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沖縄県の永代供養・永代供養墓、葬儀の特徴とは

日本の最西端に位置する沖縄県は、温暖な気候と美しく澄んだ海に恵まれた地域。サンゴ礁やマングローブ林など豊かな自然が広がっていて、ヤンバルクイナやノグチゲラといった沖縄県でしか見られない貴重な生物たちが生息しています。

本州とは異なる歴史を歩んできた沖縄県では、独自の文化が発達してきました。そのため、沖縄県は日本の中でもとくに寺院数が少ない地域となっています。また、葬儀の風習やしきたりの中にも、日本のほかの地域にはない独特の特徴が見られます。

ここではそうした沖縄県の葬儀事情について確認しつつ、近年需要が高まっている永代供養に関してもお伝えしていきます。永代供養・永代供養墓の基本的な情報や、沖縄県で永代供養をおこなっている施設などを見ていくので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • 沖縄県の葬儀の特徴。風習やしきたり
  • 沖縄県の寺院数や葬儀1件あたりの費用
  • 永代供養・永代供養墓の概要と、沖縄県で永代供養をおこなっている施設

沖縄県の葬儀。費用や特徴

まずは沖縄県の寺院数や葬儀費用がどのくらいか、政府の公的データからわかった情報を解説します。

沖縄県の寺院数

文化庁発表の「宗教年鑑 令和元年版」によると、沖縄県内の寺院数は90カ所。これは全国47位の数字、つまり最下位にあたります。ちなみにひとつ上の順位である46位の宮崎県は、寺院数が349カ所。これと比べてみても、沖縄県は寺院の数がかなり少ないことがわかります。

沖縄県の寺院数が少ない理由

もともと沖縄県は琉球王国という独立国家で、本州とは異なる歴史を持っています。仏教が初めて琉球王国に伝わったのも13世紀の中頃で、それも最初のうちは国王や王族の一部にしか崇拝されていませんでした。

しかしその後、琉球王国は薩摩藩による統治を受け、明治時代に入ると沖縄県が設置されます。これによって琉球王国は滅亡し、仏教がやっと庶民の間に浸透するようになったのです。

このように、沖縄県ではそのほかの地域のようには仏教が広まらなかった…という歴史があります。そのため、沖縄県は全国のほかの地域と比べて、著しく寺院数が少ない地域となっています。

沖縄県の葬儀1件あたりの費用

経済産業省発表の「平成30年 特定サービス産業実態調査」によると、沖縄県の葬儀1件あたりの費用は約63万円となっています(「葬儀一式請負の年間売上高(百万円)/年間葬儀取り扱い件数(件)」で計算)。

これは全国46位の数字にあたります。ちなみに全国47位は青森県で葬儀1件あたりの費用は約58万円、全国1位は栃木県で葬儀1件あたりの費用は約164万円です。

沖縄県に距離が近い九州地方の数字をいくつか見てみると、長崎県は約128万円(全国12位)、佐賀県は約120万円(全国18位)、福岡県は86万円(全国42位)、鹿児島県は約80万円(全国45位)となっています。

沖縄県の葬儀における風習やしきたり

本州とは違った文化を持つ沖縄県は、葬儀の風習・しきたりも独特です。どのようなものがあるか、順にお伝えします。

告別式の前に火葬をすませる

沖縄県では、火葬をすませてから葬儀をおこなう「前火葬」というスタイルが主流です。とくに夏場は暑さでご遺体が傷むのを避けるため、通夜をおこなわずに臨終、火葬、葬儀をすませることもあるそう。

もともと沖縄県は本州ほど通夜を重要視しない傾向にあって、ご遺族や故人とごく親しいひとたちだけが参加し、故人の死と向き合います。そのため通夜の参列者はほとんどいないのですが、その代わりに葬儀の参列者は多く、焼香に長蛇の列ができることも珍しくありません。

また、納棺から納骨までを一日ですませることも多く、納骨の翌朝には墓参りに行くこともあるそうです。

沖縄には檀家の制度がない

先ほどもお伝えしたとおり、沖縄県は本州とは異なる歴史を歩んできた地域です。仏教の浸透も遅かっただけでなく、本州ではごく一般的な「檀家制度」が沖縄県にはありません。

そもそも、本州において「檀家制度」が始まったのは江戸時代のこと。その頃の沖縄県は「琉球王国」だったので、檀家制度が普及しなかったのも当然といえば当然です。

本州では菩提寺の僧侶に読経をお願いするのが普通ですが、沖縄県では檀家制度がないため、葬儀・通夜に僧侶を呼ばないこともあります。また、僧侶に読経を上げてもらう場合でも、近隣にある寺院から自由に選んでいいことになっています。

葬儀では「豚の三枚肉」をお供えする

沖縄県の葬儀では、枕飾りに「豚の三枚肉」をお供えするのが一般的。線香とろうそく、水、お箸を建てたご飯、味噌や塩、仮の位牌である「白位牌(シルイフェー)」にくわえて、ゆでた豚の三枚肉をお供えします。

もともと豚の三枚肉は、沖縄県の文化とは切っても切り離せない関係にあって、葬儀以外でも登場することが多いものです。

なぜ葬儀に豚の三枚肉をお供えするのでしょうか。この由来には諸説ありますが、一説には「故人が少しでも良いものを食べられるように」との思いから、栄養価が高い豚肉をお供えするようになったといわれています。

全国で普及し始めている永代供養・永代供養墓

近年、「永代供養」と呼ばれる新しい供養方法が広がりを見せています。そしてその新しい供養方法は、数少ないながらも沖縄県でも見られるようになってきました。

まずは永代供養とはどのようなものか。概要や知っておいたほうが良い「永代供養の期間」について解説します。

永代供養・永代供養墓の概要

元来「お墓を持つ」ということは、霊園や寺院にある墓地を使う権利を得て、そこに墓石を建てる。そして、納骨後は自分たちで墓掃除・お参りなどをおこなうことが一般的です。法要があると施設側や親族と打ち合わせをするとか、遠方にある寺院・霊園に足を運ぶとかいった苦労がありました。

しかし、「永代供養」の場合は、納骨後におこなうご遺骨の管理・供養のほとんどを、寺院・霊園に任せることができます。永代供養では節目ごとに施設側が法要をおこなってくれるので、わざわざご遺族が施設に赴く必要はありません。また、施設によっては、年忌法要に加えて盆・彼岸の供養、毎日・毎月の供養をおこなってくれる場合もあります。また、お墓周りの掃除はもちろん、必要があればお墓の修繕も施設がおこなってくれます。

なお、永代供養をおこなうお墓は「永代供養墓(えいたいくようぼ・えいたいくようばか)」と呼ばれ、一般のお墓と区別されています。

永代供養の期間はどれくらい?

永代供養は基本的に永代(管理する施設が存続する間は)管理・供養され続けていきます。

ただし、個別管理・供養される期間は定まっているところが多いので、注意が必要です。すこしわかりづらいので、順に解説します。

永代供養の納骨方法には2つのパターンがある

永代供養の個別管理・供養される期間を説明する前に、まずは永代供養の納骨方法について知っておく必要があります。

永代供養のご遺骨の納骨方法には「最初から合祀するパターン」と「一定期間骨壺で安置するパターン」の2通りがあります。

ご遺骨を最初から合祀するパターンでは、故人のご遺骨がほかと一緒になってしまうので、納骨後に分骨・改葬に対応することはできなくなります。

一方、「一定期間骨壺で安置するパターン」では多くの場合、分骨・改葬に対応してもらえます。しかし、個別で供養・管理する期間が契約時に定まっていることが多く、期間満了後にはご遺骨は合祀されるのが一般的。合祀された後も、ほかのご遺骨と一緒に管理・供養は続けられていきますが、最初から合祀するタイプのものと同じく、分骨・改葬は難しくなります。

「一定期間骨壺で安置するパターン」の安置期間の目安

「一定期間骨壺で安置するパターン」の安置期間(個別管理される期間)は、「7回忌まで」「13回忌まで」など施設によってさまざまですが、一般的には「33回忌まで」と定めることが多いです。これは、仏教に「どんな人間でも33年経てば無罪となって、極楽浄土へ行ける」という考えに基づいています。

まれに、施設によっては「50回忌まで」と、かなり長期間にわたって骨壺を安置してもらえる場合もあるので、長く個別に管理・供養してほしいと願うご遺族は、そうした施設を探すことをおすすめします。

このように、施設によって期間はさまざまなので、じっくりと検討してから永代供養先を決めることが重要です

永代供養の種類と沖縄県にある運用施設

永代供養には基本の「永代供養墓」にくわえ、「納骨堂」「樹木葬」といった種類があります。

それぞれの特徴について確認しつつ、沖縄県の永代供養施設を種類別にお伝えするので、ご自身に合った永代供養の種類を吟味するための参考にしてみてください。

永代供養墓

一般的な「永代供養墓」は、霊園の一画に専用区画を設けて運営されるケースがほとんどですが、なかには「永代供養専用の霊園」もあります。また、納骨・参拝スペースはたいてい屋外にあるため、「屋外型の永代供養」という分類をされることも特徴的です。

永代供養墓にはいくつかのタイプがあって、それぞれ外観・納骨方法に違いが見られます。現在主流となっているのは、モニュメントの下に納骨する「納骨塔型」、石材でできた棚に納骨する「納骨壇型」です。

なかには、一般のお墓と同じように墓石を建てる「墓石安置型」と呼ばれるものもあります。こちらは「納骨塔型」「納骨壇型」に比べて費用は割高ですが、従来のお墓と同じ感覚でお参りすることができます。

沖縄県で永代供養墓を運営する施設

沖縄県には複数の永代供養施設(永代供養墓・納骨堂・樹木葬)がありますが、そのほとんどは「沖縄県メモリアル整備協会」という公益財団法人が運営する施設です。

たとえば「八重瀬メモリアルパーク」は島尻郡八重瀬町にある霊園で、平和祈念公園から車で約7分の場所にあります。この霊園では永代供養付きの一般墓や、永代供養付き個別墓「結 ファミリア」などを運営中。「結 ファミリア」はマンション型のデザインで、複数の個別区画が設けられています。ご遺骨は50年間個別に安置可能。期間満了後は霊園内にある「おきなわ霊廟」に合祀されます。さらに納骨スペースに入る限りは、何柱でも納骨可能です。

「大里メモリアルパーク」は南城市大里字にある霊園で、南風原町・南風原南インターチェンジから車で約8分。「永代供養・納骨堂」や「位牌永代供養」といった設備を運営中です。「位牌永代供養」では、今まで持っていた位牌を供養してお焚き上げをおこない、残った灰を供養塔に納めます(戒名は「尊人の礎」と呼ばれる墓誌に彫刻)。その後は毎年春と秋のお彼岸に合同供養がおこなわれ、永代にわたって供養が続けられていきます。

納骨堂

納骨堂とは、建物内に納骨スペースや参拝所を設け、そこでご遺骨の管理・供養をおこなう施設のことです。納骨堂は納骨スペースや参拝スペースが屋内にあるため、雨風にさらされることなく、ゆっくりとお参りできるのがメリットです。ただし、従来のお墓とは印象が異なるため、場合によっては大きな違和感を抱く可能性があります。その点には注意してください。

また、納骨堂にも複数のタイプがあります。主流となっているのは、ロッカーのような棚に納骨する「ロッカー型」、上下2段に分かれた棚に納骨する「仏壇型」。「仏壇型」は上下2段に分かれていて、下部が納骨スペース、上部が仏壇や掛け軸、お供え物を置けるスペースになっていることが多いです。

また、都市部を中心に「自動搬送式(機械式)納骨堂」というタイプも増えてきています。これは機械で運ばれてきた故人の骨壺と、専用空間で対面できるというもの。お参りはICカード一枚でおこなうことができ、場合によっては花や線香なども施設が用意してくれます。

沖縄県で納骨堂を運営する施設

「中城メモリアルパーク」は中頭郡中城村にある、県内最大級の公園墓地。那覇市から車で約20分の場所にあって園内にはメモリアルホールがあるため、お参りだけでなく法要・会食もおこなえます。こちらでは永代供養・納骨堂「おきなわ霊廟」や「位牌永代供養」を運営中です。

「おきなわ霊廟」では、ご遺骨を骨壺の状態で1年間個別に安置可能です。その後は納骨袋に移し替えられ合祀されますが、オプションで個別安置の年数を追加することもできます。合同供養法要は毎月おこなわれ、その様子をインターネットの生中継で見ることも可能です。

なお「おきなわ霊廟」は先ほど紹介した「大里メモリアルパーク」や「具志川メモリアルパーク」、「石垣メモリアルパーク」や「宮古島メモリアルパーク」、「名護 やんばるメモリアルパーク」などにも存在し、それぞれで運営中です。

樹木葬

樹木葬とは、墓石の代わりにシンボルツリーと呼ばれる樹木を植えて、その周囲にご遺骨を埋葬するお墓のこと。なかには樹木ではなく草花を植える「ガーデニング型」の樹木葬もあります。

ご遺骨は直接土に触れる形で埋葬されるか、あるいは布に包んで埋葬されることが多いです。最終的にご遺骨が大地に還るように埋葬されることが多いため、自然志向の方や「母なる大地に還りたい」という想いをお持ちの方に向いています。

もちろん、ご遺骨を骨壺や専用容器に入れて納骨するプランが用意されているケースもあります。ご遺骨が土に還るのを避けたい場合は、そのようなプランがある施設を探してみることをおすすめします。

沖縄県で樹木葬を運営する施設

先ほども紹介した「石垣メモリアルパーク」「宮古島メモリアルパーク」などでは、樹木葬「花想(はなうむい)」を運営しています。

お墓の周りにはハイビスカスやサキシマツツジなど、沖縄県の土地に合った樹木・花々が植えられ、四季折々で美しい花々を咲かせます。広々とした作りになっているので、気持ち良くお参りができますよ。

1~4人用まで複数の区画が用意されているので、自身やご家族のニーズに合った選択が可能です(施設によって完売している区画あり)。また、ご遺骨は納骨から13年間は個別に埋葬され、その後は霊園内の「おきなわ霊廟」に合祀されます。

沖縄県の公営墓地

墓地の中には「民営墓地」「寺院墓地」のような民間運営のもののほかに、行政が運営する「公営墓地」があります。公営墓地は民営墓地や寺院墓地に比べて、費用が安く、行政が運営しているという安心感がメリットです。

また、公営墓地の中には「合葬式墓地」や「樹林型墓地」など、永代供養によく似た設備を備えた施設もあります。ただし、公営墓地では原則として供養がおこなわれることはなく、管理のみがおこなわれる点には注意が必要です。

沖縄県の代表的な公営墓地

沖縄県内では沖縄市、那覇市、浦添市、うるま市などの自治体が公営墓地を運営しています。

その中でも代表的なものが、那覇市が運営する「那覇市民共同墓」という施設です。1階が合葬式墓地、地下が短期収蔵納骨室(納骨堂)となっていて、合葬式墓地に関しては生前予約も可能です。

合葬式墓地では納骨時にご遺骨を直接合葬するほか、納骨壇で一定期間(12年間・32年間のいずれか)個別に安置することも可能。納骨堂の使用期間は5年間で、その間はご遺骨を個別に安置できます。ただし、1回に限り期間を更新することも可能です。

こちらは永代供養施設に似たような場所となっていて、料金も低く設定されています。沖縄県内の永代供養施設をお探しの方は、こちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

沖縄県は本州とは違う独自の歴史・文化を持つ地域。そのため県内には寺院が少なく、「読経はどの寺院の僧侶に頼んでもいい」「枕飾りに豚の三枚肉をお供えする」など、葬儀においても独自の習慣が見られます。

寺院が少ないため、永代供養施設も少ないのでは…という危惧を抱きがちですが、今回調べてみたところ沖縄県には公益財団法人が運営する永代供養施設が複数あることがわかりました。それらの施設では永代供養付きのお墓にくわえ、納骨堂や樹木葬も運営中。また、那覇市では永代供養に似た公営施設を運営しています。

県内の永代供養をお探しの方は、紹介した情報を参考にして、ご自身に合った施設を見つけてください。