない風習です。

しかし滋賀県では、この通夜振る舞いをおこなう地域もあるのですが、料理にはオードブルや寿司を用意するのではなく、シンプルなうどんを食べてもらうのが一般的なのだとか。

「せっかく故人のために訪れてくれたのだから料理を振る舞いたい。しかし葬儀の準備などで手の込んだものは用意できない」という思いから、「せめて簡単に作られるうどんだけでも…」というご遺族の思いが、現代まで伝わっているのではないでしょうか。

ご遺体に刃をあてる「おかみそり」

他県ではあまりない風習のひとつに、故人の額にカミソリの刃をあてるマネをする「おかみそり」というものがあります。

これはかつて滋賀県で広まった浄土真宗の「帰敬式(ききょうしき)」の中で、仏・法・僧の三宝に帰依することを誓う「剃刀の儀」がルーツとされています。もちろん、実際にご遺体を剃髪するのではなく儀式用のカミソリを用いるので、ご遺体が傷つけられることはないのでご安心を。

滋賀県ならではの香典に関するしきたり

香典に関する滋賀県独特のしきたりも現在まで伝わっています。

そのひとつが、「こうぎ」と呼ばれるしきたり。郡部など一部の地域では、葬儀の際には香典を持参せず、後日開かれる会食の時に香典代わりに「こうぎ」と呼ばれる金銭を渡す風習が残っています。ただし、このしきたりは隣近所の人が対象で、一般の参列者は通常どおり葬儀時に香典を渡すのが通例です。

また、これも一部地域のことですが、香典返しの供養品以外に、2,000円程度の新札を「粗飯料(そはんりょう)」として渡す風習が残っています。以前は葬儀の際に渡していたケースが多かったようですが、現在は通夜の時に渡すケースもあるそうです。

滋賀県内でも注目度が高まりつつある永代供養・永代供養墓

ところで最近「永代供養」という言葉を見聞きする機会は増えていませんか。滋賀県内の寺院や霊園、公園墓地の中には永代供養を受けつける施設が複数あります。永代供養とはいったいどのようなものなのか。歴史を交えてご紹介します。

永代供養・永代供養墓の概要

永代供養(えいたいくよう)とは、定められた料金を施設側に支払うことで故人の供養やお墓の管理の全てをお任せできる供養方法を差します。永代供養をおこなっているお墓は「永代供養墓(えいたいくようぼ・えいだいくようぼ)と呼ばれ、一般的にはほかのお墓と区別して建てられています。

比叡山延暦寺から始まった、現代の永代供養

江戸時代にも現代の永代供養に似た仕組みが

日本における永代供養の起源は不明ですが、江戸時代には現代の永代供養に通じる「檀家制度」の仕組みができあがっていました。これは毎年ご遺族が寺院にお布施を納める代わりに、寺院が故人の供養やお墓の管理をおこなう仕組みのこと。しかしながら、その寺院の宗派を信仰する近隣の人以外は檀家になれなかったことや毎年お布施を支払う必要があることなど、現在とは異なる部分も多々あります。

比叡山延暦寺の「久遠墓」が、永代供養の広まるきっかけに

永代供養の仕組みが広がりを見せたきっかけとなったのは、1985年に完成した比叡山延暦寺の「久遠墓(くおんぼ)」だといわれています。

「久遠墓」は、それまでのお墓とは異なって、一代限りの個人墓や夫婦墓が約2,000基設けられ、「お墓は家が継ぐもの」と考えられていた当時の人びとを驚かせました。また、その利用システムは、現在ではあたり前となっている永代供養・永代供養墓の仕組みにも通じる内容だといわれています。

しかしながら、当時はまだ永代供養の定義や仕組み自体が築かれていなかったこともあって、「久遠墓」の取組みが定着するまでに時間がかかりました。

永代供養への見方が変わった法律改正

「久遠墓」の完成から14年後の1999年、「墓地、埋葬等に関する法律」の部分改正がおこなわれ、改葬の手続きが大きく簡略化されたことがきっかけとなって、それまで代々守られてきた家のお墓から永代供養墓へ改葬する人が増えてきました。

またインターネットの普及によって、永代供養・永代供養墓に関する知識が深まったことも、永代供養に対する見識が大きく変わった理由だといわれています。

法律の改正が行われた7年後の2006年に厚生労働省が行った調査によると、永代供養に対する人びとの評価が10年前と比べて肯定的なものに転化したことがわかっています。

永代供養の種類と滋賀県のおもな施設

永代供養は、永代供養墓以外にも、近頃メディアで取り上げられる機会の多い「樹木葬」や屋内の「納骨堂」などさまざまな種類に分けられています。ここでは、それぞれの特徴とともに滋賀県にある代表的な施設についてもご紹介します。

永代供養墓

一般的な永代供養墓には、地面の上の部分にご遺骨を安置するスペースがあって、地面から下の部分にはほかのご遺骨と合祀するスペースがあります。上の部分の側面を見てみると、お墓に埋葬されている方の姓名が刻まれた墓誌が刻まれています。

また、永代供養墓は大きく分けて「合祀型」「骨壺安置型」の2つに分けることができます。
合祀型とは、ほかのご遺骨と同じ場所に埋葬をおこなうスタイルのこと。
骨壺安置型は、骨壺のままほかのご遺骨と分けて埋葬をおこなうスタイルを差します。

安置する場所でも「屋内型」「屋外型」で分けられます。
「屋内型」は、仕切られた棚のようなスペース内に骨壺を安置する「ロッカー型」や上段に仏壇があり下段に骨壺を安置するスペースが設けられた「霊廟型」などが、「屋外型」には、供養塔や大型に個人のご遺骨を納める「納骨塔型」「納骨壇型」などがあります。

屋内型には、上記のロッカー型や霊廟型以外にも、機械で運ばれたご遺骨と専用スペースで対面が叶う現代的なエッセンスを取り入れた「機械式納骨堂」や、古代の王族などが祀られた墳陵をモチーフにした「墳陵型」など、珍しい永代供養墓がある施設も増えています。

それぞれにメリット・デメリットがあるので、永代供養墓を比較検討する際には参考にしてください。

滋賀県で永代供養墓を運営する施設

滋賀県で永代供養墓を運営する施設としてまず名前が挙がるのが、先ほどご紹介した比叡山延暦寺が供養や管理をおこなう「比叡山延暦寺大霊園」の久遠墓です。現在は、個人墓や夫婦墓のほかに、契約をしたご本人を含め最大4人までのご遺骨を埋葬できる一般石碑型の永代供養墓も設けられています。

比叡山延暦寺と同じ天台宗の総本山で、極楽往生の巡礼で知られる西国三十三カ所の第十四番札所としても有名な「園城寺(三井寺)にも、合祀型の「三井寺久遠塔(永代供養塔)」があります。こちらは、納骨壇と異なって、ご遺骨が全て境内の土に帰るという、まさに「仏になれる」環境です。

また、栗東市にある「新善光寺」では、13年間骨壺の状態で安置されたのちに合祀がおこなわれる「さとりの道」など、3つのプランを用意。「将来的には合祀でも構わないができる限り骨壺のままで眠りたい」と考える人にぴったりの寺院だといえます。

京阪神と異なり霊園の数が少ない滋賀県ですが、瀬田川の近くにある「メモリアルパーク大津 桜公園墓地」(大津市)や雄大な比良山系の大パノラマに抱かれた「西安霊苑」(大津市)など、永代供養墓を設けている霊園や公園墓地も複数あります。宗教色が薄い施設を探している方はもちろん、寺院の永代供養墓を検討している方も併せて調べてみることをおすすめします。

樹木葬

墓石の代わりに樹木を墓標に見立ててご遺骨を埋葬する樹木葬。クスノキなどの樹木のほか、サクラなどの花を咲かせる木や最近ではガーデニング形式の樹木葬を取り入れている施設も増えています。

滋賀県で初の樹木葬を取り入れたといわれているのが、永代供養墓の項目でもご紹介した「メモリアルパーク大津 桜公園墓地」。バラの花が咲き誇る専用スペースにはプレートタイプと家族墓タイプのお墓が設けられ、永代にわたって合祀されることなく眠りに就くことができます。

また琵琶湖大橋から程近い場所にある「圓成寺 琵琶湖・堅田ふれあいパーク」(大津市)にも、ガーデニングスタイルの樹木葬があって、珍しい女性専用の集合墓「女性たちの碑」も設けられています。

そのほか、湖東エリアにある近江八幡市の「瓶割山霊苑」、米原市の「善行寺」、彦根市の「蓮成寺」でも樹木葬を取り入れ、それぞれ「永続性」の花言葉を持つハナミズキの下で安らかな時を過ごすことが可能。家族墓以外であれば管理費が必要ないほか、追加費用が発生しないこと、相続の相談や家の解体などご遺族のことを考えたアフターサポートが充実しているのも魅力的です。

納骨堂

納骨堂は、主に屋内でご遺骨の管理や供養をおこなう施設を指し、ロッカー型や仏壇型、合祀型のほか、先ほどご紹介した機械式納骨堂と合わせて4種類があります。

永代供養墓と同様にご遺族にとって管理や供養の負担が少なくなることに加え、一般的なお墓と比べても安心の費用で管理・供養をお任せできる点も納骨堂の特徴だといえます。

滋賀県内で納骨堂を有する霊園や公園墓地の数は現状少ないですが、その中のひとつ。大津市にある「びわ湖霊園」では、お墓の継承者がいない方や納骨先に迷う方に対して、永代納骨堂「やすらぎ」を提案しています。こちらは屋外にお墓が設けられ、費用も永代個別納骨の場合15万円から利用可能。家族など8名まで納骨可能なタイプも一式45万円という費用でお願いすることができます。霊峰・比叡山の裾野にあって、琵琶湖を一望できるロケーションも「やすらぎ」が人気の理由です。

また、西国三十三カ所第三十二番札所として知られる観音正寺(近江八幡市)など滋賀県内にある納骨堂を設けているところが複数あります。
その中のひとつ、大津市の三井寺山内に佇む「圓満院門跡」は、皇室ともゆかりの深い歴史ある寺院。重要文化財に指定されている「宸殿」や名勝の庭園がある境内には大納骨堂が設けられ、宗旨宗派を問わず受け入れています。

滋賀県の公営墓地などの紹介

都道府県や市町村などが管理・運営をおこなう「公営墓地」。民営とは異なり、比較的費用をリーズナブルに抑えられる点や民営よりもさらに経営体制が安定していることなど、メリットが多くあります。
永代供養は寺院墓地か民営墓地でのみおこなわれることが一般的ですが、公営墓地の中には、近年のお墓事情の変化にともない、永代供養に似たスタイルの供養をおこなうところもあります。そのため、永代供養・永代供養墓を考えている方は、公営墓地も合わせてチェックすることをおすすめします。

滋賀県の代表的な公営墓地

滋賀県の場合、県庁所在地のある大津市にはJR堅田駅から徒歩圏内の場所にある「堅田メモリアルパーク」と穴太野添古墳群旧跡の近くに「大津市野添墓地」があります。近年ファミリー層などの人口が増加傾向にある栗東市にも「栗東墓地公園」などの施設が設けられています。

また野洲市の市営さくら墓園では、2000年4月より三上山を望む場所に合葬墓を新設。広報を通じて第1期生前登録者を募集したところ、定員100名に対して332名の市民が応募したとのこと。永代供養・永代供養墓のニーズの高まりを知らせるニュースとして、合葬墓の新設が決定した2019年に地元の新聞でも取り上げられています。

公営墓地は一般的に住民のみが利用できるケースがほとんどですが、中には住民以外の利用も可能な施設もあります。お住まいの地域の公営墓地を検討する際は、周辺の市町村の公営墓地についても併せて調べましょう。

まとめ

同じ近畿でありながら、大阪府や京都府、兵庫県とは異なるしきたりがある滋賀県。葬儀時に香典を渡さず初七日後の会食時に香典を渡す「こうぎ」など、一見理解するのに時間がかかりそうなしきたりもあります。とくに県外や県内の都市部から郡部へ引っ越した方は、葬儀に参列する際、周囲の人に「こうぎ」について確認を取ることをおすすめします。

現代の永代供養が始まるきっかけとなったのが、比叡山延暦寺の「久遠墓」でした。できた当初は批判的な声も少なくなかったそうですが、時代の変化にともない永代供養に対する日本人の見方も変わりました。現在、比叡山延暦寺では、2020年5月現在、境内には個人墓や夫婦墓を始め9エリアで「久遠墓」を展開。数多くの人びとが、安らかな眠りに就いています。

比叡山延暦寺の「久遠墓」以外にも、県内には永代供養墓や樹木葬をおこなう施設が複数あります。琵琶湖を望むロケーションや費用など、それぞれに特色があるため、永代供養・永代供養墓を検討する際は、同じタイプの施設を比較するのはもちろん、違うタイプの施設を比較するのもおすすめです。