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秋田県の永代供養・永代供養墓と、葬儀の風習

秋田県といえば、ユネスコ無形文化遺産にも登録された「なまはげ」、女流歌人かつ美人として名高い「小野小町」の伝承、郷土料理として有名な「きりたんぽ」など、昔からの文化や風習・史跡が今も大事に受け継がれています。

そんな秋田県では、「葬儀」の場面でも、古いしきたりや特徴的な風習が残っているところがあります。今回は、それがどのようなものか解説すると共に、秋田県内の「葬儀」事情や最近のお墓傾向として見逃せない永代供養や永代供養墓について触れていきます。今後のお墓の管理について考えている人は参考にしてください。

この記事でわかること
  • 秋田県のお葬式。今も残る風習やしきたり
  • 秋田県の寺院数葬儀1件あたりの費用。全国との比較
  • 秋田県で永代供養・永代供養墓を運営している施設

秋田県の寺院・葬儀の調査結果。しきたりや風習

秋田県は重要無形民俗文化財が日本で一番多く、冒頭で挙げた「なまはげ」以外にも、江戸時代中期より続く「秋田竿燈まつり」、民俗芸能の「根子番楽」など、多くの文化や祭事が現代まで受け継がれています。

昔からの風習やしきたりを重んじる気質がある秋田県ですが、信仰心なども強いのか。また、葬祭などにはどういった特徴があるのか。「葬儀」の観点から秋田県を読み解いてみます。

秋田県の寺院数

文化庁が毎年発表する「宗教年鑑」。各宗教の系統別数や、地域ごとの神社・寺院・教会数などを発表しています。

令和元年の宗教年鑑にある調査結果を確認してみると、秋田県の寺院数はわずか680カ所。全国39番目に位置しています。寺院数が1,000カ所に達していない都道府県は13県しかなく、秋田県はそのうちのひとつ。神社の数は全国33位、教会の数も全国42位など、寺院以外の数を見ても低い順位に位置しているところから、秋田県民の信仰心は決して強いわけではないことがうかがえます。

秋田県の葬儀1件あたりの費用

葬儀1件あたりの費用を確認すると、秋田県の葬儀1件あたりの費用はおよそ103万円。これは全国26位の数字です。

※費用は経済産業省「平成30年 特定サービス産業実態調査」を参照。「葬儀一式請負の年間売上高(百万円)/年間葬儀取扱件数(件)」で計算したものとしています。

秋田県の葬儀の様子。しきたりや風習

地域ごとに葬儀の流れが異なっている秋田県。そのほか特定の地域にしか見られない風習もあるようです。どのようなものがあるのか、順にお伝えします。

前火葬

秋田県を含め、岩手県や青森県など東北のほとんどの地域では、葬儀の前に火葬をおこなう「前火葬(骨葬)」が一般的。理由は諸説ありますが、雪国や漁師町である場合は親族がすぐに駆けつけられず、みんなが揃うまでの間にご遺体が腐敗しないために、先に火葬をおこなうといった説が多いです。

なお、前火葬といっても県によって火葬を通夜の前でするか、後でするかとの違いがあるようで、たとえば宮城県では通夜のあと、青森県では通夜の前とされています。秋田県では通夜の前におこないます。

訃報を2人1組でおこなう

秋田県 (おもに北地区)では、2人1組で訃報を近隣や地域の人たちに報せに行く風習が残っています。訃報を告げる人を「告げ人(つげにん)」と呼び、山形県や岩手県の一部の地域でもおこなっているところがあります。

焼香のときに添える小銭

「焼香をするときに焼香の盆に小銭を添える。」

この風習はいくつかの地域で残っていますが、なかでも、秋田県では広い範囲でおこなわれているようです。なぜそうするかははっきりとしていませんが、その昔、焼香箱を持ってきてくれたお寺へのお礼(お香代)とした説や、故人があの世に旅立つときの準備金とする説などがあります。

地域による風習の違い

秋田県は、県の北・中央・南のそれぞれの地区で通夜の扱いが異なります。
たとえば、一部の中央地区や南地区では、通夜がほとんどない。あったとしても、お坊さんなどを呼ばず、身内だけが集まって故人を偲ぶ「通夜」のとするところがあります。しかし、県の北に位置する地域では、通夜は葬儀より盛大で参列者も多いケースも見受けられます。

さらに「友引」の扱いにも地域差が。北地区は友引を避ける傾向も強く、不幸の知らせも友引はおこなわないこともあります。逆に中央地区では友引をあまり気にせず、火葬場も開いているところが多いです。

今後は秋田県でも?各地で広がりを見せる永代供養・永代供養墓

さまざまな葬儀の風習が残る秋田県ですが、葬儀の後である「お墓」については、少子化や若い世代が都市部へ行ってしまうなどの問題によって、承継や無縁墓の問題が浮上しています。

このような問題は秋田県だけでなく各地で起こっていますが、そんな問題を解決できるとして注目されているものがあります。それは「永代供養」と呼ばれる供養方法なのですが、ここからはその「永代供養(永代供養墓)」について、まずはどのようなものなのか、簡単な説明からお伝えします。

永代供養・永代供養墓の概要

永代供養(えいえたいくよう)とは、「寺院や霊園などの施設が、ご家族に代わってお墓を管理・供養する」ことです。そして、永代供養をおこなうお墓のことを永代供養墓といいます。

高齢化にともないお墓の掃除や参拝が辛い方や、地方を離れて都心に移り住んだ方などにとっては、自分の代わりにお墓の管理をしてくれる永代供養は、心身ともにありがたい存在となっています。

なお、永代供養の料金は基本前払いで、最低でも以下の項目の料金は支払うとされています。

永代供養料はその名のとおり、永代に渡り供養してもらうための料金で、納骨供養料は納骨時に僧侶に読経をしてもらうときの料金。刻字料は墓誌などに名を刻んでもらうための料金です。

そのほか年間管理費や、生前契約の場合は納骨されるまでの期間は別途費用を支払うケースがあります。施設や永代供養墓の種類によって、料金項目や管理・供養方法に違いがあるため、契約時・生前契約時・納骨後のそれぞれで、かかる料金とその内訳をしっかりと確認する必要があります。

永代供養や永代供養墓の種類分け

ひとくちに「永代供養墓」といっても、いくつかの種類があります。

安置方法で種類分けをしてみると、ご遺骨をほかのご遺骨と合わせて一緒の場所に埋葬・管理される「合祀 (ごうし)型」、ご遺骨は個人ごとに骨壷などで分けて保管・管理する「骨壷安置型」に分けられます。
さらに骨壷安置型には「個別墓」と「集合墓」に分けられ、個別墓は個人ごとにひとつのお墓が割り当てられます。集合墓はひとつのお墓(場所)に対して、複数のご遺骨が納められますが骨壺の状態でしっかりと一人ひとり区切られて管理されています。

※施設によっては、「集合墓」と「合祀墓」を同じ意味で使っているところもあります。そのため名前だけで判断するのではなく、施設側にどのような形で安置されるのか確認をとる必要があります。

永代供養が広がってきた背景

「新しいお墓」とされる永代供養墓は、1985年、比叡山延暦寺が「久遠墓」を開設したのがはじまりです。合祀墓ではなく、個人のみ、もしくは夫婦のみが入れるお墓がおよそ2,000基も設置されました。

それまでは代々お墓を承継することが一般的とされてきた時代。お墓の跡継ぎがいなくても利用できることや、一代限りのお墓であることの物珍しさ。有名な比叡山が開設したことなどから、当時はメディアの注目もすごいものでした。

しかしその後、各地で永代供養墓が建てられますが、「お墓は承継するもの」という人びとの意識はなかなか変わらず、永代供養墓を必要とする人は限られていました。

今のように広がってきた背景は、1999年の墓地に対する部分改正がおこなわれ、改葬の手続きが簡略化されたことにあります。さらにインターネットの普及で、情報収集も容易となったと同時に、少子化や墓継承の問題が浮き彫りになるにつれ、一気に普及が広がりました。

永代供養(永代供養墓)の形。秋田県で運営している施設

先ほど触れた永代供養墓の種類分けについてですが、「安置方法」以外に「形」でも種類分けができます。

その代表的なものが、一般的な「永代供養墓」、「樹木葬」、「納骨堂」の3つです。樹木葬や最近の納骨堂は、永代供養付きのものが一般的で「永代供養墓」のひとつとして考えられています。どのようなものなのか、順にお伝えします。

永代供養墓とはどういったものか

たとえばチラシやホームページに「永代供養墓」とだけ表記されている場合、一般的に以下の形であることが多いです。

どのような形状かは、安置方法や施設によって異なります。たとえば、「合祀型の永代供養墓」であれば、大きなモニュメントの下に合祀スペースがあることが多く、「個別墓型の永代供養墓」であれば一般的なお墓のように個人ごとの墓石を設置することもあります。
最近ではニーズに合わせてさまざまな種類の永代供養墓が出現しているので、管理・供養方法とともに、しっかりと確認のうえ、利用されることをおすすめします。

樹木葬

樹木葬は、樹木、花や草木などを墓標とするお墓です。樹木葬の墓標は「シンボルツリー」と呼ばれ、どのような植物が植えられるかは、施設に委ねられます。

樹木葬には2つのパターンがあります。

どちらも自然豊かな中で眠ることができ、参拝する人も晴れやかな気分になると評判が高まっています。

また、樹木葬は自然に触れ合う葬送方法であることから「自然葬」に分類されます。ただし、同じく自然葬である「散骨」とは決定的に異なる部分があります。

つまり、樹木葬は「お墓」としての位置づけとして存在していますが、散骨は「お墓」となるものはありません。「自然に還りたい」と願う人は多いかもしれませんが、遺されるご家族のためにもお参りする場所があったほうが良いと判断される場合は、樹木葬を選ばれることをおすすめします。

納骨堂

納骨堂は元々、お墓を建てるまでの間や移動させる間の一時的な保管・安置場所として利用されているものでしたが、最近ではお墓代わりに利用する施設が増えてきました。

それに伴い、ご遺骨を小さなロッカーのように区切られた壇に納める「ロッカー型」、上に仏壇スペース、下に骨壷を納めるスペースがあるという「霊廟(れいびょう)型」、そのほか「機械式納骨型」「合祀型」など、さまざまな種類の納骨堂が登場。永代供養プラン付きで提供するところも多く、「納骨堂といえば永代供養墓」という認識も広がってきています。

秋田県で永代供養を運営する施設

一般的に骨壷安置型の永代供養は、ある一定の期間をもって合祀墓に移されるのが一般的です。しかし、潟上市にある長沼禅苑の永代供養墓「杜の塔」は、一定の期間が過ぎた後も遺骨を元の場所から移動しないという、珍しいタイプの永代供養です。現在は残念ながら、骨壷安置型の永代供養墓は埋まってしまっていますが、もしも合祀されたくないと思っている方は、杜の塔のような永代供養墓を探してみると良いかもしれません。

秋田県ではまだ永代供養墓を展開する施設はあまりありませんが、この後にお伝えする公営墓地での申込数を見る限り、今後需要が高まって広がっていくことがうかがえます。

秋田県の公営墓地

もしも永代供養墓が気になるようであれば、公営墓地もチェックしておくことをおすすめします。公営墓地は市区町村の行政が管理・運用していて、破綻の心配もなく安全性が高いだけでなく比較的安価なため、人気が高い墓地です。

公営墓地には一般の墓地以外に、永代供養の「合祀墓」と似た「合葬墓」が設けられているケースがあります。基本的に行政側が対応するのは、管理と運用のみなので、永代供養のように「供養」がおこなわれるわけではありませんが、行政がある限り永続的に管理と運用は続けられるため、人気が高まっています。

なお、公営墓地は基本的に地域住民のみが利用できますが、まれにその地域以外の人でも使うことができる地域もあるので、もしお住まいの地域で取り扱っていない場合は、近隣の市区町村の市営墓地を調べてみるのも手かもしれません。

秋田県の代表的な公営墓地

秋田市の平和公園内にある市営墓地では、秋田県内で初めてとなる公営墓地の「合葬墓」があります。当時、この合葬墓には申し込みが殺到し、急きょ受付を2回に分けて対応するほどでした。また、その際に申し込みができなかった住民からの不満を受け、秋田市飯島地内(秋田市北部墓地)にも1,500体も納骨ができる合葬墓を整備しています。

まとめ

秋田県は数多くの風習やしきたりが残る反面、寺院数においては全国と比べるとかなり数は少ないことがわかりました。しかし、そんな秋田県でも無縁墓やお墓の承継問題は広がっているようで、秋田市の合葬墓の申し込み数の多さから見ても、永代供養に対する住民の関心度は高いことがうかがえます。

残念ながら秋田県ではまだ民営の永代供養施設も少ないですが、要望を受けて今後広がっていく可能性もあります。もしも利用を検討するときは、一度永代供養とはどういったものかを再確認してから、しっかりと施設に問い合わせて利用されることをおすすめします。