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鳥取県の永代供養・永代供養墓。葬儀のしきたりなど

日本海に面した山陰地方の鳥取県。総務省統計局の調査によると、2019年の県内の人口は約55万人。これは日本で一番少ない数で、東京都の杉並区や板橋区とほぼ同じ人口です。

しかしながら、日本最大級の海岸砂丘の「鳥取砂丘」や「伯耆富士」の愛称で親しまれている「大山」、近年では「水木しげるロード」など、魅力的な観光スポットもたくさんあります。

そんな鳥取県には、この地域ならではのユニークな葬儀の風習・しきたりがいくつか残っています。今回それらをご紹介すると共に、最近話題となっている永代供養・永代供養墓についてもお伝えします。

この記事でわかること
  • 鳥取県の葬儀・お墓事情
  • 鳥取県の寺院数や葬儀1件あたりの費用
  • 永代供養・永代供養墓の基礎知識と、鳥取県で永代供養をおこなっている施設

鳥取県のお墓・葬儀事情

かつての因幡国、伯耆国が合わさってできた鳥取県。県内は、東部、中部、西部の3つのエリアに分けられて、それぞれ独自の文化を育んできました。

まずは、そんな鳥取県の寺院の数や葬儀1件にかかる費用について見ていきます。

鳥取県の寺院数

文化庁の「宗教年鑑 令和元年版」のデータによると、日本全国にある76,930カ所の寺院のうち、鳥取県の寺院数は467カ所。これは全国第44位の数字で、隣の島根県(1,304カ所)と比べると、約840カ所少ないことがわかりました。

しかしながら、国宝指定の「投入堂」がある「三徳山三佛寺」や重要文化財の阿弥陀堂および弥陀三尊などがある山陰の名刹「大山寺」など、一度は訪れたい寺院もいくつかあります。

鳥取県の葬儀1件あたりの費用

経済産業省の「平成30年特定サービス産業実態調査」によると、鳥取県の葬儀1件あたりの費用はおよそ87万円となります。
※「葬儀一式請負の年間売上高(百万円)/年間葬儀取扱件数(件)」で計算

これは全国第39位の数字で、全国平均の約110万円よりも低い傾向にあります。ちなみにお隣の島根県は約88万円で第32位と、葬儀に関しては鳥取県も島根県もあまり費用をかけないようです。

鳥取県の葬儀はどうなっている?しきたりや傾向

鳥取県の葬儀では、他県では見られないユニークな風習もいくつかあります。その中から代表的なものを3つご紹介します。

枕団子はいくつ用意するの?

「枕団子」とは、故人の枕元にお供えする団子のことで、餅米ではなくうるち米の粉で作るのが特徴。「故人が冥土への旅路でいつでも食べられるように」「お腹が空いて困った人に分け与えて功徳を積めるように」といった意味が込められています。

団子の数は地域によってまちまちで、全国的には6個あるいは49個という地域が多いようです。「6」は、六道(仏教で人びとがその業の結果として輪廻転生する6種の世界)の苦しみを救う「六地蔵」から、「49」は故人があの世で極楽浄土に行けるかどうかの裁判が結審する「四十九日」にちなんだ数字だといわれています。

鳥取県は、この枕団子のことを「送り団子」と呼び、お供えする数も4個と他県とは異なる数をお供えします。これは「4=死」という連想から4個になったのではないかと考えられています。

法事パンって?

法事のお返しとして渡す返礼品。形に残らない物や消え物を選ぶのが一般的で、饅頭やお茶などを渡すケースが多いかと思います。

ところが、鳥取県西部や島根県、岡山県の一部では、返礼品にパンを用意する地域があるんです。

なぜ返礼品にパンを配るようになったかは定かではありませんが、一説によると、第二次世界大戦後、欧米文化が日本でも広がりパンの消費量が増えるにつれ、当時高級品だったあんパンを配る習慣が広まったのでは始まりではないかということです。

現在は、あんパンだけでなく、クリームパンやジャムパン、メロンパンなども配っているとのこと。
お店や企業によっては、専用の箱や野市、蓮の花の絵柄がプリントされた袋を準備しているところもあって、パンを返礼品として渡す習慣はすっかり定着しているようです。

葬斂(そうれん)とは?

故人を火葬場へと運ぶ際、一般的には霊柩車に乗せますが、鳥取県の一部地域では、参列舎が棺を担いで火葬場まで運ぶ習慣があって、これを「葬斂(そうれん)」と呼びます。この時、棺にさらしの白い布を結びつけて遺族が引っ張る「縁の綱(善の綱)」という風習もあります。「縁の綱」は、薄いさらしの布で切れやすいことから、故人との縁を切るための儀式ともいわれています。

鳥取県でも広がりをみせる永代供養・永代供養墓

葬儀にまつわる独自の風習・しきたりが残る鳥取県。ですが、近年の高齢化で、伝統が受け継がれない可能性も大きくなっています。と同時に、お墓の継承者の不在もこれからより大きな課題となる可能性があります。そんな人たちから注目を集めているのが、永代供養・永代供養墓です。ここでは、永代供養・永代供養墓について、詳しくご紹介します。

永代供養・永代供養墓の概要

「永代供養」とは、遺族に代わって寺院や施設が故人の供養やお墓の管理をおこなう仕組みのこと。「お墓の継承者がいない」という方や「お墓がある実家から遠く離れた場所で暮らしている」という方などからも選ばれています。また、永代供養をおこなうお墓のことを、「永代供養墓」といいます。

永代供養にはどんな形があるの?

永代供養の管理や供養の仕方は、寺院や霊園、公園墓地によって異なりますが、代表的なパターンとしては…

の3つに分けられます。

永代供養は「永遠」ではない?

永代供養でいう「永代」とは「長い年月」のことを指しているため「永遠」を約束しているものではありません。寺院が廃寺となったり霊園が閉鎖してしまったりした場合は、その後の故人の供養やお墓の管理は困難となります。

そのため、永代供養を検討する際は、運営者の情報や経営母体についてもチェックしておくことをおすすめします。

「永代供養」と「永代使用」の違いとは?

永代供養とよく似た言葉に「永代使用権」「永代使用料」というものがあります。一見すると同じように見えますが、実はこの2つは全く異なるものです。

上記のとおり、あくまでお墓の区画の使用権を指す言葉なので、供養や管理をおこなわない施設や別途費用が必要な施設もあります。間違わないようにしましょう。

永代供養で気になること

永代供養でよく質問に上がることをまとめました。

Q.永代供養後も、お墓参りは可能ですか?

A.可能です。ただし、参拝が可能な時間帯は寺院などによって異なるため、事前にHPや電話などで確認してからお参りするのが最適です。

また、屋内の永代供養墓(納骨堂など)はスペースに限りがあるため、お盆やお彼岸の時期には混雑することが予想されます。

Q.永代供養は、宗教や宗派に条件があるのですか?

A.永代供養は、宗教や宗派に関係なく契約可能です。

ただし、供養方法については、申し込んだ寺院や霊園提携の寺院に則った儀礼をおこなうのが一般的です。

また、浄土真宗の場合、「亡くなった後すぐに成仏できる」という考え方なので、供養を続けることで成仏が叶うという永代供養とは異なる教えだとされています。そのため、浄土真宗の場合は、一般的に永代供養の依頼はできないとされています。

Q.永代供養後、個別で年忌法要を依頼することはできますか?

A.ほとんどの施設で依頼可能です。
ただし、施設によっては、法要をおこなう僧侶が指定されていることもあります。

永代供養の種類

永代供養には大きく3つの種類があります。

それぞれ特徴が異なるため、永代供養を検討する際は、どの種類が合っているかをチェックすることをおすすめします。

ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。

永代供養墓

永代供養墓は、大きく「合祀墓型」「個別墓型」「集合墓型」の3タイプに分けられます。

鳥取県の永代供養墓

鳥取県内にも、永代供養墓を設けている施設がいくつかあります。

そのひとつが、鳥取市の長通寺。曹洞宗の寺院ですが、宗派は不問。緑豊かなロケーションや境内に飾られた県出身の画家・八百谷冷泉による多くの襖絵も魅力的です。

鳥取城跡から程近い場所にある観音院もおすすめ。国名勝の「観音院庭園」があることで知られ、永代供養は国の名勝指定地内にある阿弥陀堂前永代供養塔に安置されます。33回忌、50回忌と、個別に埋葬される期間が比較的長いのも特長です。

倉吉市の金毘羅院が運営する「照光苑」は、中部エリアで注目の永代供養墓。合祀墓タイプの「合同永代供養墓 還阿堂(げんあどう)」と「個別永代供養墓 慈蓉(じよう)」の2タイプがあって、新たな納骨だけでなく、改葬にも対応可能です。

また、民営で永代供養墓を設けている施設はまだ多くありませんが、たとえば、県東部にある八頭町の「やずメモリーパーク」には、合同供養墓「やわらぎ」があります。墓地の継承者や供養をおこなう人が将来的に不在となった時でも、施設が永代にわたって供養をおこなってくれるので、安心して眠りに就くことができます。

樹木葬

樹木葬は、墓石を建てる代わりに樹木や花木を墓標に見立ててご遺骨を埋葬する永代供養の方法。常緑樹のクスノキや春には美しい花を咲かせるサクラなどが多いですが、近年ではおしゃれなガーデニングを取り入れた樹木葬をおこなう施設も出てきました。

鳥取県の樹木葬

鳥取県内では、先ほどご紹介した「やずメモリ-パーク」のほかにも、倉吉市にある「ふれあいの里 墓苑」に花壇タイプの樹木葬が設けられています。JR倉吉駅から程近い場所にあるので、県外に住んでいる方もお参りしやすいのも魅力的です。

県西部の大山町には、複数タイプの樹木葬を設けている「正福寺」があります。境内には、好みの樹木や花木を選べる「樹木墓苑」のほか、「お釈迦様の木」として知られる沙羅を取り入れた「沙羅墓苑」、レッド、イエロー、ピンクの3色に変化する可憐な薔薇の下にご遺骨を埋葬する「アンネのばら墓苑」など、多彩なニーズに対応しています。

納骨堂

納骨堂とは、主に屋内でご遺骨を安置するためのお堂のことを指します。かつてはご遺骨を一時的に預かるだけのものでしたが、近年では永代供養もセットで受けつけてくれる施設も増えました。

納骨堂には、ロッカーのような棚にご遺骨を個別に納める「ロッカー型」のほか、集合墓タイプの「霊廟型」、デジタル技術を取り入れた「機械式納骨堂」などがあります。

その中でも注目を集めているのが八頭町の「光澤寺」。自然豊かなロケーションで非日常感に満ちた時間を過ごせる宿坊としても人気の寺院です。境内には、ロッカー型の納骨堂が設けられて生前契約であれば棚の中を自由に飾ることができます。

このほか、鳥取市内には「養源寺」と「浄宗寺」に納骨堂が設けられていますが、どちらも浄土真宗の門徒など、限られた人だけが入れるようです。

また、民営が運営する納骨堂も2020年現在はあまり見当たりません。しかし他県では納骨堂が増えている地域もあって、鳥取県でも今後納骨堂が新たに登場する可能性も期待できます。

鳥取県の公営墓地などの紹介

ここまでは、寺院や民間業者が運営する永代供養墓について見てきましたが、県内には市町村が運営する「公営墓地」もあります。

公営墓地の大きなメリットとして、「費用を安く抑えられる」ことと「公共団体が運営するため墓地がなくなる恐れが限りなく少ない」ことが挙げられます。

そのため、空き枠が出るとすぐに埋まってしまうことも多いので、公営墓地を検討する際は、お住まいの行政HPをチェックしておくことをおすすめします。

鳥取県の代表的な公営墓地

公営墓地では、寺院墓地や民営墓地のような永代供養墓はありませんが、永代供養墓に似た仕組みの「合葬式墓地」があります。

鳥取市が運営する「第二いなば墓苑」内の合葬式墓地もそのひとつ。墓じまいやお墓がない市民のために提供していて、一体あたり10万円という安心の価格でご遺骨を納められます。

また、県西部の米子市が運営する「米子市南公園墓地」と「米子市北公園墓地」には、霊地のほかに公営の納骨堂があります。

このほか、県中部の三朝町や琴浦町、県西部の境港市や南部町などにも公営墓地がそれぞれ設けられています。詳細につきましては、公式HPなどでチェックしてご確認ください。

まとめ

日本で一番人口の少ない鳥取県。葬斂など昔ながらの風習に加え、近年になって定着した葬儀パンの習慣もあります。「故人と親しかった参列者に、高級品のあんパンを食べてほしい」というご遺族の優しい気持ちが伝わる素敵な風習ですね。

そんな鳥取県でも、生活環境の変化などが原因でお墓の継承者の不在に頭を悩ませている人が多くいるかと思います。永代供養を選ぶ際は、永代供養墓、樹木葬、納骨堂のどれが自分に合っているのかを考えた上で契約することをおすすめします。

他県に比べて、まだ永代供養墓を運営する施設が多いとはいえませんが、今後は増える可能性も多いにあります。とくに生前契約を考えている人は、新聞やTV、インターネットをチェックして、新しい情報を仕入れておくと良いです。