お問い合わせ

北海道の永代供養や永代供養墓。葬儀の風習

日本の都道府県の中で、最大の面積を誇る北海道。本州と海を隔てていることだけでなく、アイヌ人との歴史、箱館港の開港でもたらされた西洋の文化や技術などによって、独自の文化が形成されてきました。そんな本州との文化の違いは、冠婚葬祭の場でも表れています。一体どんなものなのか。今回は「葬儀」に焦点をあてて、北海道のさまざまな葬儀事情やしきたり・習慣をお伝えします。

また、最近注目が集まってきた永代供養や永代供養墓に関する基礎的な情報および、北海道で永代供養をおこなう施設などについても紹介するので、お墓選びを検討している方はご参考ください。

この記事でわかること
  • 北海道のお墓事情・寺院の数
  • 永代供養・永代供養墓や基礎知識
  • 永代供養墓の種類や公営墓地の情報、北海道内の施設

北海道のお墓・葬儀事情

国土交通省「令和元年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)」によると、北海道全体の面積はおよそ83,424平方キロメートル。実に日本の面積の22%を占めるほどの広さを持つ北海道は、本州とは異なる独自の文化を形成している部分が随所に見られます。

たとえば、結婚式披露宴は会費制、節分には落花生を撒く、百人一首は木の札ではなく板を使うなど。こうした北海道独自の文化形成は、葬儀の場面でも例外ではありません。ほかの地域ではあまり見ることがないしきたりや風習が残っています。

そんな北海道について、ここでは国の統計調査を元に北海道の寺院や葬儀1件あたりの費用のほか、北海道ならではの葬儀の風習について解説します。

北海道の寺院数

文化庁の「宗教年鑑 令和元年版」のデータによると、日本全国の寺院数は76,930カ所。そのうち、北海道にある寺院の数は2,324カ所で、47都道府県中12位と上位です。

北海道は本州などの地域と比べると寺院の歴史が浅く、北海道の各地域で最古といわれる寺院の多くは江戸時代に建てられたものです。しかし、歴史的価値は高く、函館市内にある最古の寺院・高龍寺(こうりゅうじ)は登録有形文化財に登録されるほど。北海道の歴史を知る上で、貴重な場所となっています。

北海道の葬儀1件あたりの費用

経済産業省により令和元年9月に発表された「平成30年 特定サービス産業実態調査」のデータでは、北海道の葬儀1件あたりの費用はおよそ95万円。全国33位の数字です。
※「葬儀一式請負の年間売上高(百万円)/年間葬儀取扱件数(件)」で計算

北海道に近い東北地方のトップが、全国4位の福島県(約143万円)。次いで宮城県は全国13位、山形県は全国14位で、どちらも約127万円となっています。東北地方は北海道よりも高い傾向にあります。(ただし、青森県のみ全国と比べてみても極端に低い傾向)

北海道の葬儀事情・しきたりの傾向

「北海道のお葬式」といえば、本州との違いが多く、初めて参加する人は驚くことも多いといいます。また、北海道と一口に言ってもとても広いため、北海道内でも地域によって風習やしきたりはさまざま。同じ北海道出身の人でも初めて聞くようなこともあるかもしれません。

今回はそんな北海道の葬儀の風習、しきたりの傾向を見ていきます。

香典に領収書を発行。会葬礼状や香典返しと共に渡される

葬儀に参加した時にまず驚くことが、香典を渡した時に領収書が発行されること。当然ながら金額がわからないと領収書はかけないので、その場で金額を確かめられます。また、香典返しも即日返しで、全員一律の品物。1,000円(もしくはそれ以下)程度の品物となっています。これは半返しなどでご遺族側に経済的負担をかけないことや、一律同額することで手間を省くことを考慮した、合理的な思考のもとにおこなわれているといえます。

なお、葬儀に参加してくれたことに対する感謝を表す礼状と共に、香典の領収書、香典返しは渡されます。

火葬は葬儀の前

関東などでは火葬は葬儀後が多いですが、北海道は葬儀の前に火葬をおこないます(前火葬)。
これは「伝染病が流行した時に、参列者に移すのを防ぐため」「戦争や大火事、海での遭難事故などで多くの死者を出した時に、遺体の処理を急いだため火葬を早めた」など、そのほかさまざまな説が原因と考えられていますが、どれが決定的となったのかはわかっていません。

なお、前火葬については、北海道だけでなく、岩手や沖縄などほかの地域でもおこなっているところがあります。

霊柩車?霊柩バス?

お棺を移動させる時は霊柩車を使いますが、北海道では「霊柩バス」を使います。お棺は大型バスの下側にあるスペースにおさめて、ご遺族は普通に乗車して、みんなで火葬場へと向かいます。
車を2台に分けなくて良いなど合理性がありますが、なかには抵抗を感じる方も。そういった方は、霊柩車を選ぶことができる施設も増えて来たので、施設側に確認の上、霊柩車を選ぶことをおすすめします。

集合写真を撮る

北海道では祭壇の前でご遺族やご親戚一同の記念撮影をおこなうことが一般的。ご葬儀とはいえ、親戚一同が集まる機会はなかなかないですし、後日この時のことを思い返す際の一品として活用できることを考えると、良い風習のひとつといえます。

北海道でも広がりをみせる永代供養・永代供養墓

近年、さまざまなメディアで広がりをみせている「永代供養」。お墓選びをした方や街なかなどで、一度はその言葉を目にしたことがあるかもしれません。しかし、目にしたことはあっても、どういったものなのかまでは意外に知られていないもの。

まずは、永代供養とはどのようなものかを解説します。

永代供養・永代供養墓の概要

永代供養とは、霊園や寺院といった施設側と永代供養の契約をすれば、あとは施設側がご遺骨の供養や管理など全て対応してくれるという供養方法のことです。費用は契約時に一式支払えば、その後はかかりません(まれに契約後も費用がかかるケースもあります)。

また、永代供養をおこなうお墓のことを永代供養墓(えいたいくようぼ)といい、大きく分けて「合祀墓型」「個別墓型」「集合墓型」の3種類の形があります。

合祀墓型はほかのご遺骨と一緒に合葬して供養・管理されますが、個別墓型と集合墓型はほかのご遺骨とは区別されているのが大きな特徴です。ただし、ある一定の年数をもって合祀墓に移されるのが一般的。また、合祀された後も、供養・管理自体は施設側が閉鎖しない限りは永続的におこなわれます。

料金は永代供養墓の種類や大きさ、どのくらいの期間を骨壷で管理するかなど、さまざまな要素によって開きがあるため、必ず施設側に確認する必要があります。

永代供養や永代供養墓を利用する時に注意すること

永代供養は宗教不問で身寄りがない方でも申し込むことができます。とはいえ、誰でもすぐに申し込めるというわけではありません。一旦ご自身の状況を整理する必要があります。なぜなら、状況によっては永代供養の手続きと並行して、墓じまい・改葬などの手続きが必要となるからです。

もしも先祖代々のお墓がなく、ご自身のみで永代供養をおこなおうとしているのであれば、問題ありません。しかし、すでにお墓をお持ちの方は、そちらを閉じて永代供養に引っ越す手続きをする必要があります。なお、お墓を閉じることを「墓じまい」、お墓を引っ越すことを「改葬」といいます。

墓じまいの手続き

墓じまいは、墓地がおいてある市区町村の役所での手続きが必要です。また、お墓がある寺院や霊園への連絡、手続きも必要となります。寺院の場合は離檀をする必要があって、一方的な離檀の申し出をするとトラブルに発展することも。しっかりと事情を伝えた上で、離檀の申し出をする必要があります。

そのほか、お墓を移動する時には閉眼供養および更地にする依頼も必要となります。するべき作業は多いので、事前にしっかりと確認しながら進めていくと安心です。

永代供養の種類と北海道での事例

永代供養墓は、合祀型(ほかのご遺骨と一緒に埋葬するお墓)か、そうでないか(骨壷ごとに分けられているお墓)が一番大きなポイントで、合祀型ではない場合は費用が高くなる傾向にあります。また、墓石や石碑などの墓標の下に埋葬するのが一般的なスタイルでしたが、最近では「樹木葬」や「納骨堂」などでも永代供養が選べるなど、種類が増えてきました。

ここでは、それぞれの特徴や北海道で運営しているいくつかの施設をご紹介します。

永代供養墓

一般的な永代供養墓は、先ほどもお伝えしましたが墓石や石碑などを墓標とし、その下で埋葬するスタイル。屋外にあることが多いのも特徴のひとつです。運営する施設によって供養や管理方法、料金に開きがあるため、施設ごとに資料を取り寄せ確認することが大事となっています。

北海道で永代供養墓を運営する施設

春光の丘 (しゅんこうのおか) 霊園は、旭川初の合葬墓「永代合祀供養墓」があります。料金は料金一人16.5万円以下、一世帯でも30万円以下。永代供養料や管理料のほかにご位牌代など全てが含まれていて、契約後は一切かからないとしているため、利用者は安心して利用できます。

樹木葬

樹木葬とは樹木や草木を墓標とするお墓を指します。最近の樹木葬は永代供養が付いているのが一般的となってきてします。その影響なのか、最近では「樹木葬といえば永代供養墓のひとつ」と考えられるようになってきました。自然に包まれながら眠りたいと願う人も増加傾向になっていて、それに比例して樹木葬の施設も増えています。

北海道で樹木葬を運営する施設

真駒内滝野霊園(まこまないたきのれいえん)は札幌市南区滝野にあります。北海道内最大級の広さをもつ霊園で、なんと総面積は180万平方メートルほど。大自然を生かした霊園づくりが魅力となっています。
扱うお墓の種類もさまざまで、一般のお墓以外に永代供養付樹木葬が2種類あります。ひとつはバラが咲き誇る「ローズガーデン」、もうひとつは桜とラベンダーの「つどい2」。ローズガーデンはおひとり様以外に2名、4名利用ができるプランもあるため、家族で希望する方にも人気となっています。丁寧に管理された花と見晴らしの良い園内で眠りにつくことができるだけでなく、供養の管理もしっかりとしている霊園なので、気になる方は一度資料を取り寄せてみることをおすすめします。

納骨堂

納骨堂はもともと「ご遺骨を保管・管理する場所」で、お墓としての意味合いは持っていませんでした。しかし、近年永代供養付きの納骨堂が増え、樹木葬同様、納骨堂も永代供養墓のひとつとして考えられるようになってきています。一般的な永代供養墓との違いは、ほとんどが屋内施設であるということ。また、管理費(年会費)がかかるところが一般的です。
また、形はロッカー型、仏壇型、機械式納骨堂、合祀型の4種類に分類されます。

北海道で納骨堂を運営する施設

樹木葬も気になるが、納骨堂も気になるという方におすすめなのが「札幌もなみ ふれあいパーク」。日本初のガーデニング納骨堂で、屋内施設で天気に左右されることなくお参りすることができます。また、外の光や空気を入れる工夫を凝らした設計や、噴水から流れる水音などによって、屋内とは思えないほどの開放感を味わえるのも魅力のひとつ。
そのほか「北の杜御廟(きたのもりごびょう)」も室内は自然光が降り注ぐ設計。「墓石型納骨堂」を提供していて、「札幌もなみ ふれあいパーク」同様、従来の納骨堂のイメージを覆すタイプの施設となっています。

札幌市にある一乗山北海寺が運営する「寂光殿(じゃっこうでん)」は年間管理費が12,000円かかるものの、ロッカー式ではなく霊廟(仏壇)型を展開。各々のご本尊に向かい手を合わせられるため、ご遺族にも人気がある形となっています。一番安い55万円のプランでも、12霊までおさめることができるので、経済的負担はそこまで高くありません。

北海道の公営墓地

墓地には、「寺院墓地」「民営墓地(いわゆる、霊園などを経営している場所)」のほかに「公営墓地」があります。都道府県や市町村が管理・運営を担う墓地で、空き状況によって募集をかけるのが一般的。ほかの墓地と比べて、経営状況が安心であることや、比較的安価であることなどからとても人気が高いです。

なお、公営墓地では基本的に永代供養はおこなわれませんが、合葬式墓地や樹林墓地など、永代供養と似た墓地もあります。こちらは「供養」はされませんが、「永代管理」をしてくれるため、公営墓地の一般の墓地と同じく、注目が集まっています。

たとえば「札幌市営 平岸霊園」では「合同納骨塚」では、一体につき9,100円という低価格でその後の管理をしてもらえます。また、北海道北広島市にある「北広島霊園」でも「慰霊堂(合葬式墓地)」があって、合祀された上で市に管理されるようになります。

注意点として公営墓地の場合、利用はおもに市在住の方に限定されていることや、生前申込みができないため、申し込みが限定されることが挙げられます。

まとめ

ほかの地域と比べ、独自の文化を築いてきた北海道。前火葬や香典返し、霊柩バスなど、さまざまな面から、北海道民は非常に合理的な考えのもと文化を作り上げてきたことがうかがえます。

近年では人口減少にともない、永代供養を提供する寺院や霊園も増えてきました。また、一般墓地と樹木葬、合葬墓、全てを選べる霊園も増えてきました。とくに樹木葬は草花の手入れも丁寧で、スペースを広くとっているところが多く、これは広大な面積と大自然をもつ「北海道ならでは」といえます。遠方の方でも申し込む方が多いため、気になる方は各寺院など問い合わせすることをおすすめします。