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青森県の永代供養や永代供養墓。葬儀の風習

本州でもっとも北に位置する青森県。ほかの東北地域と同様、葬儀は「前火葬」をおこない、香典は「即日返し」となっています。しかし、葬儀1件あたりの費用を比べてみると、ほかの地域と比べると大きな開きがあることがわかりました。青森県はどのくらいの費用なのか、そして全国で何番目に位置するのか、国の統計調査を元に解説します。

また、青森の葬儀のしきたりや風習と合わせて、近年注目が集まり始めている永代供養や永代供養墓についても触れていきます。永代供養の基礎的な情報および、青森県で永代供養をおこなう施設をいくつかご紹介するのでご参考ください。

この記事でわかること
  • 青森県の葬儀・お墓事情
  • 青森県の寺院数や葬儀1件あたりの費用
  • 永代供養・永代供養墓や基礎知識と、青森県で永代供養をおこなっている施設

青森県のお墓・葬儀事情

ここでは、青森県の寺院にまつわる情報や葬儀1件にかかる費用について、国の統計調査をもとにわかった事実をお伝えします。また、青森県ならではの葬儀の風習についてもご紹介します。

青森県の寺院数

文化庁による「宗教年鑑 令和元年版」のデータによると、日本全国の寺院数は76,930カ所です。青森県にある寺院の数は887カ所で、東北地方(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)の中で最下位。47都道府県中では43位と下位になっています。

しかしながら、数は少なくとも地域に根付いた信仰が厚い寺院が多く、たとえば東北地方で信仰されている「オシラサマ」の大祭をおこなう「久渡寺(くどじ)」。江戸時代に津軽藩の庇護と、船乗りたちの信仰を集めた「円覚寺」など、昔から多くの人に祈りを捧げられてきました。また、津軽三十三観音霊場という青森県の観音霊場を33カ所巡る巡礼行があり、いまもお遍路さんがお参りをする姿を見ることができます。

青森県の葬儀1件あたりの費用

令和元年に経済産業省より発表された「平成30年 特定サービス産業実態調査」のデータでは、青森県の葬儀1件あたりの費用はおよそ59万円。全国平均が110万円なので、かなり低い金額となっています。これは全国の順位から見ても顕著で、なんと全国47位。つまり最下位となっています。
※「葬儀一式請負の年間売上高(百万円)/年間葬儀取扱件数(件)」で計算

年間の葬儀取扱件数は16,775件であり、全国29位と順位は真ん中あたりに位置しています。しかしそれに反比例して、「葬儀一式請負の年間売上高」は39位と下位なことから、青森県では直送や家族葬など比較的小さめのお葬式が増えているのかもしれません。

青森県の葬儀事情・しきたりの傾向

青森県では、

など、地域によって違いがさまざまあります。そんな青森県の葬儀の風習やしきたりも、もしかしたら地域によって大きく変わっているかもしれません。どんなものがあるのか、順にお伝えします。

前火葬・骨葬、香典即日返しの文化

青森県では前火葬です。前火葬とは葬儀の前に火葬をおこなうこと。そして前火葬をおこなった場合、葬儀は当然ながらご遺骨の状態でおこなうこととなります。これを「骨葬」といいます。

前火葬や骨葬については、関東などでは馴染みがないかもしれませんが、東北地方や沖縄などいくつかの地域で見受けられます。理由については地域によってさまざまで諸説あったりもするのですが、青森県では当時の藩主が京都で亡くなったことが有力な説になっています。京都から青森までの移動はとても時間がかかり、その間にご遺体が腐敗してしまう可能性が高いです。そこで先に火葬をおこなったのが由来ではないかといわれています。

また、香典は即日返し(当日返し)。全員一律500円~1,000円程度のものを渡すとされています。ただし、青森県内でも対応が分かれるようで、ある地域では香典が高額だった方については、後日それに見合う品を送ったり、逆に香典返しは無しとしたりする地域も。どちらにしても、香典を「後返し」とする地域の方にとっては驚かれる風習といえます。

「もがり(殯)」の名残

古代日本において、おこなわれていた葬儀・儀式である「もがり」。ご遺体を棺におさめ、何日(長いときで何年)も故人を悼み・偲び・祈りを捧げるこの儀式は、火葬の広がりとともに衰退し、今は日本の天皇や上皇などの葬儀の際にのみおこなわれるものとされています。最近では2016年に天皇陛下が国民に向けて送ったビデオメッセージで、もがりの行事についても言及。そこで初めて知った人や印象に残った人も多かったようです。

こうした「もがり」の文化・風習ですが、青森県の一部地域では形と内容を変えて残っていると言われています。それが忌中の家の玄関(門)に1メートル以上もある長さの2本の木の板をクロスし、ばつ印を作って、飾る行為。忌中は49日までの期間のこと。その間故人を偲んでいることを周りに知らせる役目を持っているようです。

青森県でも広がる?永代供養・永代供養墓の概要

青森のお葬式の風習や背景を見てきましたが、次は近年広がりつつある「永代供養」についてお伝えします。

永代供養はその内容から、少子化や高齢化社会における人びとの不安を解消できるものとして世間から注目。今や永代供養に対応している寺院は全国に広がっており、青森県でも少しずつですが取り扱う施設が増えてきているようです。

そんな「永代供養」について、基本情報から順に解説します。

永代供養・永代供養墓の概要

「永代供養」とは寺院や霊園がご家族に代わり、故人の供養や管理をおこなうことです。そして、永代供養をおこなうお墓のことを「永代供養墓(えいたいくようぼ)」といいます。

一般のお墓と比べて違う点はさまざまですが、大きく分けると4つあります。

合祀の有無

永代供養墓にはいくつか種類があります。納骨タイプで種類分けした場合、「すぐに合祀されるタイプのお墓(合祀墓型)」と「一定期間はご遺骨(骨壷)ごとに管理されるタイプのお墓(個別墓型、もしくは集合墓型)」の2種類に大きく分けられます。

合祀とは、ほかのご遺骨と一緒に合葬されること。合祀墓型は最初から合祀墓にて供養・管理されることとなります。それ以外のタイプのお墓の場合は、ほかのご遺骨とは区別されて管理・供養されますが、33回忌など一定期間をもって合祀墓へと移されます (なお、期間については施設側との契約によって異なります) 。

以上のことから、「一般のお墓と違い、永代供養(永代供養墓)はいずれかのタイミングで、必ず合祀されるものである」ということが、大きな特徴のひとつといえます。

料金

永代供養墓の種類や合祀されるまでの期間などによって、料金に開きはありますが、一般のお墓と比べると永代供養は安価と言われています。

たとえば、最初から合祀されるタイプのお墓を選んだ場合は、10万円程度から受け付けているところもあります。ただし、「個別墓型」と呼ばれる永代供養墓のうち、一般のお墓のように故人ごとにお墓(墓石)を建てるプランを選んだ場合は、それなりのお値段となります。

また、永代供養の多くが、最初に一式の料金を払えば、その後は費用がかからないようになっています。対して一般のお墓の場合は、定期的に管理費がかかったり、お寺の中にお墓を建てた場合はお布施がかかったりするケースがあります。

契約条件

永代供養の場合は、基本的に宗教や宗派関係なく申し込みができ、檀家になる必要もありません(まれに檀家になることを条件としているところもあります)。また、独り身の方でも契約は可能ですし、生前契約もできます。

そのため永代供養は

などの方々のニーズにあった供養方法といえます。

供養や管理

永代供養墓は施設側の永続性をもって、供養や管理をされます。

一般のお墓ですと、ご家族などが定期的にお墓参りを行かないと、雑草が生えてしまい荒れてしまうことがありますが、永代供養の場合はそういった心配がありません。また、永代供養にしてもお墓参りをすることは可能なので、自分のペースで故人を偲ぶことができます。そのため、ご遺族の精神的負担が減るものとされています。

また、身寄りのない方や後継者がいない方の場合、いずれかは無縁仏となってしまう可能性が高いですが、永代供養ではしっかりと故人の弔いを続けてもらうことができます。死後も誰かに覚えておいてもらえる、見守ってくれるという安心感を得ることができます。

「永代供養は「供養や管理」を第三者に委ねることができる」
これも一般のお墓と大きく異なる点といえます。

永代供養墓の種類と、青森県で運営している施設

永代供養墓には納骨タイプの違いから見ると、すぐに合祀されるタイプと一定期間は個別にご遺骨(骨壷)を管理するタイプの2種類があるとお伝えしました。それ以外にお墓のスタイル分けもあります。それが「永代供養墓」「樹木葬」「納骨堂」の3種類。

元々は一般的な永代供養墓が主流でしたが、永代供養付きの「樹木葬」や「納骨堂」なども増加し、これらも永代供養墓のひとつとして考えられるようになってきたのです。
それぞれの概要や特徴と共に、青森県で運営をおこなっている施設をいくつか紹介するので、もし興味がある永代供養墓があれば、一度資料を取り寄せたり、現地に赴いたりすることをおすすめします。

永代供養墓

一般的とされる永代供養墓は、墓石や石碑、塔など石で作られたモニュメントなどを墓標とし、その下(もしくは内部)に納骨をする形式をとるお墓です。このほか、「納骨壇型」と呼ばれる石材の棚の中に骨壷を納骨するタイプなどもあります。

樹木葬

樹木葬は樹木や草木・花を墓標(シンボルツリー)とし、その下にご遺骨を埋葬すること。基本的に永代供養を前提としているところがほとんどです。

なお、樹木葬とほぼ同等の意味で「樹木墓地」や「樹林墓地」などがありますが、その言葉の違いや概念については、施設によって微妙に異なります。

たとえば、樹木墓地はご遺骨ごとにシンボルツリーを植えて個別埋葬する墓地。樹林墓地は大きなシンボルツリーを中心として、その下に合祀する形で埋葬する墓地のことを指すとする施設がある一方、合祀有無関係なくすべてを「樹木葬」としている施設もあります。また、樹林墓地と樹木葬は同一の意味合いとする施設も。

もし気になる施設があった場合は、どういった意味の違いがあるのか一度確認するようにしたほうが安心です。

納骨堂

納骨堂はお墓を建てる間や移動する間、一時的にご遺骨を保管する場所として役目を担ってきましたが、最近では「永代供養付き納骨堂」として、お墓代わりに使われるようになってきています。

屋内であることや、お一人ごとのスペースがほかの永代供養墓に比べると省スペースであることから、とくに空き地が少ない都市に広がりつつあります。

青森県で永代供養墓・樹木葬・納骨堂を運営する施設

青森県では永代供養墓の数はまだ多くなく、樹木葬や納骨堂を運営する施設はほとんどありませんが、その中でもいくつかご紹介できる運営施設をご紹介します。

青森市浅虫にある「陸奥護国寺」では、永代供養塔型の永代供養墓を運営。ご遺骨は最初から合祀しますが、家ごとに永代位牌を用意し、そこにご先祖の精霊を過去帳に明記するなど、丁寧な供養を心がけておられます。また、料金も明瞭で1霊地(1平方メートル)あたり永代供養料18万円としています。永代供養料には、永代供養・納骨料・位牌が含まれており、各家二霊以降は納骨料のみの5万円と良心的です。

また、つがる市の「広大山 浄円寺」では、最初から合祀する永代供養墓のほかに、一般のお墓のように個別にお墓を建てて納骨する永代供養墓があります。期間も50回忌まで対応してくれるなど一般的な33回忌と比べると長く、故人を長い期間をかけて弔いたいと願う家族にとってはありがたいものとなっています。

そのほか、永代供養墓と樹木が合体した「樹木永代供養墓」という新しいお墓の形を提供する「アラマチ浄苑」では、美しい草木の中心にいる仏像がお墓を見守っています。女性専用共同墓など、さまざまなニーズにあわせた永代供養墓があるのも特徴となっています。

公営墓地を永代供養墓代わりに?注目するべきポイント

お墓選びをする場合、永代供養墓とあわせて公営墓地についても知っておくと選択肢が広がります。

公営墓地とは都道府県や市区町村の役所が管理・運営をする墓地です。一般的にその地域に住民票がある人のみしか受け付けていないことが多いですが、運営元が公的機関のため、倒産・廃寺などによって閉園になってしまう心配もありません。また、管理も行き届いているだけでなく、安価であることから、とても人気が高い墓地です。

公営墓地には「永代供養」はありませんが、永代供養の合祀墓と似た形の「合葬墓地」などがあります。永代供養の合祀墓と、公営墓地の合葬墓地の違いは、供養の有無のみで、お墓の管理はどちらもしっかりとおこなってくれます。供養はされないながらも、慣れ親しんだ土地で眠りたいと思う人や家族が参拝にきてくれるだけで十分とする人は検討してみると良いかと思われます。

青森県の代表的な公営墓地

青森県内では、合葬墓を求める動きが市民の中でも広がっています。
これは2016年の八戸市で20歳以上3,500人をアンケートした結果にも表れています。そのアンケートでは市営合葬墓を利用したいとする人が約63%もいました。

こうした要望もあって、青森県では合葬墓の建設や受付が始まっています。青森市では「青森市月見野霊園」、弘前市では「弘前霊園」はすでに募集をしており、弘前霊園では20人の募集に対して52人もの募集があったなど、希望者が多いことがうかがえます。

まとめ

青森では永代供養をおこなっている施設はまだ少ないものの、市民の間では合葬墓に対する関心が集まっていることがわかりました。永代供養墓の浸透も、そう遠くないうちに広がっていくのかもしれません。

また、共同墓地の整備を始めている公営墓地も増えてきているので、永代供養とあわせて将来に向けたお墓選びをしてみることをおすすめします。